新古今和歌集の部屋

羈旅歌 家隆 末の松山 千五百番歌合

故郷に
  たのめし人も

   すゑの松
      待つらむ

        そでに

 なみやこすらむ

 
新古今和歌集巻第十 羇旅歌
 千五百番の歌合に
           藤原家隆朝臣
故郷にたのめし人もすゑの松待つらむそでになみやこすらむ
 
よみ:ふるさとにたのめしひともすえのまつまつらむそでになみやこすらむ 雅 隠
 
意味:故郷で、早く帰宅をするよとの言葉を頼りにしている妻も、今末の松山を旅する私と同じ樣に涙の波が袖を越えているのだろうか
 
備考:千五百番歌合。歌枕 末の松山。こす(かくィ)。本歌 波越ゆる比とも知らず末の松待つらむものと思ひけるかな(源氏物語浮舟)、君をおきてあたし心をわかもたはすゑの松山浪もこえなむ(古今集 東歌)。宮内卿と番し、判者の慈圓は、「待つらむ」と「越すらむ」の歌病だとして負けとした。
美濃の家づと、新古今注。
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