野原は風ふく時分なればなにとかんとせんと よめる哥也。 源具親 しきたへの枕の上にすぎぬなり露を尋る秋のはつ風 しきたへはしきて堪忍するこゝろなり。風の ならひ物にあたりてちらすものなり。さてわが 枕の上をば過ていづくへゆくぞ。涙をばしらぬ かとよめり。我涙をしらせてちらさばやと 思ふこゝろなり。 ※この注は、九代抄に「敷妙は敷て堪忍する枕なり」とあるが、他の部分は出典不明。