ハッキング

よく言われることだ

あなたがあなた自身を解放したとき

少なくともあなたはあなた自身を救い

あなたの世界を変えたことになる

そしてあなたが愛する人にも

押し付けることなく

自らを解放することを手伝い

愛する人の世界が変わったとしたら

少なくともその二つの世界は救われるはずだ

そんなことがまわっていけば

いつかは世界を救えるかもしれない

自分の力を過信してはいけない

そして卑下してもいけない

たった一人で世界を変えることなんてできない

けれども少なくとも自らの世界は変えられるのだから



もう亡くなった先生がいる

そしてもう一人は生きている先生

もう一人の先生の姿はないがいるらしい

女生徒が集まっている

感じる心について語っている

次の瞬間ありえない形の技を研究している子がいる

先生は黙ってみている

おいらはその技をその形のまま戻るように言う

逆回転で再現できるかを問う

できない場合はその形になる

手順を考えないといけないのではと問う

その子にとって理想的な技でも

その形になるのに複雑な手順を必要とする場合がある

その手順どおりにことが進むとは限らない

どおしてもそうなる必然性がいるのだ

そして目が覚める



必然性を必要とすること

ありえないような形で何かをなす場合

そこにたどりつく必然性を必要とする

その一つ一つが意味を成しており

どうやってもそこにたどりつくというものだ

何かが欠けてもいけないし何かが多くてもいけないのだ

物事はありうるようにしかならない

なるようになりあるようになる

たえずゴールをさだめて夢を描く

その夢もいまから逆算しないと意味がない

いまから何をしてどうなっていくかという

マップを必要とする場合がある

いまを精一杯いったさきの事を

考えなくてもかまわない場合もある

そういうものが複雑に織り成して形になる



奇妙な夢を見始めてから眠りが浅くなり

昼間でも眠たくなるようになった

夢の中からなぜか意味を見出そうとし始めていた

なぜだろう

そうしなくてはいけないかのように

考え込むようになった

あきらかに何かを感じているのだ

何かを感じているのだが何かわからない

作業は後れがちになり始めていた

コーヒーの量が増えていた

定時のサイレンがうるさく感じられるようになっていた