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おくるうぶんろくを じやうけん
送宇文六 常 建
はな ゑいしてすいやうに かん すい きよし。 び ふう りん り いつ し かろし。
花 映 埀 楊 漢 水 清 微 風 林 裏 一 枝 軽
そく こん こう ほくかへつてごとくかくの。ゆう さいす こう なん りべつのじやう。
卽 今 江 北 還 如 此 愁 殺 江 南 離 別 情
はるの事ゆへはなもさかりに、やなぎもあをやいで、かんすいにゑいじうつろふて、きよくかにみゆる。このじぶん
はやしをふくかぜもはげしからず。そよ/\ふくゆへはなもちらずおもしろいけしきじや。こなたのゆかるゝこう
なんのかたは、はるもはやいゆへ、まきつかるゝじぶんは、はるもすぎるであろふ。こうなんのさびしい、ふうけい
を見られたならば、りべつのしやうをかんじ、こうほくのふうけいをおもいやつて、うれいらるゝであろふ。
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宇文六を送る 常建
花、垂楊に映して、漢水清し。
微風林裏、一枝軽し。
即今、江北還って、此くの如し。
愁殺す、江南離別の情。
意訳
花の色は、枝垂れた楊の新緑に映えて、漢水の水も清い。
そよ風が、林の中を吹いて、一枝が軽やかに揺れている。
今まさに、江北に行っても、このように春の景色だろう。
しかし、江南に残された私は、離別の悲しみに、深い愁いに沈んでしまう。
※宇文六 不詳。江南から江北へ移り住む時、常建が贈った詩。
※漢水 漢江とも言う川で、武漢で揚子江に合流する。
唐詩選画本 七言絶句 巻第五
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