縄文ジャーナル13号に、私が投稿した記事からです。4回に分けて載せていきます。
<長江文明の発見>
長江文明の発見について安田喜慶先生の講演によれば、四千二百年前の気候変動と長江文明の崩壊に関する最近の説が、日本の考古学者にも理解されだしたとのことです。これによると四千二百年前に気候変動がアジアを襲い、その為、長江文明は崩壊しています。
山東半島の付け根に臨溜という遺跡があります。ここから出土した六十体近い人骨のDNAを分析した結果、二千五百年前の人骨と二千年前の人骨にDNAは全然違うことがわかりました。二千五百年前の人骨と類似したDNAを持った人々は現在どこに住んでいるかというと、ウイグルとか西の方のドイツやフィンランドにいるというのです。
<環太平洋の時代>
環太平洋には、非常に良く似た世界観を持った人々が住んでいました。その一つが縄文人であり、長江の人々であり、マリオの人々なのです。縄文時代が一万年かけた堂々と築いてきた精神世界、これを文明と言わず何と言いますか。こんな世界に誇れる文明はありません。
しかも、それが環太平洋地域に広くあって、二十一世紀に新しい世界を作る起爆剤になる可能性があるのです。「二十一世紀は環太平洋の時代」この安田先生の説を知りました折、腰が抜けるほどビックリしたと同時に、私が十年間やってきたことに、納得できることが多々あったのです。