総選挙の結果が出た。
小選挙区制の“効果”で民主党が圧勝した。
事前のマス・メディアの予想通りの結果である。
民主党の議席は、自公合わせた議席の2倍を大きく超える大躍進。
これほどの旋風の中で、護憲勢力である共産党と社民党が
吹き飛ばされずにかろうじて現有議席を維持できたことは良かった。
護憲意識の明確な有権者が、投票した有権者の11%以上(比例で)
居たことは、今後の改憲策動に抵抗する国民の力を示したものだ。
一方で、事実上政権を投げ出さざるを得ない処に追い込まれて
解散に踏み切った麻生太郎も含め、安倍・福田・麻生と3代続いた
『政権投げ出し三兄弟』が揃って当選したのは不思議だ。
自民党を大敗(かつ退廃)に追い込んだ張本人たち3人が揃って当選!
なんて、その選挙区の人たちの良識は如何?
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さて、共産党の獲得議席であるが、
NHKは、投票が締め切られた昨日の8時に各党の獲得予想議席を
早々と出したが、その時には
7~18議席という大きな幅を持つ予想だった。
しかし、夜中の零時を過ぎる頃でも、獲得議席確定数は2議席だった。
民放では、TV朝日が、早々と獲得予想7議席を出し、古舘伊知郎氏も
「現有議席を上回るのは必至の情勢」と伝えた。
しかし、これも零時を過ぎる頃でも、獲得議席予想は7議席のままだった。
他の民放では、零時を過ぎる頃でも、獲得議席予想は0議席だった。
メディアによって、こうも評価が違うのは何故だろうか?
結局、古舘伊知郎氏の「現有議席を上回るのは必至の情勢」という
目論見も虚しく、またNHKの最大予想18議席も空回りで、確定獲得議席は
現有と同じ9議席に留まった。
今日の「赤旗」には、結果についての評価は掲載されていないが、
どう言う表現をするかは、ほぼ予想できる。
① 自公政権を退陣に追い込んだことは新しい歴史の展開である。
② 共産党は、自公を退陣に追い込むのに積極的な役割を果たした。
③ 民主党が圧勝する“暴風”の中で、議席を維持する成果を得た。
等など。
“暴風”という表現を使うかどうかなど、
表現には様々なバリエーションがあり得るが、
大枠はこんなものであろうと思う。
こういう従来の紋切型の評価ではない『新しい発想の評価』を
出すことができれば、将来に見込みがあるかも知れない。
なお、ここまでは下記の「赤旗主張」を読む前に書いている。
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8月31日付け「赤旗」より
本日付け【主張】
総選挙開票
自公政権退場の歴史的審判
30日開票された総選挙の結果、自民・公明の与党が議席を激減させ、自公政権が退場することが決定的になりました。民主党が300議席を超え、第一党となることも、確実となりました。自民党の第一党からの転落は1955年の結党以来初めてで、第一党が入れ替わる政権交代も62年ぶりです。
日本共産党の獲得議席は、30日中には確定していませんが、猛暑のなか、日本共産党の前進のために奮闘されたみなさんに、心から感謝いたします。
日本政治の画期的出来事
自公政権の退場は、日本の政治を前向きに進める画期的な出来事です。長年にわたって自民党政治と対決し、日本の社会進歩のために力を尽くしてきた党として、今回の歴史的転換を心から喜びたいと思います。
自民党は、戦前以来の保守政党の流れを引き継いで、財界とアメリカの強い要請を受け、「保守合同」によって誕生して以来、長年にわたって、日本の政治を支配してきました。「財界中心」と「日米軍事同盟絶対」の政治路線は、日本に世界で例のない「ルールなき資本主義」をはびこらせ、日本の平和を脅かし続けてきました。
自民党政治の行き詰まりはすでに長期にわたって表面化しており、1993年に結党から38年ぶりに単独政権の座から転落して以来、自民党一党では政権が維持できなくなっていました。とくにこの10年は公明党との連立に支えられて、かろうじて政権を持ちこたえてきました。
自公政権が退陣に追い詰められたのは、国民の積もりに積もった批判の結果です。とりわけこの10年の自公政権が、小泉「構造改革」路線によって暮らしがズタズタにされたことへの国民の怒りは、頂点に達していました。
麻生太郎首相は選挙中、「安心社会の実現」を繰り返しましたが、自公政権こそが、雇用でも、社会保障でも、「安心社会」を破壊したことへの反省は、まったく示しませんでした。選挙後半、自民党がネガティブキャンペーンに終始し、麻生首相が「政権交代で景気が後退」「政治が混乱する」などと主張したことも、批判の火に、油を注ぐ結果となったのは明らかです。
民主党は議席を激増させましたが、それは、自公政権に国民が「ノー」の審判を突きつけた結果であり、民主党の政策を国民が支持した結果でなかったことは、選挙中の各種の世論調査によっても明らかです。
「建設的野党」の責任
日本共産党は、国民の暮らしと平和を守るために、自民党と一貫して対決し、自公政権に対しても正面からの批判を続けてきました。「財界中心」「日米軍事同盟中心」の政治のゆがみを大本からただすという主張とともに、自公政権に対する日本共産党のきびしい批判が、自公政権の退陣に力を発揮したのは間違いありません。
日本共産党は、民主党中心の政権ができた場合にも、国民の利益に立って積極的に提案し、「よいことは賛成、悪いことにはきっぱり反対、問題点はただす」という「建設的野党」の立場をつらぬくことを明らかにしてきました。
歴史を前向きに動かす新たな一歩となった新しい政治局面のもと、こうした立場がますます重要になるのは間違いありません。
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民主と「みんな」の比例議席
他党へ 4議席「譲渡」
朝日新聞 2009年8月31日3時51分
比例区で本来獲得できたはずの議席が、比例名簿に残る候補が少なくなったり、復活当選に必要な得票を得られなかったりしたため、他党に回るケースが東海、近畿両ブロックであり、計4議席の「議席譲渡」が発生した。
近畿ブロックで民主は、比例名簿1位に重複候補を44人並べ、その下に単独候補8人を擁立。しかし、重複候補41人が小選挙区で当選。単独候補が全員当選しても比例区の当選者が足りなくなった。みんなの党は比例票で1議席を得る計算だったが、比例区に唯一立候補の大阪9区の吉野宏一氏が復活に必要な有効投票総数の10分の1を得ることができなかった。この結果、自民の谷公一、谷畑孝両氏と公明の赤松正雄氏の計3人が「棚ぼた」で議席を得た。
一方、東海ブロックでも、みんなが比例で1議席を確保するはずが、唯一の候補である静岡1区の佐藤剛氏が復活当選に必要な得票に届かず、民主の東海ブロック41位の磯谷香代子氏が当選した。
他党への「議席譲渡」は前回05年にもあった。比例東京ブロックで8議席分の得票を獲得した自民の候補者が足りず、1議席が社民に流れた。民主の鳩山代表は31日未明、「必ずしも比例名簿が十分でなかった。おわびしたい」。みんなの渡辺代表も「比例単独を出しておけばよかった。残念だ」と語った。