みのとけくしておそれなし。ほと
せはしといへともよるふすゆか
あり。ひるゐるさあり。身一を
やとすにふそくなし。かうなは
ちいさきかいをこのむ。これ身
をしれるによりてなり。みさ
こはあらいそにゐる。すなはち
人をおそるゝかゆへなり。われ
またかくのことし。みをしりよ
(庵の)み、のどけくして恐れなし。
ほど狭しといへども、夜臥す床あり。
昼ゐる座あり。
身一をやどすに不足なし。
かうなは小さき貝を好む。
これ身を知れるによりてなり。
みさごは荒磯にゐる。
すなはち人を恐るゝが故なり。
我また斯くの如し。
身を知り、世
(参考)大福光寺本
ミノトケクシテヲソレナシ。
ホトセハシトイヘトモヨルフスユカアリ。
ヒルヰル座アリ。
一身ヲヤトスニ不足ナシ。
カムナハチヰサキカヒヲコノム。
コレ事シレルニヨリテナリ。
ミサコハアライソニヰル。
スナハチ人ヲゝソルゝカユヘナリ。
ワレマタカクノコトシ。
事ヲシリヨヲ