JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

急成長・業界最大手の“破綻”

2007-10-29 22:51:18 | 事件・事故
 つい先日、介護最大手のコムスンが介護保険金請求の不正が発覚して、業務を他社に譲渡したばかりだが、今度は英会話教室NOVAが四百数十億円の負債を抱えて、会社更生法を申請したと言う。

 NOVAは、前払いレッスンチケットの払戻し問題や解約時の過大な精算など、顧客である生徒とのトラブルが絶えないことを理由に、新規生徒の募集禁止などの処分を受けていた。
 こういう業界は、新規の契約で獲得する莫大なプリペイド料金を元手に業務を回している“自転車操業”でかろうじて存続しているので、新規募集を凍結されれば、途端に資金繰りが悪化し、破綻に直面する。

 コムスンも似たようなもので、資金繰りの悪化が破綻の原因になったものと思われる。

 これらに共通するのは、いずれも短期間に急速に拡大してきた業界TOP企業であり、その急速な拡大のペースに比べて企業としての人材育成や倫理教育がおざなりに成り、粗製乱造となって顧客離れを起していることである。
 また、そのTOPはいずれも独裁者的性格をもった、ワンマン経営者であり、不正が発覚する前には一代で築き上げた“カリスマ経営者”としてもてはやされていた。
 
 すなわち
① “有能な”ワンマン経営者が独裁的経営を行っている。
② 急速な経営拡大が自己目的に転化してしまっている。
③ 人材育成が追いついていない。
④ 得た資金を直ちに消費している。(自転車操業)
⑤ 結果、ワンマン経営者が自己陶酔的“勘違い”を起す。

 東横インでもそれは言えるし、ライブドアの時も、急成長した業界TOP企業である点では共通している。

 NOVAの場合は、生徒拡大を自己目的化して過大な生徒を集めながら、講師の養成はおざなりで、英語のネイティブではないような“外人”までアルバイトで雇い、質の悪い“英会話”教育を“提供”してきた。
 そのため、自由に授業を受けられない生徒が続出し、これが、多くの解約を呼ぶことに繋がり、さらに解約への対応が悪いことから、ますます不評を呼び、消費生活センターへの苦情が多発することになった訳である。

 生徒のプリペイド・レッスンチケット残高は四百億円というし、講師への不払い賃金も四十億円と言う。

 これでは、買収で大きくなった楽天やEAONも手が出る訳が無い。
ライブドアの堀江氏が健在ならば、買収しただろうか?

*******************************************
今日も御覧頂きありがとうございます。
このブログを応援して頂ける方ははクリックを!

*******************************************
 
******************************
「NOVA支援難しい」 イオン、楽天両社長
              朝日新聞  2007年10月29日(月)18:39

 イオンの岡田元也社長と楽天の三木谷浩史社長はそれぞれ29日、英会話学校大手、NOVAの支援に否定的な見解を示した。同社の保全管理人が支援を要請する候補としてあげていたが、「門前払い」となる可能性が出てきた。

 イオンの岡田社長は記者団に対し、「当社のショッピングセンターにNOVAの教室が入居しているから名前が挙がっただけなのでは。まったく考えていない」と強く否定した。楽天の三木谷社長も記者会見で、「何で名前が挙がったのか、正直意外だ。検討するには難しいと思う」と述べた。
「NOVA支援難しい」 イオン、楽天両社長(朝日新聞) - goo ニュース
NOVA改革委も退任望む 「猿橋氏は再建の障害」(共同通信) - goo ニュース
NOVA、更生法申請 負債439億円、猿橋社長解任 ジャスダック上場廃止へ(産経新聞) - goo ニュース

事業所を運営する法人規制へ コムスン問題受け厚労省(共同通信) - goo ニュース