【放射性物質の食品健康影響を評価していた内閣府の食品安全委員会は27日、健康に影響を及ぼす被ばく線量について、食品からの被ばくで「生涯累積でおおよそ100ミリシーベルト (mSv) 以上」とする評価書をまとめ、小宮山洋子厚生労働相に答申した。】(毎日)
と、きのうのニュースでやっていたと思ったら、
今日のニュースでは、
【小宮山洋子厚生労働相は28日の閣議後会見で、食品に含まれる放射性物質の新基準をつくるにあたり、算定根拠となる年間の被曝(ひばく)許容量について「放射性セシウムは年間1ミリシーベルト (mSv) を基本に検討する」と発表した。現在のセシウムの暫定基準は年間5ミリシーベルトで、5倍の厳しさになる。】(朝日)との報道。
現在より5倍厳しくした点ばかりが強調され、これまでの基準が
欧州諸国と比べて極端に高かったことを忘れている。
5倍厳しくしたら、放射線による疾患発生の確率が(安全性)が
5倍安全になるという話ではない。
いずれにせよ、暫定基準から5倍厳しくなることは、一歩前進である。
しかし当初、子どもの「年間被曝量上限」が 【20mSv】 と言っていたことは
どうなったのか?(国民の異論続出で 【1mSv】 になったのは知っているが)
如何に危険な数値を「年間被曝量上限」にしていたか が解る。
また、これら二つのニュースを読むと、同じ事象を扱ったものかどうか、
“浅学非才”の身として、関連が良く解らない。
言葉だけを見れば、
① 放射性セシウムは年間 【1mSv】
② 生涯累積でおおよそ 【100mSv】
という話だから ② は、セシウムも含む放射能汚染全体を示すらしい。
内部被曝と外部被爆との関係についても、責任を回避し、
【外部被ばくを考慮しないことについて、会見した小泉直子委員長は「著しく外部被ばくが増大しないことを前提にした」としながらも、「外部被ばくが非常に高いケースには適用できない。しかるべき機関が策を講ずる問題だ」とした。】 (毎日)
さらに、こんなことも申し訳的に書いてある(数年後の言い訳のため?)
【100ミリシーベルト未満の健康影響については「言及することは困難」とした。また小児に関して、甲状腺がんなどのデータから「感受性が成人より高い可能性がある」とし、配慮が必要であるとの考えを示した。】 (毎日)
要するに、生涯累積で 【100mSv】 未満であっても
健康への影響がないとは言い切れない。
特にこどもの被曝に関しては、 【100mSv】 未満は、
安全が確保できるレベルと云う訳ではない。
外部被爆は、食品安全委員会の管轄外の問題。
と言って、責任回避。 早い話が逃げているのである。
食の新基準「セシウム上限1ミリシーベルト」 4月にも
(朝日新聞) - 2011年10月28日(金)11:31
<生涯被ばく>「内部100ミリシーベルト」基準に 「外部と合計」撤回--食品委答申
(毎日新聞) - 2011年10月28日(金)13:00
食品からの被曝「生涯100ミリシーベルト」安全委答申
(朝日新聞) - 2011年10月27日(木)20:32
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食の新基準「セシウム上限1ミリシーベルト」 4月にも
(朝日新聞) - 2011年10月28日(金)11:31
小宮山洋子厚生労働相は28日の閣議後会見で、食品に含まれる放射性物質の新基準をつくるにあたり、算定根拠となる年間の被曝(ひばく)許容量について「放射性セシウムは年間1ミリシーベルトを基本に検討する」と発表した。現在のセシウムの暫定基準は年間5ミリシーベルトで、5倍の厳しさになる。新基準の施行は来年4月を目指す意向も示した。
理由として、
(1)食品の国際規格を決めるコーデックス委員会が年間1ミリシーベルトを超えないよう食品の基準を設定している
(2)食品の放射性物質の検査数値が低下傾向である――などを挙げた。
年明けまでに食品ごとの基準値案をまとめ、文部科学省の審議会などに意見を聞いた上で、来年4月に施行する方針だ。ただし、施行前に流通している食品にについては、現在の暫定基準を適用する経過措置をとるとしている。
<生涯被ばく>「内部100ミリシーベルト」基準に 「外部と合計」撤回--食品委答申
(毎日新聞) - 2011年10月28日(金)13:00
放射性物質の食品健康影響を評価していた内閣府の食品安全委員会は27日、健康に影響を及ぼす被ばく線量について、食品からの被ばくで「生涯累積でおおよそ100ミリシーベルト以上」とする評価書をまとめ、小宮山洋子厚生労働相に答申した。当初は「100ミリシーベルト」を外部、内部被ばくの合計線量としていたが、「説明不足だった」と食品摂取による内部被ばくに限定した。厚労省は答申を受け、現行の暫定規制値の見直しに入り、規制値を引き下げて厳しくする見通し。
食品安全委は4月以降、広島や長崎の被爆者のがん発生率データなど約3000の文献を検討。7月に「生涯100ミリシーベルト」の評価案を公表し、広く意見を求めた。賛否が分かれたが、「修正を必要とする意見は確認できなかった」とした。
外部被ばくを考慮しないことについて、会見した小泉直子委員長は「著しく外部被ばくが増大しないことを前提にした」としながらも、「外部被ばくが非常に高いケースには適用できない。しかるべき機関が策を講ずる問題だ」とした。100ミリシーベルト未満の健康影響については「言及することは困難」とした。また小児に関して、甲状腺がんなどのデータから「感受性が成人より高い可能性がある」とし、配慮が必要であるとの考えを示した。
「生涯100ミリシーベルト」は一生を80年として単純計算すると年1・25ミリシーベルトとなり、現行暫定規制値の根拠である被ばく限度(放射性セシウムで年5ミリシーベルト)を大幅に下回る。【小島正美】
食品からの被曝「生涯100ミリシーベルト」安全委答申
(朝日新聞) - 2011年10月27日(木)20:32
食品からの被曝(ひばく)による影響を検討していた食品安全委員会は27日、「健康影響が見いだされるのは、生涯の累積でおおよそ100ミリシーベルト以上」とする評価をまとめ、小宮山洋子厚生労働相に答申した。厚生労働省は、緊急対応として使われてきた現在の暫定基準を見直し、新基準案を年明けまでにまとめる見通しだ。
「生涯累積100ミリシーベルト」(原発事故由来ではない自然放射線などを除く)は、新たな正式基準をつくる根拠になる。これまで同委員会は、食品だけでなく環境からの外部被曝も含めて100ミリシーベルトだと解説してきた。
しかし同日の記者会見でこれまでの説明を訂正。外部被曝は所管外だとして、「外部被曝がほとんどなく、汚染された食品からだけ被曝する状態」を前提にして考えた値だと解説。「内部と外部の合計ではない」と述べ、食品による内部被曝だけで100ミリシーベルトという意味だと強調した。しかし福島県など外部の放射線量が高い地域は現実にはある。外部被曝分をどう考えるのかという問題は、厚労省などに判断を委ねる意向を示した。
厚労省は、東京電力福島第一原発事故による放射性物質を含んだ食品を1年間摂取した場合の被曝線量を、全年齢平均で約0.1ミリシーベルトと推計している。このままの状態で0歳児が100歳まで生きたとしても、生涯10ミリシーベルト程度という計算になる。
従来の暫定基準は、食品からの被曝を放射性物質全体で年間17ミリシーベルトを超えないようにするという大枠から、1キロあたりの基準を算定した。放射性セシウムなら野菜や肉類で1キロあたり500ベクレル。この物差しで農水産物の出荷停止措置がとられた。国際放射線防護委員会(ICRP)の換算式によると、成人が1キロあたり500ベクレルのセシウム137を含む食品を200グラム、365日食べ続けると、内部被曝は約0.5ミリシーベルトに相当する。
小宮山厚労相は新基準について「安全性を確保する必要があり、(暫定基準よりも)厳しくなる」との見通しを示す。ただ検討作業は簡単ではない。生涯累積なので年齢によっても差が出る。子どもは大人より放射線の影響を受けやすい可能性がある、と答申は指摘した。厚労省は31日、薬事・食品衛生審議会を開き、食品安全委の答申を報告する。(小林未来)