1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】自分だけが辛い思いをして、人生を歩んでいると悲観していたが、上には、上があるもんだ、と

2023-03-29 07:27:29 | 法話
拙僧の法話読者が「住職は相当数の相談を受けてこられたんでしょ。その数は」と。「そうだね。千の単位は軽く超えてるかな」「その中でこれは酷い、と思った話は何ですか」「酷いも、色んな酷いがあるからね。じゃ、1つだけ。これは数年前の話だが、当人が当時『SNSに私の話を投稿して下さい。考えなければならない人達が、おられると思いますので』というご本人の希望で投稿した話があるから、その話をさせてもらおうかね」と。

この読者に拙僧「当時、相談の電話をくれたは、還暦前の女性。その彼女が『私は幼い頃から、両親と兄から罵詈雑言に、虐待を。中学1年の時、兄が自転車の乗り方を教えてやる、と無理矢理私を自転車に。フラフラして乗ってる私を蹴り上げて、2ヶ月間入院する程の大怪我を。退院してくると、今度は父が、足を引き摺って歩く私の姿にイラっときて、夜中、私が寝ている時に、悪い方の足を無理矢理逆に折り曲げ、私は身障者に。私が20歳になった時、父が、相手を決めてきた、と私の気持ちも聞かずに結婚させられ、それから30年以上も、DVを夫から受け続ける事に。何度も両親に、離婚させて下さい、と頼みましたが、世間体が悪い、と聞き入れてはくれませんでした。そんな夫婦関係なので、子供も出来ず、55歳になってやっと、聞き入れてもらい、夫と離婚を。その時には既に両親は、兄夫婦に捨てられ、老人ホームに。よって私が、ホームに足を運ぶ事に。両親は歳を取っているので、以前の様に暴力を振るう事はないですが、毎日、罵詈雑言を私に。それでも足を運ばないと、ホームの人達に迷惑が。今は、そんな状態です。誰かに聞いてもらわないと、心が救われませんので、ご住職に』と。そんな話が」と。

この法話読者が「何とも、凄まじい話ですね」「だよね。拙僧が相談を受けてきた中では、最高級かもしれん。が、この女性、今はその両親も他界し、独り身で、生活も楽ではないが、出来る仕事をやりながら、人生で初めて、安らぎの時間を過ごせているとの連絡が。世の中には、この様な境遇の人が、どのくらいおられるんだろうね」「私も人に負けないくらい、辛い人生を過ごしてきたと思っておりましたが、上には上がいるもんですね。この女性と比べれば、私など」とこの法話読者が。

最後にこの読者が「実はですね。数年前『住職の140字の法話は、俳句ですよね』とメールを」と。「あれ、君だったんかい」「はい。が、昨今、住職の法話は長文に。何か、あったんですか」と。「140字では、伝わらない人が多くてね。長い、と文句を言われても、ある程度、詳細に書かないと。それでも伝わらない人(含み言葉を読み取れない人)はいるが、だけんども、これ以上の長文は、ね」「住職の法話投稿に対して『ここに(私に)関係ない話』と文句を言ってくる人がいますが、この世の中、関係のない話なんてないですもんね。読み取り方次第で、自分のどこかに当てはまりますもんね。文句言いの人達は、自分を中心に世の中が流れているかの様に、文句を言ってきますもんね」「まあ、そんな人も偶にね」と。







【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 何度でも法話で申し上げておりますが、『天から貰った最高のプレゼントは、わが女房殿』です。人生の中で最も運が良かった、と思える事。

2023-03-13 15:31:18 | 法話
一昨日の3月13日は、拙僧夫婦、結婚して35年目に。30年程前に1度、家内が笑みを浮かべながら、拙僧に近寄って来て、思いっきり本気蹴りされた以外は、夫婦喧嘩というものをした記憶が全くありませんね。その蹴りも家内の踏んではいけない地雷を、どうやら踏んだようで。蹴られた理由を聞く勇気がないので、今だに不明のままです。家内は拙僧を蹴った後「よし」と小声で一言発して、後は何もなかったかの様に通常通り。会話も途切れる事はない。常日頃から家内は、怒り、不満の感情を顔に出した事がない。

檀家の娘さんだった家内が20歳の時、24歳の拙僧と交際を開始。付き合って3ヶ月後、プロポーズもせず、結婚式場(拙僧夫婦が結婚して1年後に美空ひばりさんが最後のステージをされた会場)と日程を決めて、家内の勤めていた会社へ迎えに。家内は「えっ、私の両親にまだ、何も言ってないのに」「これから落とすったい」と。ご両親の了承を得たは、式日の3ヶ月前、少々焦った。後に、子供達がこの事について「父さん、それって、犯罪やん」と。対し「何を言うか。この強引さのお陰で、お前さん達は今、ここにいるんだろ」と。拙僧の両親が他界後は、家内のご両親をお寺へ。同居して既に、15年の歳月が。逆マスオさんというも、結構、居心地がよかですばい。

家内は、家内の母親が皿を割ろうと、鍋を焦がそうと「また、買えばすむ事。怪我だけは気をつけてね」と。家内の父親と母親が度々物を失くそうと「家の中で失くなったんだから、その内、家の中から出てくるよ」と、一切、怒る事をしない。常に言ってるは「本来は、手の掛かる年齢(家内の両親)だもんね。自分で何でもやろうとする姿勢は、子供孝行だよね」と。家内の性格は、男前(性格は男性)にて。

お寺の坊守(ぼうもり、住職の奥様)さんの事を、別称「寺庭(じてい)さん」と言います。お寺の庭は、見ているだけで、心が癒されるでしょ。そういう雰囲気を持った女性が、お寺の奥様として座れるという事。お寺は、住職よりも、坊守さんの方が大事です。昔から、お寺が栄えるも栄えないも、坊守さん次第と言われてますもんね。拙僧は、運が良かったですね。

投稿写真は、家内と拙僧夫婦の初孫(娘の息子)です。風邪をひかせず、怪我をさせず、婿殿(娘の嫁ぎ先)に返さにゃならんから、緊張しながら世話をしております。有難い事に、30年振りに風呂入れの役目を拙僧が仰せつかりました。因みに、娘が拙僧と家内に「以前、お父さん(拙僧)が『様々な事情でそれが出来る人も、出来ない人もいるが、産んで育ててもらった恩は、産んでで育てて返すが、親への恩返しかな』と。私の息子を世話してくれてるお父さんとお母さんを見ていると、私達もこんなに愛情を持って、育ててくれたんだな、と今頃、感謝を」と。その言葉、嬉しかったですね。

次回の投稿法話は、3月20日になります。




【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 昔から言われる『飲む(酒、欲)、打つ(博打、お金にルーズ)、買う(異性にだらしない)』は、三大因縁。なかなか、改善は難しい。

2023-03-03 17:32:47 | 法話
拙僧が3歳の頃から、可愛がってもらった檀家(行年82歳女性)さんの33回忌法要を昨日、お寺で。この女性の生き様は、拙僧や拙僧の子供達(家族)に『お寺で生活をさせてもらうとは、どういう事か』の多大な教えを与えてくれました。

拙僧、大学を出て間もなしの頃、この檀家女性の家の仏壇参りのお役を、父から頂きました。伺うと、陽の当たる窓際に水を入れたヤカンが。「おばちゃん、これ、何をしてるの」と尋ねると「そうしておくと水が温もって、多少はガス代の節約が。私は年金が6万円ほどしか。市営アパート代、病院代、日々の生活費と、少しでもどこかで節約しなきゃ。この世を立つ時(葬式)、仏さんのただ使いは出来んじゃろ」と拙僧に。

また、ある時は、お寺の本堂にある賽銭箱に、涙を流しながら、頭を深々と下げて、お賽銭を打つ姿が。「おばちゃん、どうしたの」と尋ねると「英照(拙僧の僧名)さん。お賽銭を入れる事が出来るという喜び、あなたにはわからんだろうね」と。

この女性の話(生き様)を拙僧は、子供達に度々、話して聞かせていました。「この様な檀家さんの尊いお金で、父さんら家族は生活をさせてもらっている。お寺に供えられるお金(お布施)は、国でいうところの血税と同じ。決して無駄遣いをしちゃならん。父さん(拙僧)は、住職とはいえ、お寺から給料で雇われている身。『俺が働いたお金だから、お寺の収入は全て、俺が勝手に使っていい』と、勘違いしてる住職さんも少なからずいるが、そうじゃないんだよ」と。

この檀家女性の話は、お金にルーズな檀家さん達にも、自分達の生活態度を戒めてもらう為に、話をさせて頂いております。それを教訓に出来る、出来んは、本人次第ですが。お金にルーズ、周囲に迷惑を駆け回っている檀家さん達に「お金は使えばなくなるって、知ってるかい。月に1万円貯金すると、1年で12万円、10年で120万円も貯まる。月に2万円だと、10年で240万円。月に3万円だと、10年で360万円に。みんなそうやって、堅実的に生きてるんだよ」と。中には、ほぼ毎日、夫婦で外食し「お金がない、お金がない」と、人に借りまくっている夫婦が。勿論、そんな夫婦だから、他でも浪費を。その夫婦に「2人で外食すれば、1回で約2000円。月に20日外食すれば、4万円に。半分我慢すれば、月に2万円は貯金が出来るでしょ」と言っても、聞く耳なし。今では、誰も相手にしなくなった。人を頼ってばかりいる人間を、人はいつまでも助けてはくれない。人は教えられても、身に付かない。人は気付かないと、身に付かないですもんね。周囲も、こういうお金にルーズな人達を、本気で立ち直らせようと思うなら、心に鬼1匹を。

投稿写真は、わが寺の本堂内陣。次回の投稿法話は、3月10日です。


【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 子育ての話。人造りは、国の根幹にて。

2023-03-02 08:40:00 | 法話
昨日、1歳の子供を持つ父親(拙僧の法話読者)から「住職さん。妻からダメ出し(日常生活全般)ばかり。自分の気分次第で、時には理不尽な文句も。それで先日、喧嘩に」と。「大局的に見てごらん。今、何をやるべきかが、わかるから。赤子が生きる為に必要なのは、母親だろ。父親じゃない。小学生までは、帰宅の時「お父さん、ただいま」と帰ってくる子供はいないでしょ。ほとんどが「お母さん、どこにいるの」だろ。そうしてみると、母親は大変だという事だよ。父親の役目は、お金(生活費)を運んで来る事と、子育て中の母親のサポートを、文句を言わずに徹する事。父親は、母親のストレス軽減(文句を黙って受け止める事も、母親のストレス軽減)に努めるのみ」「なんか、父親って、寂しいですね」「そんな事はないよ。父親が必要になるは、子供が成長してからだよ。役目は必ず回ってくるから、それまでは、奥さんの支えを。拙僧もそうしてきたし、世のお父さん達は皆、これを経験。君だけじゃないよ」と。

【追伸】学校保護者会講演の時や、子育て相談を受けた時には、必ず拙僧「子供は親の所有物ではない。1人の人格者として対応を。子供は親が育てただけしか、育ってない。親が作った家庭環境の中で、その親が育てる。親に似た子供が育つ確率が高いは、当然の事にて。ここを肝に銘じて子育てを」と。