新古今和歌集の部屋

切出歌 その一

新古今和歌集 切出歌
※切出歌とは、元久二年三月二十六日の竟宴の二日後から後鳥羽院の指示で、新古今和歌集から切り出された歌。各異本は、それぞれの書写時期に切り出された歌を含む含まないの違いがある。
なお、後鳥羽院が隠岐で削除した歌は、含まない。

春歌下
110 山部赤人
110a 承元四年九月止之  中納言家持
ふるさとに花はちりつつみよしののやまのさくらはまださかずけり
111 紀貫之

146 後白河院御歌
146d 太上天皇
いかにせむ世にふる眺め柴の戸にうつろふ花の春の暮がた
147 摂政太政大臣

162 藤原興風
162d 山部赤人
恋しくは形見にせむと我が宿にうへし藤波今さかりなり
163 延喜御歌

夏歌
212 権中納言親宗
212d 被出了   顕昭法師
ほととぎす昔をかけて忍べとや老の寝覚め一声ぞする
213 藤原保季朝臣

237 二条院讃岐
237d 被入雑上了  赤染衛門
さみだれの空だにすめる月影に涙の雨の晴る間も無し
238 皇太后宮大夫俊成

244 よみ人知らず
244d 被出了  増基法師
ほととぎす花立花の香ばかりに鳴くや昔の名残なるらむ
245 皇太后宮大夫俊成女

秋歌上
298 藤原雅経
298d 太上天皇
あさ露のをかのかや原山風に乱れて物は秋ぞ悲しき
299 西行法師

315 権大納言長家
315d 宇治前関白太政大臣 入金葉之由雅経朝臣申之
契りけむほどはしらねど七夕の絶えせぬけふの天の川風
316 藤原長能

318 大宰大弐高遠
318d (空人法師)
慣れぬれば辛き心もありやとてたなばたつめのたれにちぎりし
319 小弁

秋歌下
441 前中納言匡房
441d 恵慶法師
高砂の尾上にたてる鹿のねにことのほかにもぬるる袖かな
442 惟明親王

544 摂政太政大臣
544d 前大僧正慈円
立田山秋ゆく人の袖を見よ木々の梢はしぐれざりけり
545 権中納言兼宗

冬歌
668 高倉院御歌
668d 空仁法師
花の松もみぢの秋も知るかりし松の梢も見えぬ雪かな
669 藤原家経朝臣

哀傷歌
811 上東門院
812 女御藤原生子
812d 和泉式部
誰なりとをくれさきだつ程あらば形見にしのべ水茎の跡
813 源道済

814 (よみ人知らず)故郷に
814d 盛明親王
世の中のはかなき事を見る比は寝なくに夢のここちこそすれ
815 権大納言長家

羇旅歌
904 在原業平朝臣
904d 被出了 凡河内 躬恒
浪の上にほのに見えつつ行く舟は浦吹く風のしるべ成りけり
905 紀貫之

911 よみ人知らず
911d 源順
名を聞けば昔ながらの山なれどしぐるる秋は色かはりけり
912 橘良利

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