雲まよふ夕べに秋を
こめながら風も
前
ほに出ぬ
大僧正
荻の
慈圓
うへかな
新古今和歌集巻第三 夏歌
夏の歌とてよみ侍りける
前大僧正慈圓
雲まよふ夕べに秋をこめながらかぜもほに出でぬ荻のうへかな
よみ:くもまようゆうべにあきをこめながらかぜもほにいでぬおぎのうえかな 定 隠
意味:雲が乱れる夕方の中に秋の気配を籠めているが、地上の風が穂の出ていない荻の上に吹いても秋は感じられない
備考:四季雑各二十首都合百首。参考歌 源氏物語 野分 夕霧 風騒ぎむら雲まよふ夕べにも忘るる間無く忘られぬ君
令和5年7月13日 神保 壱