現在、2月初旬に他界(82歳男性)された檀家さんの7日、7日の追善供養にご自宅の方へ。その折に奥様が「住職。私、先祖って、おらっしゃると思うんですよね」と。「何か、そう感じた事があったんですか」「平成17年の4月25日、福知山線の脱線事故があったでしょ。当時、あの時間の電車に乗って、息子が通勤を。が、その日に限って乗り遅れ、運良く事故を避ける事が。偶然と言われれば、それまでですが。私はそれを偶然の事、と片付ける事は出来ませんでした」と拙僧に。
対し、奥様に「福知山線脱線事故は、拙僧にも不思議(偶然)話が1つ。檀家の親戚筋の娘さんは、幼稚園、小学校、中学校、高校と全て皆勤賞。その当時、京都の短大への通学は、この福知山線で。乗る車両はこだわりが強く、必ず、最も事故死傷者が多かった2両目に。その日の朝、その娘さんが酷い腹痛状態に。それでも京都の短大に行こうと。学生時代は全て皆勤、にこだわっていたので。が、到底無理と娘さん、泣く泣くその日(事故の当日)、欠席を。事故の次の日、そのご家族も『確固たる確証はありませんが、先祖が助けてくれたとしか、思えませんので』と、わざわざ北九州の拙僧のお寺(本家菩提寺)まで御礼報謝に。『どこにこの有り難さ(喜び、ご恩)を向けたらいいか、と考えたら、やはり先祖かな』と言われてましたね、このご家族も。先祖のご加護があるかどうかなど、確証はありませんが、感謝する心を持つという事は、大切な事だと思いますね」と、この度ご主人を送られた奥様に。
【追伸】
事故、被災といえば、こんな話も。檀家30代(当時)男性が当時「私は2度、命を落とし掛けました。1度目は奥尻島の津波(1993年7月)です。出張でその地に来ていた時に。津波に飲み込まれなかったは奇跡でした。2度目もその地に出張で来ていた時、阪神淡路大震災(1995年1月)に。朝6時ごろ、突然体が宙を舞い、何が起こったのかと、ホテルの窓から外を見ると、目の前のマンションが崩れ落ちていきました。唖然とするより他に、どうする事も出来なかった」と。
また、ある檀家男性は、2001年9月11日、海外勤務でニューヨークの世界貿易センター(このビル内が勤務オフィス)に。外回りの仕事で、外へ出たと同時に飛行機が。
また、ある檀家女性(当時28歳)は、2011年3月、嫁ぎ先の地で東北大震災に遭遇。夫と2歳、3歳の女の子と、津波に追われながら、高台へ、高台へと。建てたばかりの家が、津波に飲み込まれていくを見ながら。
彼らは異口同音に「今ここに、命があるに、何不足」と。所用でその日、その地を出ていて、難を逃れた人。所用でその日、その地に訪れていて、被災された人。この分かれ目は、何なんでしょうかね。寿命と一言で片付けるには、あまりにも。
自然災害(台風、地震、大雨など)においては、人間の力の及ぶところではないが、それでも何かしらの手立て(自然破壊防止を含む、前もっての準備)が、あったのではないかな、と。事故やテロにおいても、前もって防御出来る方法が、あったのではないかな、と。どちらにしても、危機管理能力というものに、目を向ける事は大事かな。人間(命あるもの)、1度死んだら、2度と生き返ってこれないですもんね。
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素晴らしいお話有難うございました。