エジプトでの大統領“辞任” ⇒ 失脚 情報の続きです。
「この瞬間待っていた」カイロ市民歓喜
ムバラク大統領の辞任が決まり、歓喜する反体制デモ参加者
=小西太郎撮影(読売新聞)
アメリカのオバマ大統領は、これを歓迎する声明を発表したそうです。
今回の政変に対して、自らもアフリカにルーツを持つオバマ大統領の思い入れは
相当強いようで、言わば格調高い表現で民主化を評価しています。
その最も典型的な部分を引用すると・・・
そして何よりも、新しい世代が台頭するのを私たちは見ました。この世代は、自分たちの創意工夫と才能とテクノロジーを駆使して、自分たちの恐怖ではなく自分たちの希望を代表する政府を要求したのです。自分たちの無限の志に応えてくれる、そんな政府を求めたのです。1人のエジプト人がこう簡潔に言いました。ほとんどの人はこの数日で気づいた。自分には価値があるのだと。その価値は、二度と決して奪われることがないのだと。
これが人間の尊厳というものの力です。決して否定されることのない力です。エジプトの人たちの姿に、私たちは感動し、奮い立った。エジプトの人たちは、正義は暴力で勝ち取るのが一番だなどという考えの嘘を暴いてくれて、私たちを奮い立たせてくれたのです。なぜならエジプトでは非暴力による道義の力こそが、テロでもなければ無意味な殺戮でもなく、非暴力の道義の力が、歴史の流れを改めて正義へと向かわせたのですから。
私たちが触れた光景や音はどれもすべてエジプトのものでしたが、こだまして響く歴史の音を思わないわけにはいきません。壁を打ち砕くドイツの人たちからの響き、街中にあふれたインドネシアの学生たち、そして正義の道へ人々を導くガンジーからの響き。 ・・・
以下、goo翻訳(加藤祐子・訳)による全文を引用します。
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スイス、ムバラク氏一族の資産凍結指示 5兆円報道も(朝日新聞) - 2011年2月12日(土)13:09
ムバラク大統領失脚、イスラエルに衝撃(読売新聞) - 2011年2月12日(土)11:46
我々の新たな時代が始まる ムバラク氏辞任、歓喜の歌(朝日新聞) - 2011年2月12日(土)11:51
「この瞬間待っていた」カイロ市民歓喜(読売新聞) - 2011年2月12日(土)03:02
オバマ米大統領、自由切望するエジプトで「歴史が刻まれた」と 声明全文翻訳
(gooニュース) 2011年2月12日(土)09:50
大統領退陣を求める市民の声が18日間にわたり高まり続けたエジプトで11日、スレイマン副大統領がムバラク大統領の辞任を発表したのを受けて、オバマ米大統領は「自由を切望」したエジプト市民の行動を称え、「エジプトは二度と元のようにはならない」と声明を読み上げた。1月25日に各地で始まった退陣要求運動を受けてオバマ政権は当初、漸次的・段階的な政権移行を支持したものの、ムバラク派による市民やメディアの殺害・弾圧が相次いだ後は、ムバラク大統領の早期辞任を言外に促していた。エジプトはイスラエルと隣接し、スエズ運河を抱え、北アフリカ・中東における地政学上の要と言えるだけに、歴代の米政権はムバラク政権を長年にわたり重要な同盟国として支援してきた。(gooニュース 加藤祐子)
ホワイトハウスが発表したオバマ大統領による11日午後の声明は次の通り――。
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「皆さん、こんにちは。歴史が刻まれていく様を目にするのは、人生において得難い特権です。これはそういう瞬間です。これはそういう時です。エジプトの人たちは意思を示しました。人々の声は届きました。そしてエジプトは二度と元のようにはならない。
退陣によってムバラク大統領は、変化を求めるエジプトの人たちの渇望に応えました。しかしエジプトの移行はこれで終わりではありません。これは始まりです。これから先、困難な日々が続くことでしょう。答えの出ていない問題もたくさんあります。けれども、エジプトの人たちは答えを見つけるはずだと私は確信しています。エジプトの人たちは平和的に建設的に、この数週間を貫いてきた団結の精神で、答えを見つけるはずだと。なぜならエジプトの人たちは、真の民主主義以外のなにものをも認めないと、はっきり意思表示してきたからです。
軍はこれまでも国を守るものとして愛国心と責任感をもって尽くしてきました。軍は今後も、エジプトの人たちが見て納得のいく政権移行を、保障しなくてはなりません。それはすなわち、エジプト市民の権利を守り、国家非常事態法を撤廃し、変化を不可逆なものにするため憲法やその他の法律を改正し、そして公正で自由な選挙への明確な道筋を示すことを意味します。何よりも、この政権移行にはエジプトのあらゆる声が参加しなくてはなりません。なぜならエジプトの人たちがこれまで示してきた、平和的抗議と不撓不屈の精神こそ、政権移行を後押しする強力な風となり得るからです。
アメリカは今後もエジプトの友人でありパートナーであり続けます。信頼できる民主主義への移行を実現するため、私たちは必要な支援を、求められれば、何でも提供する用意があります。それに加えて、エジプトの若者たちがこの数日の間に示した気転や創意工夫や起業家精神を使えば、この若い世代の素晴らしい可能性を羽ばたかせるだけの、仕事やビジネスといった新しい機会を作り出せるだろうと、私は確信しています。そして民主的なエジプトは、周辺地域だけでなく世界各地において、責任あるリーダーとしての役割を推進していくことでしょう。
エジプトは6000年以上にわたり、人類の歴史において決定的な役割を担ってきました。しかしこの数週間、エジプトの人たちが普遍的な権利を求めるに伴い、歴史の歯車はめまぐるしい勢いで回転しました。
本当の自由とはこういう姿なのかもしれないと子供たちに見せるため、お母さんたちやお父さんたちが子供たちを肩に担いでいる姿を私たちは見ました。
『生まれて初めて、自分がいることに意味がある。自分の声が意味をもつ。自分はたったひとりだけど、これが本当の民主主義の形だ』と言う若いエジプト人を、私たちは見ました。
『セルミヤ、セルミヤ(平和的に、平和的に)』と何度も何度も合唱する市民の姿を、私たちは見ました。
守ると誓った市民に向かって銃弾を撃たない軍隊の姿を、私たちは見ました。
傷ついた人たちを助けるために街中に飛びこんでいく医師や看護師たちの姿を、私たちは見ました。抗議する市民が武装していないことをひとりひとり確認するボランティアたちの姿を、私たちは見ました。
信仰する人々が共に祈り、『ムスリムとクリスチャン、私たちはひとつだ』と唱える姿を、私たちは見ました。信仰と信仰の間の軋みは未だに多すぎるほど世界の多くを隔てているし、たった一つの出来事がその溝をただちに埋めることがないことも承知しています。けれどもこうした光景を目にすると、改めて思いを新たにします。互いの違いが私たちの全てではないのだと。私たちは人間性を共有している。その共通点をよりどころに自分たちを語ることができるのです。
そして何よりも、新しい世代が台頭するのを私たちは見ました。この世代は、自分たちの創意工夫と才能とテクノロジーを駆使して、自分たちの恐怖ではなく自分たちの希望を代表する政府を要求したのです。自分たちの無限の志に応えてくれる、そんな政府を求めたのです。1人のエジプト人がこう簡潔に言いました。ほとんどの人はこの数日で気づいた。自分には価値があるのだと。その価値は、二度と決して奪われることがないのだと。
これが人間の尊厳というものの力です。決して否定されることのない力です。エジプトの人たちの姿に、私たちは感動し、奮い立った。エジプトの人たちは、正義は暴力で勝ち取るのが一番だなどという考えの嘘を暴いてくれて、私たちを奮い立たせてくれたのです。なぜならエジプトでは非暴力による道義の力こそが、テロでもなければ無意味な殺戮でもなく、非暴力の道義の力が、歴史の流れを改めて正義へと向かわせたのですから。
私たちが触れた光景や音はどれもすべてエジプトのものでしたが、こだまして響く歴史の音を思わないわけにはいきません。壁を打ち砕くドイツの人たちからの響き、街中にあふれたインドネシアの学生たち、そして正義の道へ人々を導くガンジーからの響き。
自分の国をより良いものにしようとしていたマーティン・ルーサー・キングは、ガーナの新国家誕生を祝ってこう言いました。『魂には、自由を切望して声を上げるなにかがある』と。タハリール広場から響いたのは、まさにその声でした。そして世界中がその声を受け止めた。
今日のこの日は、エジプトの人たちのものです。アメリカの私たちはカイロやエジプト各地の光景に感動しました。私たちがアメリカ人である所以(ゆえん)、自分たちの子供たちにはどういう世界で育ってほしいと思っているか。そこにエジプトの光景は訴えかけてきたからです。
『タハリール』という言葉は、解放を意味します。私たちの魂の中で自由を切望するなにものかに、訴えかける言葉です。今後いつまでも、エジプトの人たちを思い出す言葉となるでしょう。人々が何をしたか、何のために動いたか、いかにして自分たちの国を変えたか、そしてその結果いかに世界を変えたか、思い出す言葉となるでしょう。
ありがとうございます」
ムバラク・エジプト大統領が辞任、軍に権限委譲
(トムソンロイター) 2011年2月12日(土)05:52
[カイロ 11日 ロイター] エジプトのスレイマン副大統領は11日、ムバラク大統領が辞任し、大統領権限を軍に委譲したと発表した。
同副大統領は国営テレビで声明を発表し「(ムバラク大統領が)辞任することを決定した」と述べた。
また「国が困難な状況にあることを踏まえ」大統領は軍最高評議会に権限を委譲したと語った。
軍関係筋は、タンタウィ国防相が軍最高評議会のトップに就いたと述べた。
アルアラビアテレビが報じたところによると、軍最高評議会は内閣を解散、議会を凍結し、最高憲法裁判所長官とともに国政に当たる方針。
大統領の退陣表明を受け、タハリール広場に集まった民衆からは歓喜の声が上がり、涙を流す人の姿も多く見られた。
9月には大統領選挙が自由かつ公平な形で実施される方針となっているが、軍がどれだけ積極的に真の民主化に向けて取り組むのか、一部では懐疑的な見方も出ている。
バイデン米副大統領は、軍部の役割を念頭に、エジプトは民主主義を確立すべきと主張。移行期間は「後戻りできない」ようにすべきであり、エジプトの政変は同国および中東諸国にとって「極めて重要な」瞬間だと述べた。
キャメロン英首相は、エジプト国民にとって、国を一つにまとめることのできる政府を持つ機会を手にした貴重な瞬間だと指摘。メルケル独首相はエジプト国民の幸福を共有するとの談話を発表した。
一方、イスラエルは、ムバラク大統領の退陣により、両国間の関係が変わらないことを望むとの見解を示した。
金融市場も中東産油国における対立の可能性が後退したとの見方から、退陣表明を好意的に受け止めている。またスイス当局は、ムバラク大統領のものと思われる資産を凍結したことを明らかにした。
米原油先物3月限は一時、10週間ぶりの安値となる85.10ドルをつけた。終値は1.15ドル(1.33%)安の85.58ドル。