波越ゆる
比
とも知らず
末の松待つらむ
ものと
思ひ
ける
かな
浮舟の心変はりを知りて消息に
薫大将
波越ゆる比とも知らず末の松待つらむものと思ひけるかな
よみ:なみこゆるころともしらずすえのまつまつらむものとおもひけるかな
意味:お前が私を裏切っているとも知らず、約束を違えない末の松山と信じて待っているものだと思っていたのに
備考:本歌 君をおきてあたし心をわかもたはすゑの松山浪もこえなむ(古今集 東歌)、越えにける波をば知らで末の松千代までとのみ頼みけるかな(後拾遺集 藤原能通)