誰が為に鐘はならん

お～い　じいさんや

あんた　わたしのために

ここにいるんかいの

だれのために

ここにいるんかいの

せけんのため　せけんのため　いうて

はたらいておったが

わたしのためには

いっこうにならんかったの

だれのために　はたらいとったんかの

せいかつできるのは

わしのおかげや　いうとったが

わたしひとりなら

そんなことなく　いきていけとったよ

ただかたわらにいる

わたしのことを　どうおもってたんかいの

わたしのばあさんは　一隅を照らすと　

よういうとったが

かぞくをかえりみないで

いちぐうをてらすことなんて

できんわなぁ

ここにえがおがないと

せけんさんにえがおはできんわなぁ

ひとのためいうて

じぶんのためにしとったんよ

じぶんのため　ひとのため

そういうて

はじめて　やっとひとのための

はじっこに　のるんじゃね

あんた　わたしのため

おもうんやったら

どんなことになっても

わたしをみててほしかったの

むりなことはあまり　いわんで

わたしのことを　みててほしかったの

じいさんや

そばにいる　それでよかったんじゃ

かいしゃなんて　やまほどあるけど

わたしはひとりやからの

あぁ　なつかしい

ありがとう

あぁ　なつかしい

いただきます

あぁ　なつかしい

ただいま

あぁ　なつかしい

ごくろうさま

あたりまえのように　すごしている

このじかんに

あんた　わたしのすがたを

しっかりと　みてたのかいのぉ

わたしのこえを

しっかりと　きいていたんかいの

まぁええ

わたしは　あなたが　すきやけん