三十六歌仙コレクション

三十六歌仙
　　　公：公任　俊：俊成

柿本人麻呂

山部赤人
わかの浦にしほみちくればかたをなみあしべをさしてたづ鳴わたる　公 　俊

大伴家持

猿丸大夫
おく山にもみぢふみわけ鳴くしかの声きくときぞ秋はかなしき　公 　俊

僧正遍昭
すゑのつゆもとのしすくやよの中のおくれさきたつためしなるらん　公　俊
すゑの露もとのしつくやよの中のおくれ先立ためしなるらむ

在原業平
月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つは元の身にして　俊
世中にたえてさくらのなかりせば春の心はのとけからまし　公
代の中にたえてさくらのなかりせははるのこヽろはのどけからまし
花にあかぬ歎はいつもせしかども今日の今宵に似る時は無し　俊

小野小町

藤原兼輔

紀貫之
桜散る木の下風は寒むからで空に知られぬ雪ぞ降りける　俊

凡河内躬恒

紀友則

壬生忠岑
春立つといふばかりにやみ吉野の山も霞て今朝は見ゆらむ　公
夢よりもはかなきものは夏の夜のあかつきかたのわかれ成けり　俊

伊勢
三輪の山いかに待ち見む年ふともたづぬる人もあらじと思へば　公　俊

藤原興風

藤原敏行

源公忠
ゆきやらで山路暮らしつほとヽぎすいまひとこゑのきかまほしきに　公　俊

源宗于
ときはなる松のみどりも春来れば今ひとしほの色まさりけり　公

素性法師
見はたせは柳さくらをこきませて都そはるのにしきなりける　公

大中臣頼基
一ふしに千代をこめたる杖なれはつくともつきし君がよはひは　公　俊

坂上是則
み吉野の山のしら雪つもるらしふるさと寒くなりまさるなり　公　俊
みよし野の山の白雪つもるらしふるさとさむく成まさる也　公　俊

源重之
かせをいたみ岩うつなみのをのれのみくたけて物をおもふころ哉　公　俊


藤原朝忠

藤原敦忠

藤原元真

源信明
あたら夜の月と花とをおなじくはあはれ知れらむ人に見せばや　公

斎宮女御

藤原清正
子日しにしめつる野邊のひめこ松ひかてや千世のかけをまたまし　俊

藤原高光

小大君
岩橋の夜の契りも絶えぬべし明くる侘しき葛城の神　公　俊

中務

藤原仲文
有明の月の光をまつほとにわか世のいたく更にける哉
　公　俊

清原元輔
秋の野の萩の錦を古里に鹿の音ながら移してしがな　公
我が宿に→古里に

大中臣能宣
千とせまでかぎれる松もけふよりは君にひかれて万代よろづよやへむ
　俊

源順

壬生忠見
恋すてふわがなはまだき立にけりひとしれずこそおもひそめしか　俊

平兼盛
くれて行く秋のかたみにおく物はわがもとゆいの霜にぞありける　公　俊