新古今和歌集 巻第八哀傷歌
小式部内侍露置きたる萩織りたる唐衣を着て侍りけるを身まかりて後上東門院より尋ねさせ給ひけるにたてまつるとて
和泉式部
置くと
見し
露もありけり
はかなくて
消え
にし人を
何に
例へむ
読み:おくとみしつゆもありけりはかなくてきえにしひとをなににたとえむ
意味:萩の刺繍のこの唐衣の置いたはかない露もここに残っていますのに。あっけなく亡くなった我が子はいったい何に例えたらよいのでしょうか。
作者:いずみしきぶ平安中期の女流歌人。大江雅致の娘。橘道貞と結婚し、小式部内侍を生む。為尊親王と弟の敦道親王の寵愛を受ける。一条天皇中宮彰子に仕え、藤原保昌と再婚。
備考:彰子が小式部内侍の追善供養の写経の表紙にするために求めた。
八代抄、九代抄、九代集抄
京都市誠心院