【臨時法話】
今年の4月頃、檀家の80代男性が他界を。昨年の10月頃、仏壇参りに家の方に伺うと、その男性が「住職は今年61歳でしょ。今後の望みって、何かあるんですか」と。「そうだね、父の他界年齢まであと10年。せめてその歳まで、動ける体で仕事が出来る事。わが子が親よりも先に旅立たない事。今生の様にあの世でもまた、女房殿と永劫に暮らせる事。この3つかな」「どれも、簡単なようで簡単じゃない。なかなかですね」「宝くじも買わにゃ、当たらんでしょ。夢も持たなきゃ、叶う事はないんじゃないかな」と。
すると、この80代男性が「実は主治医から、余命1ヶ月と宣告されまして。家内が先立ってからの40年、どれ程に寂しかった事か。どれ程に待ち侘びた事か。先日、その家内が夢に出てきてくれて『もう、頑張らなくていいですよ』と。私も住職と同じ思いです。向こうでも家内と永劫に暮らしたい。子供達から『再婚したらどうね。母さんも許してくれるよ』と言われてましたが、とてもそんな気には。住職が度々、信長公の舞った『敦盛』の言葉『人生五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり』を引き合いに出して『わが父は他界前《こっちの50年、向こうの1日。俺は寂しくないぞ。夕方までには、みんな来る》と拙僧に。これが本当かどうかなど、どうでもいい。すぐまた会えるんだ、と思える事が、何とも心安まる』と法話で。私はこの考え方に大いに賛同してましたので、再婚は、ですね。その半年後、この男性は奥様の待つ、あの世というところへ。
さて、この話は余談ですが、知人の看護師(50代女性)さんが「先日ですね、患者さんの子供達(家族)は、親が他界されたと連絡をしたのに、すぐに引き取りに来られず、丸1日経った後に悠々と来られ、横で遺族(家族)間の話を聞いていると、このまま火葬場に直行し、遺骨は火葬場に置き捨てるとの事にて。何とも言えず、お手伝いをしていると、5歳くらいの女の子が『ママ、ばあばは、どこに行くの』と問われると『天国よ』と笑みを浮かべて。それを聞いて私『ほう、死後の世界を散々否定しながら、そう答えるんだ』と。まあ、親の遺体を『いらん。そちら(病院)で処理しとって』という家族やら、電車の中、野っ原、生ゴミ置き場に、ご丁寧に住所の記載されている埋葬許可証を抜いて捨てる人もいるんで、まあ、そう考えると、親の遺骸を迎えに来られただけでも、まだマシか、と。親の遺体を病院に置き捨ては、10年前の倍になりました。親が作った家庭環境で、その親が育てるんですもんね。親に似た子供が育つ確率は、当然高いですよね。この先、この国は、どうなっていくんでしょうね」と、その看護師さんがため息をつきながら。
【付録】
拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳です。父親の他界年齢を基準にすれば、あと僅かに10年。これより先の残された時間は、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。
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【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。
次回の投稿法話は、8月1日になります。添付写真の塔婆供養は、今年度年忌の永代供養のご精霊。