新古今和歌集の部屋

前田家本方丈記 抑も一期の月傾きて2 世を逃れて山林に交はる

のかれて山林にましはるは心を

しつめみちをおこなはんかた

めなり。しかあるをなんそす

かたはひしりにてこゝろはにこり

にしめり。すみかはすなはち浄

名居士のあとをけかせりといへと

もたもつところはわつかに周

利槃特が行にたにおよはす。

もし是貧賤の報のみづからな



 

逃れて山林に交はるは、心を鎮め、道を行はんが為なり。

しかあるを、何ぞ姿は聖人にて、心は濁りに染めり。

住み家は即ち、浄名居士の跡を汚せりと言へども、保つところは僅かに周利槃特が行ひにだに及ばず。

もし、是貧賎の報の自ら悩

(参考)大福光寺本

ヲノカレテ山林ニマシハルハ心ヲゝサメテ道ヲゝコナハムトナリ

シカルヲ汝スカタハ聖人ニテ心ハニコリニシメリ。

スミカハスナハチ浄名居士ノアトヲケカセリトイヘトモタモツトコロハワツカニ周利槃特カ行ニタニオヨハス。

若コレ貧賎ノ報ノミツカラナ


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