枇杷皇太后宮
すずし
さは
いきの松原
まさるとも
添ふる
扇の
風なわすれそ

新古今和歌集 巻第九 離別歌
大宰帥隆家下りけるに扇賜ふとて
枇杷皇太后宮
すずしさはいきの松原まさるとも添ふる扇の風なわすれそ
よみ:すずしさはいきのまつばらまさるともそうるおおぎのかぜなわすれそ 隠
意味:涼しさは、これから向かわれる壱岐の松原の海風が勝っているかと思いますが、この扇をあおいで都のことを忘れないでください。
作者:道長の娘で名は妍子。三条天皇の中宮。
備考:栄花物語たまのむらぎく。隆家は、長和三年(1014年) 11月に大宰権帥に任命。歌枕名寄、九代抄、九代集抄