檀家参りに伺うと、柿の接待が。その柿を見て、その家の13歳息子が「住職さん。この歌『柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺』だけど、誰が詠んだか知ってる」「誰よ」「正岡子規だよ」「凄いな。拙僧は『鐘つけば銀杏散るなり建長寺』しか知らん」「誰が詠んだの」「夏目漱石という人」「へえ、その歌は知らんかった」と。
【追伸】
この檀家13歳が拙僧に「この2つの歌、どことなく似てると思わない。どっちかが真似したって事、あるのかな」と。「法隆寺は奈良、建長寺は鎌倉だろ。2人とも、真似をする様なタイプじゃないと思うけどな。感性が似てるんじゃないのかな、2人とも。交流もあった、という事だしね。それじゃ、拙僧も1つ詠もうかな。『柿食えば腹が緩むや放流痔』ってえのは、どうよ」「どうよ、って、どういう意味なの」「柿は腹を冷やすから、食べ過ぎると下痢に。下痢が続くと尻の穴に負担がかかり、ただれて、炎症を起こし、切れ易くなって、切れ痔に、という事」「それって、教訓だね」「御意」と。