ボクと彼女はデートを始めた。
デートと行っても
僕は女性のサインとかはわからないから
ただ寺院仏閣を巡り歩くというデートを
繰り返した。
お不動さん巡りがボクはいたく気に入っていた。
法善寺の水掛不動にはやたらお参りに行っていた。
そして笑顔で今日はさよなら。
ボクは女性の扱いというか
女性との付き合い方がわからなかった。
彼女はそんな僕を見限りもせず
一緒に歩き一緒にお参りをした。
僕がどうしても行きたかったのは
毘沙門天のお寺だった。
天邪鬼を退治したという毘沙門天に
ボクの幻聴を永久に消してもらいたくて
毘沙門天参りに行きたかったんだ。
まだそれは実現していない。
ボクたちがデートを始めて付き合うまでには
まだまだボクの方で時間がかかった。
そしてボクは相変わらず彼女の霊が消えるように
お不動さんに祈りを捧げていた。
メールは毎日のように打っていた。
そうどこかで繋がっていた。