新古今和歌集の部屋

「あやし」の意味 メモ

源氏物語 浮舟


あやし 学研全訳古語辞典 古語大辞典

形容詞シク活用
未然  (しく)・しから
連用  しく・しかり
終止  し
連体  しき・しかる
已然  しけれ
命令  しかれ


(一)【怪し・奇し】
①不思議だ。神秘的だ。
源氏物語 桐壺「げに御かたち・有り様、あやしきまでぞ覚え給へる」
葵「いとあやしとおぼしめぐらすにただかの御息所なりけり」

②おかしい。変だ。

③見慣れない。もの珍しい。

④はっきりせず、心もとない。
夕顔「いとあやしう、目覚ましきおとなひとのみ聞き給ふ」

④異常だ。程度が甚だしい。

⑤きわめてけしからぬ。不都合だ。
源氏物語 桐壺 「打ち橋・渡殿のここかしこの道にあやしき業をしつつ」


(二)【賤し】

①見苦しい、汚ならしい。

夕顔「かの白く咲けるをなむ夕顔と申し侍る」

①身分が低い。卑しい。。


あやしむ【怪しむ】 動詞

不審に思う。

夢浮橋「この月ごろ内々にあやしみ思う給ふる人の御事にや」


あやしげ【怪しげ】 形容動詞

宿木「例のいかに怪しげに古めいたりけむと思ひやれば、あながちに皆も尋ね書かず」



「あやしう」はウ音便。


ウ音便

音便の一。広義には、発音の便宜上、語中・語尾の「く」「ぐ」「ひ」「び」「み」などが「う」の音になる現象。「かぐはし」が「かうばし」、「いもひと」が「いもうと」になる類。また狭義には、用言の活用語尾に起こる現象で、動詞では、文語のハ・バ・マ行の四段活用に「て」「たり」「で」などが付属したとき、形容詞および形容詞型活用の助動詞では、文語の場合は用言に連なるとき、口語の場合は「ございます」「存じます」に連なるときに、それぞれの連用形の語尾が「う」となることをいう。「思ひて」が「思うて」、「いみじく」が「いみじう(泣く)」、「行きたく」が「行きとう」、「ありがたく」が「ありがとう(ございます)」の類。

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