【10月20日投稿分】
方々(法話読者、檀家、知人)から拙僧に「10月27日の衆議院選挙に向けて、各局番組で党首討論会が。その討論の中には、核廃絶の話も。しかし、世界において核廃絶が本当に出来ると、心の底から、夢物語でなく、党首の人達は『出来る』と本心から思ってるんでしょうか。2023年1月の時点で、世界の核兵器保有数は、米国が5244、ロシアが5889、英国225、仏国290、中国410、インド164、パキスタン170、イスラエル90、北朝鮮30、合計12512発も。保有国がこれを手放すとは、到底考えられないのですが。1994年1月に、ウクライナは核兵器を全て放棄、軍備も縮小。もし保有国のままだったら、この度、ロシアは攻めて来れたかな。中国を見ても、北朝鮮を見ても、やりたか放題やれてるは、核を保有しているという強みがあるからじゃないかな。抑止力の威力を身をもって感じている保有国が、核を手放すなんて。住職は、この核廃絶の議論について、どう思われますか」と。
対し、拙僧「以前ですね、檀家の中学生男子が『僕の友人には柔道、空手などの有段者が何人かいるが、その友人は皆、優しくて、穏やかなんだ。自分が強いとわかってるからかな、自分から喧嘩を売る様な事はしない。所謂、不良少年といわれる人達も、その有段者達に喧嘩を売る事は絶対にない。そりゃそうだよね、勝ち目がないんだもん。抑止力っていうのは、そういう事でしょ。こっちからは手を出さんが、手を出してきたら、容赦なくやるぞ。やり返す力は持ってるぞ』と。核兵器廃絶の話が出た時、こんな例え話をその中学生が拙僧に。子供達も国の平和には、関心があるみたいですよ」と。
続けて拙僧、この人達に「例えば米国は、銃社会であるが故に毎年、多くの銃による殺人(犠牲者)が。アメリカの国民は、約3億3千万人。対し、アメリカ国内に流通している銃の数は、4億3千万丁との事。毎年、約4万人が銃の犠牲となっている状況下で、米国政府が『銃を持つを違法とする。全て回収する』と法律を作ったからとて、国民は正直に、素直に、それに従うかな。皆、隠し持つんじゃないのかな。銃のある、なしは、自分の命に直(ちょく)で関わる問題だからね。禁酒法時代においても、アル•カポネさんが暗黒街で暗躍しとりましたがな」と。「そうですよね。日本人(日本国)は、そんな切実な環境下で生活している訳ではないから、米国の銃社会に対し、能天気な、無責任な正論を言いたい放題言っておりますが」と。
対し拙僧「核兵器なんて、全廃した方がいいに決まっとる。が、今ある物を、1度手に入れた物を、そう簡単には。銃に限らず、核兵器に限らず、全ての関係には、需要と供給というものが存在しますからね。仮に、核兵器全廃が国連で決議採択されたとしても、保有国は間違いなく隠し持つでしょうね。国の存亡と国民の命に直結の話ですから。人間社会は根底に欲があるから、大なり小なり世の中は『狐と狸の化かし合い』になる。人間を最も殺している生物は『蚊』で、人間を殺している2番手は『人間』という事ですもんね。その環境下で、どう工夫して生きていくかを考えていくしかない。国家と国家の間の問題は、個人と個人の間の問題の様にはいかない。背負ってるものが違い過ぎる」と。
更に拙僧、この核廃絶問題を問うてくる人達に「この様な話(核保有)は、何度か法話に投稿しましたが、その度に正論を捲し上げてくる人達が、どこからともなく降って湧いて出てきます。その人達に『では、核廃絶が出来る具体策を、教えて下さいませんか』と問い返すと『あちゃ、しまった。火に油を注いじまったか』と思える程の、更なる正論の綺麗事嵐が拙僧に。その人達の『綺麗事の嵐』を聞いていると、結局『そうあってほしい』と思うだけで、核廃絶の具体策など、どこにも」と。対し、この人達が「という事はですよ、住職。『核を撃たせない為には、核を持て。これが最も核戦争が起こらない方策なり』という事になりますよね。それが、不本意であろうと、なかろうと。これまでの戦争の歴史を見てみると、それが現実ですよね。広島、長崎以来、1発も落ちてないのをみても、人間は確実に『核は恐怖』という認識にて。つまり、持っているだけで抑止力と。そう考えると、保有国が核兵器を放棄するなんて事は、到底あり得ない。人間はそれほど人間を信用してないですよね」「世界中、みんな仲良し、国を攻めてくる国なんてない、と断言出来るのなら、軍隊を持つ必要なんてないでしょうが。ウクライナでも、中東でも、今現在において、何千、何万という一般人が犠牲に。この現実に対し、日本はどう向き合うのかな。人間は1度死んだら、2度と生き返ってはこれないからね」と。
更に拙僧「いじめもなくならない、盗みもなくならない、人殺しもなくならない、詐欺もなくならない、誹謗中傷もなくならない。人間が1人生まれてきたら、同時に1つの欲もまた、世に出てくる。未来永劫にこの繰り返し。毎年、16歳になる少年が出てくるから、バイクの暴走族は無くならないでしょ。『じゃ、免許を与えなきゃいい』という人達もおりますが、無免許で乗るだけですよ。『じゃ、バイクをこの世から消せばいい』と。そんな話でもないでしょ。全盛期は全国で5万人いた暴走族が、昨今は5千人にまで減ったそうですが。石川五右衛門さんが時世で『浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ』と言われたこの言葉は真理にて。核問題も人間が存在する以上、永遠の課題でしょうね」と。
対し、この人達が「何か、策はあるんですかね、住職」と。「人間はオギャーと生まれてすぐに、悪態付いたり、暴力振るったりする赤子はいないでしょ。赤子がこの世に出てきて、まず最初に人間の醜さ(欲深、執着、自分勝手、嘘、偽り、誤魔化し、悪口など)に触れるは、親の言動からですもんね。そう考えると『教育』というのは大事ですよね。水は、高い所から低い所に流れていきますから。人間は誰が育てるか、誰に育てられたか、は非常に大事にて。18世紀の終盤、鬼平犯科帳で知られる鬼の平蔵、所謂、火付盗賊改方の長谷川平蔵(実在の人物)さんは『犯罪を犯すは飯が食えないから。犯罪を産み出す土壌を変えないと、何の解決にもならん』と、日本で初めて技術を習得させる為の『職業訓練所』を設立。罰するだけが主流の時代(江戸時代)に。当然、反対者が。いつの世も人が動けば、必ず文句を言う者が出てくる。誰も考え付かない事をやらねば、世の中は変わらん。以前、子供の反抗がエスカレートし、手が付けられなくなった檀家の母親が相談に。対し拙僧『良かれ、と思ってやってきた事で、この様な状況を作り出したのなら、良かれ、と思ってやってきた事の真逆をやったらどげんですか、不本意であろうと』と進言を。結果は良い方向に。この仕事は、政治家さん達が雁首揃えて絞り出すもの。今1度、人間界は教育について、根本的に見直す必要があるのかも、ですね」と。
最後に拙僧「兎に角、政治はシーソーの様なもの。どちらかが上がれば、どちらかは下がる。皆が皆、納得出来る法案など。このシーソーのバランスを取るが、政治家さん達の仕事。我々庶民が出来る事は、このバランスを取る事が出来る政治家さんを見極め、選挙で選ぶ事ぐらい」と。「因みに、住職はどんな基準で投票を」と。「基本、過度の文句言い、講釈言い、人の悪口言い、揚げ足取りは、避けてる。聞いていて、ヘキヘキする。戦国時代の誰だったかな、ある武将が『趣味や服装を見れば、その人間の心根がよくわかる。その最たるものが、言葉遣いである』と言い切りおった。確かに、自分の好きなものしか趣味にはならないし、好きな服しか着ないですもんね。更に、心にあるものしか、口からは出てこない。心の中にないものは、口から出てくる事はないですもんな。だから、あんまり人の悪口や嫌味などを言い過ぎると『私はこんな人間である』と世間に向かって、自分で自分の事を暴露してるに同じ。立候補者さん達は、ここは気を付けた方がいいかも。あまり他党の批判を言い過ぎると、折角良か政策案を持ってても『私の政治における仕事は、文句を言う事と揚げ足取りである』と言ってる様にしか聞こえない。勿体無いよね」と、この読者の人達に。
最後の最後に、この読者の人達が「住職は、将来において、核戦争は起こると思いますか」と。「ロシアはウクライナに対し、核兵器をチラつかせましたが、実際は脅し止まり。世界は今、三竦み(さんすくみ)。蛇はナメクジを怖がり、ナメクジは蛙を怖がり、蛙は蛇を怖がる。よって三者共に動きがとれない状態。核兵器が無かったら、戦争になるかもしれないが、核兵器があるが為に、そう簡単に大きな戦争には。そう考えると、米国の存在は大きいと言えますよね」と。
さて、10月27日は衆議院議員の総選挙。18歳の高校生と若者さん達、自分の意志(投票)も示さず、只々文句を言うだけの『雑音大人(人間)』になっちゃあかんで。拙僧と縁のある子供達には常に「屁理屈こく前に、まず動け」と進言を。さあ、若人さん達、まず、投票に足を運ぼう。足を運ばなきゃ、ご老人の希望ばっかりが反映され、若い人の希望が反映されないよ。自分の国の国造りは、自分の1票で。
【付録】
約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。
金剛寺ブログ :https://blog.goo.ne.jp/junko-0808
金剛寺ツイッター :https://twitter.com/kongouji093
金剛寺フェイスブック:https://www.facebook.com/天徳山-金剛寺-1543297575974719/
拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」
金剛寺インスタグラム:https://www.instagram.com/tentokuzan_kongouji/?
【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。
次回の投稿法話は、10月25日になります。