河北新報に、興味深い記事が掲載されていたのでご紹介。
出たばかりの本日付け【社説】です。
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************
09衆院選
共産、社民/活路をどこに見いだすか
政権交代が焦点となる衆院選(18日公示、30日投票)を前に、共産党、社民党などの小政党は存在感を出そうと懸命になっている。自民・公明の政権は終わらせたいが、民主党にばかり追い風が吹けば埋没してしまうからで、小政党にとっては二大政党時代での生き残りをかけた正念場の選挙となる。
共産党は今回、全国11ブロックの比例代表での戦いに集中するため、小選挙区候補を前回の約半分に絞った。空白区は自主投票だが、党本部は「打倒自公」を鮮明にしており、票の多くは民主党に流れるとみられる。
これまで自民、民主両党を批判してきた共産党は最近、衆院選後の「民主党政権」を容認する姿勢に変わった。先月の東京都議選で議席を減らすなど党勢の退潮に歯止めがかからない焦りと危機感が背景にある。
志位和夫委員長は「比例で議席を増やし、建設的野党として民主党政権に政策実行を迫る」と話す。だが民主党とは政策で一致しない点も多いだけに、成果を疑問視する党員もいる。
社民党は今回、民主党との連立政権樹立を視野に反自民票集約のため選挙協力を行う。民主、社民両党は前回31選挙区で争ったが今回の競合区は14。その代わりに社民党が21区(前回ゼロ)で民主党候補を推薦するなど「共闘」をアピールする。
ただ社民党にとって連立政権入りには苦い経験がある。自社さ政権で村山富市首相が党方針を転換して自衛隊と原発を容認し日米安保重視の姿勢を打ち出したこともあり、その後の選挙で議席が激減したのだ。
福島瑞穂党首は「党の考えと連立政権の考えを一緒にしてしまった」と反省しており、今回はなぜ連立するかを国民、党員にしっかり説明するという。
「万年野党」とも言われながら両党はこれまで政権批判をしていれば済んだが、今回の選挙ではそうはいかない。政権交代があった場合、新しい与党となる民主党とどんな関係を結ぶかも問われるからだ。
両党は今回、それぞれ民主寄りの路線にかじを切った。政権交代を機に党勢を盛り返そうという決意の表れだ。しかし、展望が開けるかどうかは不透明で、逆にのみこまれたり、独自色が薄まったりする懸念もある。
小政党が苦しいのは、二大政党制成立の土台となる小選挙区制では支持票が分断されてしまって議席が取れないためだ。比例議員や地方議員だけでは先細りは避けられない。
だが狙い目もある。二大政党制では、どちらも過半数の支持を得ようとして、主張があいまいになり政策も包括的で似通ってくる。二大政党が取り込むことができない政策、吸収できない勢力も生じる。共産、社民両党が活路を見いだすのはそこだ。当面は民主寄りの路線で対応し、「護憲」「非核三原則堅持」など独自の主張を働き掛けて、少数意見を反映するための政党として来る再編時代に備えるのが現実的だろう。
野党転落におびえる自公だけではなく、小政党にとっても存続価値を問われる夏になる。
2009年08月13日木曜日