今日の朝日新聞「天声人語」は、アメリカによる日本国内や領海・領空への核兵器持込について故事を喩えていた。
その故事を迂闊にも私は知らなかったのだが、
「這っても黒豆」のことわざだそうだ。
その記事によるとこうだ。
【黒い粒を見ながら2人が言い合っている。1人は「虫だ」と言い、もう1人は「いや黒い豆だ」と。やがて粒が動き出したが、それでも「豆」の方は説を曲げない。「這(は)っても黒豆」のことわざは、明白な事実を前に、なお言い張ることをさす】
そして、『米核持ち込み密約』の話にこれを投影し、
【日米間の「核持ち込み密約」をめぐる政府の答弁は、それを地でいく。米側の公文書などで密約は裏付けられているのに、一貫して「存在しない」と否定してきた▼核兵器を積んだ米国の船が日本に寄港したり、領海を通ることを認めた秘密の合意である。これまでの証拠に加え、先日は元外務事務次官が「歴代引き継いできた」と明かした。しかし政府はかたくなに、態度を変えようとはしない。▼「黒豆」のたとえは可愛いが、要は政府の嘘(うそ)である。「一つの嘘をつき通すには、別の嘘を二十発明しなくてはならない」と言うから心配になる。非核三原則の一つの「持ち込ませず」をめぐる虚実を、国民は知る権利がある】 (以上、7月1日付け天声人語抜粋)
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米核持ち込み密約、存在認める
元外務次官が証言
時事通信 2009年6月29日(月)22:03
1960年に日米安全保障条約が改定された際に、核兵器を搭載した米軍艦船の寄港や領海通過を日本政府が黙認する密約が日米間で交わされていたことが29日、明らかになった。87年7月~89年8月まで外務事務次官を務めた村田良平氏(79)が時事通信社の取材に対し、前任者から密約を記した文書の引き継ぎを受けたと証言した。政府はこうした密約の存在を一貫して否定しており、今後、国会論戦などで波紋を呼びそうだ。
安保条約改定時、日米両政府は核を含む米軍の装備の重要な変更については、事前に協議することを決めた。村田氏の証言は、核搭載艦船の寄港や領海通過は事前協議の対象外とし、日本が容認する了解が成立していたことを示すものだ。核持ち込みをめぐる密約は、米国立公文書館所蔵の文書などで存在が確認されているが、外務次官経験者が認めたのは初めて。
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