JUNSKY blog 2015

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日本や欧州連合(EU)を含む38の在米大使館・代表部を標的 米国による諜報活動

2013-07-02 18:37:12 | 国際関係
2013年7月2日(火)

 USアメリカ(米国)による諜報活動が、日本や欧州連合(EU)を含む

38の在米大使館・代表部を標的にして通信を盗聴・傍受していたとされる

『スパイ活動事件』について、

USAのオバマ大統領は、

「どの国の情報機関も非公開情報の収集は行っている」

  半ば開き直りの姿勢をのぞかせた。】 
と云う。(時事ほか)

米の情報工作、世界に波紋
 =見えない事態収拾―オバマ政権

 (時事通信) - 2013年7月2日(火)15:00


 これに対して、EUなど欧州諸国は憤りを露わにしている。

「盗聴」許さない=EU、米の情報収集に反発
 ―同盟関係で「正当化できない」

 (時事通信) - 2013年7月1日(月)23:35
 

米盗聴問題:欧州各国は猛反発
 米「全ての情報提供」

 毎日新聞 - 2013年7月1日(月)21:33


 日本政府も国民の手前、一応遺憾の意を表したようだが弱腰。

日本大使館通信傍受「米に確認要請」…官房長官
 (読売新聞) - 2013年7月1日(月)23:04


 怒りの抗議の姿勢はなく、確認を要請するだけ。

これまでの米軍関連の事件と同様「そのような事実は無い」と米国が言えば

「はい解りました」で決着させることは目に見えている。

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 一方、情報を暴露したスノーデン氏は、ロシアへの亡命を要請したと云う

話もあるが、中々うまく進んでいないようで、

「亡命先となる国々にも圧力をかけている」と非難したそうだ。

CIA元職員、ロシアに亡命申請
 「妨害された」米国非難の声明も

 (産経新聞) - 2013年7月2日(火)13:46


【Wikileaks】 の Twitter に次々と亡命要請先が紹介されているが、

以下のとおり、亡命を受け容れる国は見つかっていないようだ。(13時現在)

【ベネズエラ・ボリビア・イタリア・フランス・ロシア・ドイツ
 ・ブラジル・インド・中国・ニカラグア・キューバ・スイス
 ・ポーランド・ノルウェイ・スペイン・アイルランド・オランダ】

   まぁ、次々と拒否されているようである。

WikiLeaks: Snowden makes expanded asylum requests
 By TOM RAUM - Updated: Jul 02, 2013 1:02 PM


  しかし、ベネズエラは、早々と亡命受入れを表明していたと思うが・・・

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米の情報工作、世界に波紋
 =見えない事態収拾―オバマ政権

 (時事通信) - 2013年7月2日(火)15:00
 

【ワシントン時事】
 米国家安全保障局(NSA)による外国公館への情報監視疑惑が、世界で大きな波紋を広げている。オバマ大統領は「同盟国が望む情報を提供する」と弁明したものの、対象国の反発は容易に収まりそうにない。元中央情報局(CIA)職員のスノーデン容疑者による新たな暴露の恐れもあり、米政権は事態収拾のシナリオを描けない状況だ。

 オバマ大統領は1日、訪問先のタンザニアで記者団に対し、NSAの疑惑を報じた一部の報道について「どのプログラムに言及しているのか、情報源も不明だ」と批判しつつ、どの国の情報機関も非公開情報の収集は行っていると半ば開き直りの姿勢をのぞかせた。

 欧州メディアの報道によれば、NSAなどは日本や欧州連合(EU)を含む38の在米大使館・代表部の通信を盗聴・傍受していたとされる。

 オバマ政権はこれまで、スノーデン容疑者が暴露したNSAによる米国民の情報監視について「米国と同盟国を地球規模でテロの脅威から守ってきた」(アレグザンダーNSA局長)などと正当化。しかしこの説明が同盟国に対する情報工作とはつじつまが合わないのは明白だ。



「盗聴」許さない=EU、米の情報収集に反発
 ―同盟関係で「正当化できない」

 (時事通信) - 2013年7月1日(月)23:35
 

【ブリュッセル時事】
 米国家安全保障局(NSA)が欧州連合(EU)の施設に盗聴器を仕掛け情報を収集していた疑惑をめぐり、EU諸国から1日、対米批判が一斉に上がった。フランスのオランド大統領は「直ちに(盗聴を)やめるよう求める」と警告。ドイツ政府も「もう冷戦(の時代)ではない」と批判し、同盟関係にある欧州諸国に対する米国のスパイ行為は正当化できないと厳しい認識を示している。

 仏メディアによると、オランド大統領は遊説先の仏北西部ロリアンで、テロ対策のために情報収集が必要なことは理解するとしつつも、「われわれの大使館やEUに(テロリストの)危険が潜んでいるとは思わない」と指摘。「パートナー国や同盟国の間で、このような行為は受け入れられない」と不快感をあらわにした。

 さらに、8日からワシントンで初会合が開かれる米国とEUの自由貿易協定(FTA)締結交渉をめぐり、米国がEU諸国などの情報収集をしないという保証が得られない限り「交渉も取引もあり得ない」と強調した。

 一方、ロイター通信によれば、メルケル独首相の報道官は、米国のスパイ行為が確認されれば「盗聴する友人は受け入れられないとはっきり言う」と警告した。 



日本大使館通信傍受「米に確認要請」…官房長官
 (読売新聞) - 2013年7月1日(月)23:04

 菅官房長官は1日の記者会見で、米国家安全保障局(NSA)が在米日本大使館を通信傍受の対象としていたとの英紙報道を受け、「米政府に対し、私たちが及ばないところについては要請している」と述べ、米国政府に事実関係の確認を求めたことを明らかにした。

 菅氏は「大使館内も含め、やるべきことはすべてやっている。世界どこでも、常にそうしたものは注意するのは常識だ」とも語り、これまで他国による通信傍受への警戒に万全を期してきたと強調した。 



CIA元職員、ロシアに亡命申請
 「妨害された」米国非難の声明も

 (産経新聞) - 2013年7月2日(火)13:46
 

【モスクワ=佐々木正明】
 ロシア外務省当局者は、米国家安全保障局(NSA)による情報収集活動を暴露して訴追された米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者(30)が6月30日夜、ロシアに亡命申請したことを明らかにした。インタファクス通信が1日伝えた。

 スノーデン容疑者は2日未明(日本時間同日朝)までに、内部告発サイト「ウィキリークス」を通じて声明を出し、オバマ米政権の圧力により「政治亡命を求める権利」という基本的な人権も行使できなくなっていると米政府を非難した。

 声明は、米国が過去何十年にもわたり人々の亡命の権利を擁護してきた国だったとしたうえで、「その権利は現政権によって否定されている」と厳しく批判。亡命先となる国々にも圧力をかけていると指摘した。

 同容疑者は6月23日に香港からモスクワに到着したが、米国が容疑者の旅券を失効させたため、第三国に出発できず、モスクワの国際空港の乗り継ぎ区域から動けないでいる。同容疑者はエクアドルへの亡命の意向を示していたが、同国は受け入れの姿勢を後退させていた。

 インタファクス通信によると、同容疑者を支援するため付き添っている内部告発サイト「ウィキリークス」の英国人女性弁護士が空港の外務省出先を訪れ、同容疑者がロシアへの政治亡命を求める請願書を提出したという。

 露大統領府は1日夜(日本時間2日未明)現在、正式なコメントを出していないが、大統領府直属の人権委員会や野党からは、容疑者の亡命を認めるべきとの声明が相次いで出されている。

 プーチン大統領は1日、「スノーデン(容疑者)がロシアに残りたいのなら、条件が1つある」とした上で、「彼はわれわれのパートナーである米国に損害を与えるような活動をやめなければならない」と亡命受け入れを示唆する発言をしていた。 



米盗聴問題:欧州各国は猛反発
 米「全ての情報提供」

 毎日新聞 - 2013年7月1日(月)21:33
 

【ブリュッセル斎藤義彦、ワシントン及川正也、ローマ福島良典、鈴木美穂】
 米国家安全保障局(NSA)が米国内の日本や欧州連合(EU)など38の大使館・国連代表部の通信を傍受していたと英紙が30日報道した。日本政府が米側に確認を求める一方、欧州各国は猛反発し、オランド仏大統領は1日、傍受の即時停止を要求。ドイツ検察は訴追も視野に調査を始めた。

 オバマ米大統領は1日、説明を求める欧州側に対し「全ての情報」を提供すると明言。ケリー米国務長官は、他国情報の収集は「珍しいことではない」と述べ、国家安全保障上必要だとの認識を示した。

 英ガーディアン紙によると、傍受は日本、EUのほか韓国、インド、メキシコ、トルコ、フランス、イタリアや中東諸国などの在ワシントンの大使館やニューヨークの国連代表部が標的。NSAの広範な個人情報収集活動を暴露して訴追された元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者(30)が提供した資料で判明した。

 オランド仏大統領は1日、「友好国や同盟国に対するこうした行為は許せない」と傍受を厳しく非難。独政府報道官は、報道が事実なら「全く容認できない」と述べた。独連邦検察庁は事実関係の調査に乗り出した。ドイツ刑法では「秘密情報機関の活動」を禁止。「国益阻害」で有罪が確定すれば最高刑は禁錮10年だ。

 独仏両国政府は米国大使を呼び、傍受報道について事情を聴いた。EUは1日、本部があるブリュッセルの関連施設に盗聴装置などが設置されていないか調査を命じたという。

 EUの内閣・欧州委員会は1日、アシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)がケリー米国務長官に連絡を取り、釈明を求めたことを明らかにした。

 イタリアのナポリターノ大統領は1日、盗聴について「満足のいく回答が得られなければならない」と述べ米政府に説明を求めた。潘基文(バン・キムン)国連事務総長は1日、「外交活動の不可侵は国際条約で保護されている」と発言。他国の外交機密は尊重すべきだとの認識を示した。

 ◇日本、過去にも被害

 外交施設がNSAの傍受対象だと初めて判明した日本では、菅義偉(すが・よしひで)官房長官が1日の記者会見で、「大使館内を含め、やるべきことはやっている」と述べ、対策を講じていることを明らかにした。

 日本政府関係者によると、在外公館には「秘話装置付きの電話や盗聴ができない部屋」を設置。別の外交関係者によると、携帯電話が遠隔操作で盗聴に使われないよう会議室に持ち込まないなどの作業を励行し「神経を使っている」という。過去の重要交渉では、控室やホテルの部屋では盗聴を前提に筆談したり、スーツケースに偽の交渉方針資料などを入れた事例も。「北朝鮮との交渉では実際に講じられた」(在外公館関係者)という。

 ただ、1990年代には日米自動車交渉の際、米側が日本政府団の会話を盗聴したと報じられており、日本側の対抗策に実効性があるかははっきりしない。各国とも極秘に行っている情報活動だけに、米国の同盟国である日本にとっては、「慎重な対応が必要」(日米外交筋)だという。  




WikiLeaks: Snowden makes expanded asylum requests
 By TOM RAUM - Updated: Jul 02, 2013 1:02 PM
 

 The WikiLeaks statement said requests were made to China, Cuba, Nicaragua, Venezuela, India and several European countries. Snowden had planned earlier to seek asylum in Ecuador and has requested asylum in Russia.




【関連記事】 (リンクのみ)

在米大使館の通信傍受、日本などにも事情説明へ
(読売新聞) - 2013年7月2日(火)13:39


米、日本大使館も盗聴 38の大使館、公館を対象に
 英ガーディアン紙報道

 (産経新聞) - 2013年7月1日(月)11:32



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友好国にも同盟国にもスパイ活動や盗聴 EU・日本も標的 米国CIA

2013-07-01 18:30:58 | 国際関係
2013年7月1日(月)

 元中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン氏を取材した

ドイツのシュピーゲル紙によると、CIA や NSA(米国家安全保障局) による

情報監視・盗聴などのスパイ行為は、中国などだけではなく、日本やEU諸国

など 同盟国・友好国までターゲットにして行われていたらしい。

 時事通信によると、その対象は今判明している範囲で

【EU諸国のほか、同盟国の日本や韓国、メキシコ、トルコ、インドも

盗聴・情報監視の対象となっていた。】 とのこと。

日本大使館も「標的」に=米当局が盗聴・傍受
 ―スノーデン容疑者、文書暴露・英紙

 (時事通信) - 2013年7月1日(月)09:53


情報収集、EUも「標的」
 =米当局、施設に盗聴器―独誌

 (時事通信) - 2013年6月30日(日)07:10


 そのやり口も電話やメールやSNSの盗聴だけではなく、

【NSAはワシントンのEU代表部に盗聴器を取り付け、コンピューターネットワークにも侵入、電子メールや内部文書にアクセスできる状態になっていた。ニューヨークにある国連本部のEU代表部とブリュッセルのEU本部でも盗聴していたという。】 大掛かりなもの。

 
 スノーデン氏は、香港からロシア経由で第3国に出国するつもりだった

ようだが、米国の強硬な圧力により、空港で足止めとなっているようだ。

 

 命懸けの内部告発をしたスノーデンさんを精神的には応援したい。

しかし、マスメディアの取り上げ方(特に日本の)が、「容疑者」扱いなのが

気になる処である。 完全に米国政府に歩調を合わせているように見える。


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日本大使館も「標的」に=米当局が盗聴・傍受
 ―スノーデン容疑者、文書暴露・英紙

 (時事通信) - 2013年7月1日(月)09:53
 

 米国家安全保障局(NSA)による情報監視問題で、英紙ガーディアン(電子版)は30日、元中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者(30)が暴露したNSA内部文書に基づき、米情報機関が日本を含む38の在米大使館・代表部の通信を盗聴・傍受していたと報じた。

 米情報機関の情報監視問題をめぐっては、欧州連合(EU)が標的になっていたと報じられ、EU諸国が米国に説明を求めるなど、反発が強まっている。同紙が伝えた2010年9月の秘密文書によれば、EU諸国のほか、同盟国の日本や韓国、メキシコ、トルコ、インドも盗聴・情報監視の対象となっていた。

 また、07年の文書は「ドロップマイアー」の暗号名で呼んでいた盗聴・情報収集の手法を説明している。通信機器に盗聴器を埋め込んだり、特別なアンテナを使って通信情報を収集したりなど、具体的手法が記載されていた。  



情報収集、EUも「標的」
 =米当局、施設に盗聴器―独誌

 (時事通信) - 2013年6月30日(日)07:10
 

【ベルリンAFP=時事】
 米国家安全保障局(NSA)による情報監視問題で、ドイツ誌シュピーゲル(電子版)は29日、NSAが欧州連合(EU)も「標的」にし、複数の施設に盗聴器を仕掛けていたと報じた。

 同誌は、NSAの活動を暴露して訴追された元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者(30)が持っていた文書の内容として報道した。文書は2010年9月付の「極秘」資料。それによると、NSAはワシントンのEU代表部に盗聴器を取り付け、コンピューターネットワークにも侵入、電子メールや内部文書にアクセスできる状態になっていた。ニューヨークにある国連本部のEU代表部とブリュッセルのEU本部でも盗聴していたという。 



米NSA、EUにもスパイ活動=独誌が報道
 WSJ - 2013年 7月 01日(月) 09:40


独誌「米当局、EU代表部に盗聴器」
 産経新聞 - 2013年7月1日(月)08:34
 

米盗聴問題:同盟国との関係悪化も 対応難しく
 毎日新聞 - 2013年7月1日(月)12:39
 

米、日本大使館など盗聴 英紙報道
 日経新聞 - 2013/7/1 9:50
 

アサンジ容疑者、スノーデン氏を「英雄」と称賛
 日経新聞 - 2013/7/1 10:11
 

大使館盗聴報道、米に事実関係照会へ 官房長官
 日経新聞 - 2013/7/1 11:59
 

英国・ガーディアン
 Edward Snowden 特設サイト
(英語)
 

EU demands clarification over US spying claims
 (EUは、米国によるスパイ活動について明確にするよう要求)

 guardian.co.uk, Sunday 30 June 2013 13.06 BST
 

Attacks from America: NSA Spied on European Union Offices
 SPIEGEL
(Germany) - June 29, 2013 – 11:21 PM

 America's NSA intelligence service allegedly targeted the European Union with its spying activities. According to SPIEGEL information, the US placed bugs in the EU representation in Washington and infiltrated its computer network. Cyber attacks were also perpetrated against Brussels in New York and Washington. (Headline only) 

 

 


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「憲法9条」と自衛隊 矛盾をどう解決すべきなのか (産経新聞:7/1)

2013-07-01 08:47:40 | 憲法
2013年7月1日(月)

 Web記事のタイトルを見て

「どうせ産経新聞だから一方的な『国防論』を書いているのだろう」

とは思いながらも、どう言う論建てかを見てみたくてクリックしてみたら、

何と自民党と日本共産党の『論客』に対するインタビュー記事でした。

「どうせ産経新聞だから」と云う先入観を持ってしまって御免なさい m(_ _)m。

 一応、記事の順番通り、自民党へのインタビューから順に

そのまま引用します。

 後半が、日本共産党・小池晃副委員長へのインタビューです。

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「憲法9条」と自衛隊 矛盾をどう解決すべきなのか
 (産経新聞) - 2013年7月1日(月)09:00

 日本国憲法の改正論議で数十年にわたり、最大の論点であり続けてきたのが9条と自衛隊の問題だ。憲法に照らして自衛隊は合憲なのか、9条と自衛隊の矛盾をどう解決すべきなのか。自民党参院議員で防衛政務官の佐藤正久氏と、元参院議員で共産党副委員長の小池晃氏に見解を聞いた。(溝上健良)

 ■佐藤正久氏「前文も含め改正すべきだ」

 --9条に照らして自衛隊は合憲か

 「私は合憲の立場だ。国連憲章に基づいて主権国家として日本は自衛権を持っているわけで、その行使の手段として自衛隊があるといえる。ただ自衛隊は警察予備隊が原点であり、憲法上は警察の非常に大きなものが自衛権を行使するような形になっていて、位置づけがあいまいなのが問題だ」

 --9条改正の是非について

 「自民党の憲法草案にあるように、前文も含めて改正すべきだ。基本的な考えとして『日本は侵略戦争はしません』と明確にした上で、自衛権を保持しており、国防軍を持つことを明記する。国防軍の役割についても憲法にきちんと書いておけば『改憲したら海外で戦争を仕掛けることになる』といった懸念も払拭されるだろう」

 --前文の改正も必要とのことだが

 「前文では日本以外はいい国で日本は悪い国という前提で『諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持』することになっている。今の憲法には自分の国や故郷、家族を守る義務と責任が書かれておらず、そのことは前文、そして9条、権利義務の章に盛り込むべきだ。今の憲法はあまりに権利と義務のバランスが悪く、新憲法できちんと整理する必要がある」

 --イラク派遣の際、憲法9条の限界を感じて苦労したことは

 「集団的自衛権は認められないという解釈がされているため、多国籍軍の一員として参加していながら他国の指揮は受けないとか、仮に他国の軍隊が襲われても助けに行けないといった問題があった。また他国の軍隊と違って武器使用にも厳しい制限があって、例えばもし駐屯地の外にいる民間の日本人が襲われたとしても助けに行けないという悩みもあった」

 --自民党が自衛隊を「国防軍」にする憲法草案を発表して、現役隊員の反応はどうか

 「自衛隊のままでいいという隊員もいるが、特に海外勤務経験のある隊員やOBからは軍としてきちんと位置づけてほしいとの声が多い。そもそもあれだけ大きな組織が憲法で明記されていないこと自体が問題だ。(自衛隊の英語名)セルフ・ディフェンス・フォースでは“自警団”といった意味合いがあり、それでは誇りが持てない」

 --国防軍というと「復古的だ」と言い出す人が必ず存在する

 「世界のほとんどの国は国防軍を持っているのが現実だ。どうも日本人は新しく物事を変えるときに雰囲気で論じがちな気がする。例えば防衛庁を防衛省にするときも猛反対があったが、今は当たり前になっていて、一体何が問題だったのかと思わされる。国防軍になっても今とそれほど実態が異なるわけではない。ただ法的にグレーだった部分がかなりクリアになるはずだ」

     ****************

 ■小池晃氏「必ずしも常備軍いらない」

 --9条に照らして自衛隊は合憲か

 「憲法は『陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない』としており、自衛隊は9条2項に明白に違反する戦力、つまり軍隊そのものだ。私たちは対米従属の根源である日米安保条約を廃棄するとともに、自衛隊については、当面軍縮の措置をとり、国民の合意で9条を完全実施する、すなわち自衛隊の解消を目指すことを党綱領にうたっている。アジアの政治・軍事情勢が変わっていくことと『自衛隊をなくして大丈夫』という国民の合意が得られることが前提となる」

 --将来は廃止するとして、当面は自衛隊が必要だということか

 「解消に取り組む過渡的な時期はあるわけで、その間に外国から急迫不正の侵害があれば、必要なあらゆる手段をとって排除することは当然だ」

 --国の自衛権についてどう考える

 「国家には当然、自衛権があるが、必ずしも常備軍が必要だとは考えていない。侵略などがあったときに主権を守っていくのは国家に固有の権利だ。昭和21年の憲法制定議会では吉田茂首相から自衛権を否定するかのような答弁もあったが、それは違うという主張を当時も共産党はしてきた。党としては憲法の中に侵略戦争の禁止を明記することを求めたのであって、国に自衛権があるという見解は当時から現在まで一貫している。ただ、その自衛権も常備軍によらずに行使していこうというのが9条の規定だといえる」

 --常備軍によらない自衛権とはどういうことか、イメージしにくいが

 「中国や北朝鮮の現状をみればすぐに実現は難しいが、他国との争いは軍隊によらず外交交渉で解決する、というのが9条の精神だろう。よく9条を守るというと『平和ボケ』などといわれるが、むしろ外交上の問題が浮上するとすぐ軍事対応だ、となることはよほど『軍事ボケ』ではないか」

 --9条改正の是非について

 「断固として9条を変えてはいけない。海外派兵を可能にし、米国と一緒に武力行使できるようにすることが自民党による9条改正の目的であり、自衛の問題ではなくなっている」

 --昭和21年6月に共産党が発表した「日本人民共和国憲法」草案は今、どのような扱いになっているのか

 「当時、新しい国を白紙からつくろうと議論したもので、すでに時代的役割を終えた歴史的文書だ。前文も含め現行憲法の完全実施を目指すというのが、現在の私たちの立場だ」

 --共産党は「憲法改悪反対」を掲げているが、改正なら賛成なのか

 「各政党・団体の憲法案はまぎれもない改悪案ばかり。今、現実政治の憲法からの乖離(かいり)が問題で、憲法を守り生かしていくことこそが必要。共産党は護憲政党だと考えてもらっていい」

 【プロフィル】佐藤正久(さとう・まさひさ) 昭和35年、福島県生まれ。52歳。防衛大学校卒、米陸軍指揮幕僚大学卒。陸上自衛隊で最終階級は1等陸佐。平成19年に退官し、同年から参院議員。近著に「ヒゲの隊長 絆の道」。

 【プロフィル】小池晃(こいけ・あきら) 昭和35年、東京都生まれ。53歳。東北大医学部卒。病院勤務医を経て、平成10年から共産党参院議員を2期務める。今年2月から党副委員長。著書に「どうする日本の年金」など。 



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