新古今和歌集の部屋

俳句集 花鳥風月 鹿島詣

はじめに

初めてネットワークに参加したのは、HPだった。マンションの管理組合が定めたブロバイダーと契約して光通信を始めた。

既にネットワークに参加していた叔父が、ウェッブリブログと言うのを勧めたので、2006年10月28日に参加してみる事にしたのが、ブログ名 花鳥風月だった。俳句のブログ友達も5人ほど出来たが、それぞれの方も止めて行った。当時はガラケーで写真を撮っていたので、画像が粗く小さい。それでもあちらこちらを撮って歩いている。

2023年1月に閉鎖されると言う事で、急遽引っ越しをしている。1日分を掲載していたが、読む読者も疲れるだろうと以下をまとめて、俳句集「花鳥風月」と名付ける。

 


 カレー   2009年06月25日
とりあえず汗をかきつつカレー食ふ


先々週の土曜の朝(正確には起きた12時頃)からカレー。お昼(4時頃)ふらふらと牛丼屋さんに入ってカレー。

カレーは、国民食となり、一人一週間で1.5杯は食べているとか。
ラーメン(中)、スパゲティ(伊)、ハンバーグ(独)と日本食は多彩ですね。
もちろんナポリタンというイタリア料理は無いしそうです。子供じみていますが好きですね。


初案のメモを書き損じ、再考するのに時間が掛かってしまいました。初案を思い出したら書き換えます。

カレーライスが夏の季語に昇格しても良いとは思いますが、季語は汗です。


 五月闇’09  2009年06月26日

垂れ込めて心に掛かる五月闇

仕事でちょいとした事があった。こんな事があると血糖値が上がるので嫌なのですが。

6月の健康診断で空腹時113、HbA1c5.9と低く出ています。又悪玉コレステロール値が低くて、注意評価されました。(カロリー制限しているのでしょうがないが、玉子とかを心掛けて食べよう)

痩せても太ってもいけない体質なんですね。

又仕事の負荷で血糖値は上がるとは思いますが。

兄姉への検査結果に添えて。


豚丼に玉子を付け、黒酢系からフレンチドレッシングに変えました。もちろん御飯少なめ。


 薬の日   2009年06月26日

けふもまた一錠頼る
 薬の日

 

明日は旧暦の閏五月五日ということで、約一月前になるのですが、薬の日。
昔は薬玉として贈ったとか。
薬玉:各種香料を玉にして、厄払いや長寿を願って、端午の節句に柱などに掛けた。

卷第三 夏歌 源経信
五月五日藥玉つかはして侍りける人に
あかなくに散りにし花のいろいろは殘りにけりな君が袂に


今日も一錠、血糖値を下げる薬に頼って生活している。薬の日に限ってはいないが。早く脱したいものです。

糖尿病用薬

追加
うちのカレンダー誤植で、閏月の表示が無かった。


 五月雲 2009年06月27日

なんとなくと答えてしまうさつき雲


今日は、暑いです。夏日の32℃とか。
明後日頃から雨の予報。明後日頃アップすれば良いかと思いましたが、他に出来ず、とりあえず予報句ということで。
とにかく暑いのが苦手(寒いのも嫌いですが)。
外に出ず、運動もせず、ぼーとしております。

季語も酷暑としようかと思いましたが、まだ早いので。
「と」を入れる字余りにした方が良いかと思慮。


 ホタル   2009年06月28日

ゆふ闇に後出しジャンケン蛍飛ぶ


じゃんけんで負けて蛍に生まれたの
池田澄子さんの句の本歌取り。


あの飛んでいるホタルは、きっと美しい物に生まれ変わりたかったから、後出しジャンケンしてわざと負け、ホタルに生まれ変わったのだろうか?
という意味です。

1936年生まれの現役俳人ですので、著作権は、当然あり、勝手に改変したという方もおられるでしょう。
しかし、本歌取りの技法を使うということは、現代では許されないのでしょうか。
あきらかに池田澄子さんの句を踏まえて作った事は事実ですね。

もちろん、東京にはホタルはいませんので、想像です。


 冷酒    2009年06月29日

冷や酒やグラスの曇り先見えぬ


暑い時は、日本酒の小ビンを買って、グラスの盃とともに冷やして飲む。
゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜
ちょっとJazzでも懸けながら。


永き路歩き通してビールかな


暑い最中、銀行や得意先を巡って、赤提灯に入り座るやいなやジョッキを頼み、オシボリで顔を拭く、中小企業の社長さんをイメージしました。


 炎暑初め  2009年06月29日

葉の影も色濃くとなり暑気初め


梅雨の晴れ間とは言え、30℃を超えると、も~う暑いぞ!と叫びたくなりますね。
言ったところでどうにもなりませんが。


季語を何にしようか、迷っております。ヒートアイランドのせいか、6月末なのに7月下旬~8月上旬の暑さで感覚まで狂っております。
炎天は未だ早いし、五月晴れという清々しさが無いですし。


 浴衣    2009年07月01日

浴衣着の君の笑顔の色かをる

神なりに怖がる君の髪をなで

夕立の君の濡れ髪すきとおす


艶な俳句というものにトライしてみました。

江戸時代には沢山あったのですが、今は廃れていますね。

神と髪の同音繰り返し

梳き通すと好き通す透き通すの掛詞。


 五月雨髪  2009年07月01日

暑かまし
さ乱れ髪にメール打つ


源氏物語から来ている五月雨髪の季語を使い、女性OLが仕事の上司にムシャクシャして友達にメールしている風に作ってみました。

男でもジドッ、ベタベタな髪となるのですから、女性ならもっとイライラするのでは?と思います。


源氏では物語を書き写すとありますが、現代風にメールにしただけです。変哲もないと言われますよね。


源氏物語 蛍帖
「…暑かはしき五月雨の髪の乱るるも知るらで、書き給ふよ」


昨年は源氏物語のブームでしたが、二千円札には行かなかったですよね。

自動販売機から変なお札が出たと思ったら二千円札でした。
後程写真アップ予定


 花菖蒲   2009年07月02日

中将のわがままもあり花しょうぶ


ノハナショウブが園芸栽培されハナショウブとなったのですが、何故ショウブとは似ても似つかないのにショウブの名前がついたか?というとこんな話があります。

平安中期の貴公子で清少納言も憧れた藤原実方は、風流にも雨受けたを藤原行成に馬鹿にされ、殿上で行成の冠を叩き落として、一条帝から「歌枕の地を見て参れ」との命を受けて陸奥に左遷されました。
十訓抄第八より

任地に行くと、五月五日に葺くあやめ(菖蒲)が無いとだだをこねると「浅香山の花かつみがあるだろう。それを葺け」と命じました。以降東北ではコモを葺く様になったとの事。

このコモが今のノハナショウブだと。


彼はまた、笠島の道祖神の前を地元の者が下馬する様に勧めたのに、聞かず馬から落ちて死んだそうです。

その塚を西行が訪れて

それを慕って芭蕉が訪れて

由来を訪ねると面白い逸話が多々ありますよね。

今年安く行けるらしいので計画しております。

堀切菖蒲園にて


 深川不動堂  2009年07月05日

不動尊
泣く子笑ふ児燕飛ぶ


何年も前に作った俳句ですが、深川不動堂の前を通ったので。
季節も五月初旬のイメージですね。
不動明王は、恐い顔をして炎を背負い、修験者を魔から守るとか。
この御宮参の赤ちゃんも不動明王が守ってくれますね。


新作が出来る前の繋ぎで。


 野仏’09 夏  2009年07月05日

涼しさを求めて出会ふ野の仏

仏典によると仏に出会うのは、とても貴重な事とされ、人が人として生まれ、仏の尊い教えを直接受けるのは、百年に一度浮かび上がる盲目の亀が、流木の小さな穴から顔をだす様なものとして「盲亀浮木」の熟語もあるそうです。

ちょっと、清澄庭園で、木陰の濃いところがあり、涼しそうだなと行くと、そこに野仏がいらっしゃいました。
これも縁ですね。


 旅の途中  2009年07月05日

旅の途中
涼を求めて休むかな


深川採茶(さいと)庵跡

松尾芭蕉のゆかりの深川に来ると色んな物があります。

芭蕉稲荷


古池やの句碑(清澄庭園)


芭蕉記念館


 野路菊   2009年07月05日

名も無きも一株うゑて野路の菊


ノジギクは、兵庫県の花ということですが、もう野生種は無いとか。
何時も和歌のお問い合わせ頂いている尼崎で都市緑化をなさっている方から、写真頂きました。

希望者にボランティアで配布してらっしゃるとのこと。
花を愛でる心が、都市緑化につながることを願って。


 高原の朝  2009年07月10日

しし神の森に囁く夏の霧

高原の霧が深く、風が草原の草を流れる様が、神秘的な気がした。

鹿神は、もののけ姫に出て来る神様で、生き物の生死を司る神。

今日はこの句ではないが、下界に降りてくると象徴的な出来事が遇った。
何も出来なかったが。


 ニイニイ蝉  2009年07月13日

染み入るや
ゆふ暮ゼミの迷ふころ

 

セミの声がシーンと聞こえる。
静かさや岩にしみいる蝉の声(芭蕉)
のセミはニイニイゼミだったとか。

昔は夜に蝉が鳴くことは無かったが、夜が明るいので迷っているのだろう。夜まで鳴かされて。


 アメンボ  2009年07月16日

ひと雨と紛ふ波紋の雨ん坊

 

水黽、水馬、飴坊とも書かれるアメンボですが、語源は飴ん坊だそうです。
晴天なのに雨かなと思ったので無理矢理に雨ん坊にしました。

低血糖症の症状が出たので公園のベンチで佇んでいると、ズボン、靴下の上から蚊に刺され、痒くて堪らない。

印象画の様ですが、アメンボの波紋で揺れる水面を撮りました。


 夕立   2009年07月19日

夕立を待つ
チンドンの通り行く

 

雷様も太鼓、鐘をもうじき鳴らす、夕立の雲が広がって、ぽつり、ぽつりと降って来た。

と…今は懐かしいチンドン屋さんが…?!

これは面白い(^ワ^)☆

さてどう俳句にしようか(・・?)

趣向を変えてみました。


 遠花火’09   2009年07月23日

忘れていた恋

     遠き花火


地下鉄の階段を昇ると、浴衣姿の女性達が降りてきた。そうか、今日は近所の花火大会だったのか。

ふと昔、ある女の子と一緒に見に行ったことを思い出した。
本当の事を告げられずにいつの間にか別れてしまった。もうお母さんになっているだろうか。

別れの花火という句を「私は嫌い」と言った違う女の子は、もうお母さんになったと聞いた。


3文字足りないので、付け足そうと思うと句が壊れてしまい、削ろうと思うと余韻が無くなる気がして。


 サラダ   2009年07月26日

少しだけ酸味を飾り
       夏サラダ


サラダ(Salad)は、塩(Solt)のラテン語からきていて、本来は塩漬野菜(漬物)の意味らしい。

ドレッシング(Dressing)は、「飾る」のドレスからだそうです。着飾ると同じというのも言い得て妙ですね。

夏の時期は、食欲が減退して夏バテしがちです。野菜を沢山食べて夏バテ解消
p(*^-^*)q


メールに添えて


 星に抱かれ  2009年07月26日

千億の星にいだかれキャンプの火


越前大野感性はがき展 実行委員 ■■様より紹介のご依頼がありましたので、
福井県大野市は、石川県岐阜県に接し、九頭竜川とダム湖があります。
そこでの満天の星のキャンプをイメージして。

私達が居る銀河系には約2~4千億の恒星があるそうです。
それらの銀河がいくつあるか数知れないそうです。
満天の星を見ながら、そういう話をしていみたいものです。東京では不可能ですから。

第6回越前大野感性はがき展 テーマ「星」 作品募集

テーマ「星」 作品募集
星への思いを一枚のはがきに込めてご応募ください

・応募期間   ■■■
・部   門   ■■■
・出 品 料   無料
・規   格 ■■■
・ジ ャ ン ル   
        「星」をテーマにするものであれば何でも可。(材質は何でも可)
        一人何点でも応募できます。
・応募資格 不問(年齢、国籍など一切問いません)
・応 募 先  ■■■
・審査期間 ■■■
・発   表  ■■■
・表   彰  ■■■
・そ の 他  ・応募者の個人情報は、本事業以外に使用いたしません。
         ・応募作品は返却いたしません。また選考経過のお問い合わせには一切応じません。
         ・応募作品のすべての著作権(二次的著作物創作権および二次的著作物の利用権を含む)は
          主催者に帰属します。
         ・入賞、入選作品約500点を大野市街や観光施設等に展示します。


 扇風機   2009年07月28日

挽き歌を読み空回りする
            扇風機

 

今日は電車が大幅に遅れ、携帯の電池も切れたので、万葉集を読んで時間を潰した。

満員電車の中、カラカラと音をたてながら、回る扇風機だけが動く。
周りの人は皆諦め顔で、音一つたてずに静かな車内。時折冷房の効き過ぎかクシャミや咳をする音だけが聞こえる。


遅れた理由を皆知っているだけに何かやり切れない静寂だ。


 中学生かるた大会09  2009年08月10日

蝉丸の声も静かにかるた会


蝉声と静かに競ふかるた会


毎年の子供達のかるた大会の世話人兼監督をするが、何時もは25℃の中にいる子供達が、いきなり東京の30℃は堪えるし、朝4時に田舎をたっているので、大変だ。

会場は、蝉しぐれで結構うるさい。

観戦者は沈黙が当然で、とても気を使う。

 

引率の先生への礼状メールに添えて。


 秋来る   2009年08月12日

ゆふ立も干ぬ西月に秋は来ぬ

夕立、月、秋来るの三季語を使ってみました。愚作の典型と言われる季重りにいくつまで入れて作れるかというものです。三つが限度です。

先日の夕立の後の実景ですが、黒雲の切れ目からさっと澄んだ月が出て、秋を感じて。源三位は、夏の月でしたが。

庭の面はまだかわかぬに夕立の空さりげなくすめる月かな
夏歌 源頼政

ゆふだちの雲もとまらぬ夏の日のかたぶく山に日ぐらしの声
夏歌 式子内親王
を本歌取りしています。


 風見鶏  2009年08月15日

風見するカモメの羽根よ

          秋なのか

 

元久詩歌合という800年前の詩と歌に関する論文を三編図書館で入手し、公園のガーデンでビールを呑んだ。
夕闇の中で、ビールを飲みながら論文を読んでいると、店員さんが、蚊取り線香を出してくれた。知らず知らずに足を蚊に食われ、掻いていたのを見ていたのだろう。

何時も風を受けている風見鶏のカモメに、風がふっと吹いて、カラカラと回り始めて、ああ秋なんだと思った。
さっきまでうるさく鳴いていた蝉に代わり、小さく秋の虫が鳴いている。

写真を撮ろうと思ったが、携帯は電池切れ。肝心な時には役に立たなくなってきている。自分と一緒だ。


第三案を眺めていたら、こちらの方が良いようにも思えてきたので。迷うところ。
風見するかもめの羽根も秋を見る


 秋蝉09   2009年09月01日

生きる事少し苦しと秋の蝉

 

終戦の日特集を幾つか見て、英霊達の無念、苦痛、飢餓を思うと、それに比べれば、今の時代、なんて恵まれた世代だとは思うが。

豊かさの代償なのかもしれない。

この樹の様に泰然と生きていきたいものだが。


 夏の季語による習作  2009年09月13日

曇るだけあやめも知らぬ恋のいろ

心にも傘も持たぬにはしり梅雨(推敲)

たそがれのおもひの中の麦の秋

さつき闇見えぬ先まで歩きつつ

色かはるよの紫陽花にうおう左往


サイダーや泡の中にも青き空

信号を待つ間にか夏に入る

子のかける野の草波にあを嵐

木の影の揺れてさし込む朝茶の湯

 

とにかく、歳時記を開いて思いつくだけ作ってみて。昔はぱっと開いて見た季語だけで作れたが、今はそんなに出来ないものだ。


 題詠による習作  2009年09月14日

題:国
南国のますらをどもの草の蔭

題:風
吹くままに風見鶏らは秋の方

題詠という習作です。
「つわものどもが夢の跡」の太平洋戦争を詠っています。
蔭に英霊のくやしさが入っていると読んでいただければと思います
日に当たらず、世間からも注目もされず、南国の熱帯林に草むす屍となり。

二句目は、なすがままにしていたら、秋になってしまったというものです。風見鶏だけでなく私も。


 四季の題としての習作  2009年09月15日

進級し折目を付ける匂ひかな

かげろふの飛ぶ間だけ活きており

雲隠れ少しさむしや後の月

踏み別けて枯野に遊ぶ影長し


少し中学レベルを下げてとの依頼に

進級し席も変わって寂しいな

かげろうのパヤパヤ飛んで日の暮れる

雲隠れちょっとさみしい後の月

グランドの枯れ野をかけて暗くなり

もう少しでスランプから抜け出せそうだが、短歌投稿の締切はあとわずかで、こっちは道遠しです。


 夜長    2009年09月17日

夜長にも読む本のあり又一杯


李白の一杯一杯復一杯と盃を傾けて、本を読むという。
外は涼しく、虫の音が微かに聞こえる。
軽いJazzでもかけて。

珍しく、拙『新古今和歌集の部屋』サイトに励ましのメールを頂き、又やる気を出して更新するかp(*^-^*)q と決意を新たにし、感謝のメールに添えて。

自分の勉強の為に作ったサイトでも人から見られていると思うやる気が違うものです。


最近更新をさぼっておりましたので。


 兎と亀   2009年09月18日

三位には称賛なきやまた一杯

才能がなくも努力型の亀は1位
才能に過信したウサギは2位

努力型でもなく、才能型でもない普通の人々の一人として、まあウサギもカメもガンバって

とりあえず帰宅途中の酒屋に。

季語は…運動会?に。


 缶コーヒー  2009年09月20日

つめたいあったか~いとなる秋彼岸


自動販売機の缶コーヒーにチラホラ温めたものが出始めた。

今日の気温ではちと早いが、『あったか~い』の『~』に俳諧味を感じて。

自動販売機には「HOT」「温かい」とかありますが、これにも宣伝の人が一所懸命考えたのだろう。
あたたかいでは、伝わらないと。
医者から禁缶コーヒーの宣告を受けているが、微糖、無糖はお許しが出ている。昔は飲めたものでは無かったがおいしくなってきている。

「暑さ寒さも彼岸まで」のかるみの句です。
こんな身近な庶民の生活の中の季節を芭蕉は表現していたのでしょう。


秋彼岸と秋を強調する必要は無いのですが、何と無く。季語だし。


 野仏’09 秋  2009年09月20日

の仏に一輪手向け秋彼岸

 

千葉市川にある中山法華経寺にて。
薮の中を歩いて、額を蚊に刺された。不殺生戒なので、文句は言えない。

 

南無釈迦と真西に沈む夕日さす


本当は西は阿弥陀仏だが…。


 鹿島の森   2009年09月22日

ひぐらしの声木魂して千歳ふる

鹿島神宮はとても古い社で、鹿が有名。
今はアントラーズで有名だが。

東路の道の果てなる常陸帯のかごとばかりも逢ひみてしがな

で源氏物語にも引用される位有名だが、「見たことが無い。あれば是非見たい」と鹿島神宮の人は言っていた。廃れてしまったのでしょう。

常陸帯を見るために100KM自転車で来たのだが。


 トンボ   2009年09月23日

トンボ飛ぶ霞ケ浦の
          北南

父の終戦は、霞ケ浦だと聞かされ、通称赤トンボと呼ばれる練習用飛行機に乗せてもらったとか。

利根川沿いには、セスナ機やグライダーが多い。軽飛行機の飛行場が、あるみたいです。

霞ケ浦→鹿屋→沖縄の予定だった。多くの英霊は帰って来なかった。

今は成田空港も近い為、数百倍のジェット機が、約10分おき位で飛んで来ます。


平仮名を片仮名に推敲しました。


 鹿島紀行   2009年09月23日

ひつじ田の緑のなかに白き鷺


月見には少し早しと雨を待つ

 

松尾芭蕉の鹿島紀行の真似をして、鹿嶋まで自転車旅行をしている。


刈りかけし田づらの鶴や里の秋 桃青(芭蕉の俳号)

月はやし梢は雨を持ちながら

余情表現は、真似る事は出来ないが。

鹿島根本寺にて


1時間に一本の電車だと運が良いと1時間強と早いが、悪いと4時間も係る。
待っている間に、漢詩の本を読み、食堂のナプキンに書いて作った俳句、写真を整理して時間を有効にしている。


 浦の秋   2009年09月24日

みわたせばカケスが一羽秋の暮

 

霞ケ浦で何も無い夕暮れ時に。
もちろん、藤原定家の
見渡せば花ももみぢもなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮

の本歌取りなのですが、最初は見たのもカラスでしたが、余りにまとも過ぎて、同じ仲間のカケスに推敲しました。何故カケスとしたかわかりませんが、頭に浮かんできたので。

浦の杭に、青鷺が一羽止まっていて、カメラを向けたら飛んで行ってしまった。とてもクイが残りました。写真が撮れていたら、鷺だったのに。


 稲藁焼   2009年09月25日

焼ける田の煙ただよふ我が思ひ


思ひと火の懸詞で、煙の縁語


新古今 雑歌中 西行
風になびく富士の煙の空に消えて行方も知らぬわが思ひかな
の本歌取りです。

田園風景をそのまま秋の風情にしようかと思いましたが、西行の歌を思い出し。

稲藁焼は、たぷん季語にはなっていないでしょう。コンバインが普及してからですから。
秋田の田舎では、稲わらスモッグというものがありました。


 禊ぎ    2009年09月27日

禊ぎする川瀬に汚れあらいけり


粗いと洗いの掛詞

何時も私の新古今の愚訳を掲載いただいている方から、誤字を見つけてもらいました。二千首もあり、気をつけてはいるのですが、まだまだ誤植が多く、恥じ入るばかりです。お礼に拙句を。

本歌は、その指摘を受けた夏歌 紀貫之
みそぎする河の瀬見れば唐衣ひもゆふぐれに波ぞたちける

株式会社万成酵素 様 何時も綺麗な花と共に新古今を掲載しておられます。


 迷い夜道  2009年10月04日

ちちろゐる
寂しかないぞ
迷ひ道


迷っても寂しかないぞ
        ちちろ鳴く


水郷の町、潮来で道に迷った。霞ケ浦で夕日を撮っていたのが原因で、後、目標とする駅まで約10km。
地図を持たず、曇って星も出ていないから方角が分からない。携帯も写真等撮ったので電池切れ…。
街灯もまばらで、人も店も無い。
真っ暗闇と車の往来のライトだけ。

地方は電車の本数も無いので、もしかしたら野宿…。
そんな不安と恐怖の中、ふと耳をすますとコオロギだけは、盛んに鳴いている。

初句は、三ヵ所全部切れているという実験句です。私はマチス的俳句と呼んでおります。俳句の先生が最も嫌う分裂ですが。

みみ樣のちちろ虫の誘拐句を思い出して勇気付けられ、何とか駅に到着も1時間半待たされ、途中待ち時間もあり、合計4時間という。漢詩の本を熟読できたのが、幸いでした。


 トリノ・エジプト展  2009年10月05日


パピルスの八千代に記する思いかな


季語は、かやつり草 夏
和名が紙蚊帳吊草ですから。ちょっと苦しいか。
エジプトの歴史は、紀元前3000年頃からだとか。
将に八千代という事か。


切符を買って入場するまで80分。これも長い時間だ。最終日の最後の時間だからかも。

中も全然進まない。


 台風  2009年10月07日

野分こそ
心の闇の吹きにけり

 

野分こそ花をも散らす我が心

 

野分こそ散らす心や地獄模樣


枕草子だったか、台風を野分けと云うと教えられた。記憶違いかも知れない。

枕草子、徒然草は読まない事にしています。今でも手を広げすぎて訳が分からなくなって来ておりますので。

大鏡も読まなければとは思いますが、栄花、増鏡で手一杯です。

けりではなく、何か変えなきゃ係結びだから…とか思う人がいるかも。


 鹿嶋根本寺  2009年10月09日


一葉も動かずまこと
       月見でら


芭蕉は、十五夜を鹿嶋で見ようと連れ立ってでかけたのが、鹿嶋紀行です。


全く風が無い根本寺で。

寺に寝てまこと顔なる月見かな 桃青(芭蕉)


 寄落葉恋  2009年10月10日

恋をしたの
葉が一枚落ちる間

 

油は水を好かず水は包めず


ふと頭に浮かんだ。分かっている事だが。


 しがらみ   2009年10月18日

柵の流れぬままに
     黄葉落つ


暑かったり、寒かったり、雨風が過ぎて行くうち、秋となってしましました。


本歌 古今集 秋歌下 春道列樹
山川に風の架けたる柵は流れもあへぬ紅葉なりけり

ちょっとクイズみたいな歌だなあとは思います。何故定家が百人一首に撰んだのか不思議ですね。

コメント一覧

jikan314
@nositen10 のしてんてん様
明けましておめでとうございます🎍
今年も邂逅展開催されると言うので、盛会を祈念しております。
もう5年も前に拝見し、多くの力作から、多くのインスピレーションを頂いたのを記憶しております。
又、銀座での開催が決まりましたら、拝見いたしたいとおもっております。
nositen10
あけましておめでとうございます。
時閑さんのたゆまぬ探究と研究。
その熱意を感じつつ、
新年のご挨拶をいたします。
本年もよろしくお願いいたします。
jikan314
さえ様
明けましておめでとうございます🎍
今年がさえ先生にとって善き年となりますように。
今年も御演奏なさるいっぱい曲を聴かせて下さい。
jikan314
@shetland-a shetland-a様
明けましておめでとうございます。本年がshetland-a様にとって、善き年となりますように。
今年もblogを投稿して参りますので、御覧頂ければ幸いです😉
小松音楽教室 さえ
こんばんは🌙
jikan様、今年も残り3時間くらいになりました。
来年は和輪様とのバトルも復活⁉︎(和輪様音沙汰ないですね)
来年も今年同様宜しくお願い致します♫
素敵な新年をお迎え下さい😊
jikan314
@cforever1 クリン様🥰💓
カモメの風見鶏で羽根がクルクル回るのを見て作りました。拙句の中では、ちょっと自信作をクリン様が、好いて頂き、とても嬉しいです😉
本歌がある俳句は珍しいので、ホトトギスに感謝です😉
blog20000文字位で、一区切りかな😃?と作っておりましたが、少し減らして、頻度を上げますので、又御覧頂ければ幸いです😉💓
それでも1月31日に全て消えるので、頑張らないと。
紅白歌合戦にユズ💓😍💓が出ているので、クリン様はかぶり付き?かな😃
jikan314
@yo-ko-genkigatorie 葉子様
来年は、ストライク量産でハイスコアを楽しみにしております。🎳( ・_・)ノΞ●~*
良いお年をお迎え下さい。
shetland-a
@cforever1 ホント継続は力ですね
来年も楽しみにしています。
どうぞいいお年をお迎えください。
cforever1
jikanさま~~~🐻お引っ越しというじじょうはわかりますが、一度過去記事で発表されている句とは言え、このまとめ方はもったいなさすぎませんか!?こんなに一堂に集めちゃって・・読んでいるみなさまは、「あっこれ良い!この句についてコメントしよう」「あ、こっちもいいな」って読むうちに途中からわけがわからなくなっちゃって、コメント挫折していると思います⤵「三位には称賛なきやまた一杯」なんて、みんなコメントしたくなるでしょうに・・※クリンは「風見するカモメの羽根よ秋なのか」にふるえました。。「秋なのか」・・✨✨✨✨(さすがjikanさま⤴✨)野分という言葉を『源氏物語』でおぼえた、クリンより🌀
yo-ko-genkigatorie
継続は力なり、ですね😊
来年もブログを楽しみにしています😌
良いお年をお迎え下さいね‼️
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