新古今和歌集の部屋

養生訓 巻第三飲食上 胃腸薬に頼らず 美食は8分目







飲食は飢渇をやめんためなれば飢渇だにやみなば其

上にむさぼらずほしゐまゝにすべからず。飲食の欲を


恣にする人は義理をわする。是を口腹の人と云いやし

むべし。食過たるとて薬を用ひて消化すれば胃氣

薬力のつよきにうたれて生發の和氣をそこなふ。

おしむべし。食欲する時思案しこらへて節に

すべし。心に好み口に快き物にあはゞ先心に戒めて

節に過ん事をおそれて恣にすべからず。心のちから

を用ひざれば欲にかちがたし。欲にかつには剛を以

すべし。病を畏るゝには怯かるべし。つたなきとは

臆病なるをいえへり。

珍美の食に對すとも八九分にてやむべし。十分


に飽き満るは後の禍あり。少の間欲をこらゆれ

ば後の禍なし。少のみくひて味のよきをしれば多く

のみくひてあきみちたるに其樂同じく其後の

災なし。萬の事十分にいたれば必わざはひとなる

飲食尤満意をいむべし。又初に慎めば刈ら後の禍なし。


【感想】

飲食とは、人の生命活動を支える為に、生物の命を頂く事。なので、食欲をむさぼる事は命の尊厳を犯すと思う。むさぼって肥満になっている人はいやしいと言われても仕方がない。食べ過ぎの為に、胃腸薬を飲む前に、過食を慎むべき。正論だ。

有名な、腹八分目である。美食は、最初の味を楽しめば良い。食欲のままに飽きるまで食べるのは、自分の体に病気と言う禍をもたらす。禍と災いの漢字を変え、警告している。自制すべきだ!


養生訓巻第三  飲食上

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