ひとたび起訴されれば、無罪の被疑者でも99%有罪になると言う、異常な日本の捜査と裁判のあり方に、新たな一石を投じた判決とも言えよう。
今回は、被害者による『面割り』の信憑性が判断されているようで、画期的である。
この事件とは異なるが、最近の『痴漢事件』等の中には、意図的に無実の男性を陥れて金を巻き上げるという手口の犯罪も増えているだけに、痴漢・暴行・強制猥褻などの取り調べにおいては被疑者とされた方にも強圧的ではない真摯な取り調べが必要である。
今回の事件では、突然自宅に警官が来て1か月間も拘束された、と言うから多くの無実の人がこの段階で屈伏してしまう。
無実とはいえ、この方は良く頑張って身の潔白を頑として維持できた。
今の警察の一方的に犯人と決め付けるやり方に抵抗できた意志の強さに敬意を表したい。
無実だから当然という意見もあるかも知れないが、敬意を表しなければならないほど、今の警察は「嘘でも成果を上げろ」主義の腐敗した取り調べなのだ!
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強制わいせつ、男性に無罪=「被害者の識別に合理的疑い」-大阪地裁(時事通信) - goo ニュース
「強制わいせつ」で無罪 大阪地裁、アリバイ成立認める(共同通信) - goo ニュース
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以下、朝日新聞から引用
強制わいせつ致傷、無罪
大阪地裁、「面割り」に疑問
朝日新聞 2009年2月18日6時7分
強制わいせつ致傷の罪に問われた大阪府高槻市の自営業の男性被告(44)に対し、大阪地裁は17日、無罪(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。中里智美裁判長は「犯行が被告によるものという確固たる証拠はない」と述べた。
男性は昨年3月16日早朝、高槻市の路上で20代の女性に背後から抱きつき、仰向けに倒れたところを馬乗りになって胸を触るなどし、ひざにけがをさせたとして起訴された。大阪府警に逮捕されて以降、男性は「まったく身に覚えがない」と一貫して無罪を主張してきた。
判決は、まず被害女性について、
事件当時は多量に飲酒していたことなどから「観察能力に問題があった」 と指摘。
女性が人物写真9枚の中から男性を「容疑者」として選んだ「面割り捜査」をめぐっては、男性の写真だけが自宅近くで隠し撮りされたうえに建物などの背景が映っており、ほかの人物は正面を向いた全身写真などだったことから
「均質性に問題があり、女性が暗示を受けた可能性が否定できない」 と述べた。
また、新聞配達の女性が「犯人は(事件現場に近い)男性宅の駐車場に走って逃げ込んだ」とした目撃証言について「視線を終始向けていない可能性がある」と信用性を否定。
さらに 事件当日、男性が祖母の法事を控えていたことを挙げ、「その明け方に常軌を逸した事件を起こすとは常識的に理解できず、男性を犯人とするには合理的な疑いが残る」 と結論づけた。
判決後、男性は朝日新聞の取材に対し、「ほっとした。でも、これからどうやって生活を立て直せるのか」と話した。
男性によると、昨年3月末、警察官が突然自宅を訪ねてきて逮捕され、約1カ月間にわたり拘束された という。
弁護人の一人は「警察は男性を容疑者と決めつけて捜査し、検察も証拠が薄いまま起訴した。遺憾だ」と話した。
(宮崎園子)
強制わいせつ致傷、無罪 大阪地裁、「面割り」に疑問(朝日新聞) - goo ニュース