じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

大阪桐蔭 天理

2019-11-04 16:20:05 | 高校野球
✳️投手力
大阪桐蔭:藤江投手先発し6回7失点。ベース付近から縦に鋭く落ちるスライダー投げてましたがこれにことごとく対応されたことで、その後のピッチングが苦しくなって見えました。7回は関戸投手が投げてホームランによる1失点。この日もストレートの威力、伸びは感じましたが打たれたのはそれが抜けてしまったがために見えました。8回は竹中投手が投げて無失点も危なっかしい内容。変化球の切れには見るべきものがありますが今後はストレートの強さだけでなく伸び、切れも感じられるよう、指先まで使って投げられるようになることが課題かと思われます。追い上げた後の9回は長身左腕松浦投手が投げるも4失点でイニング投げきれず。他の二人の1年生投手のように決め手になるようなものがあるわけではなく粘りで勝負のタイプの投手に見え先発向きに見えるだけに、リリーフでの登板で結果を出すのは難しかったように見えました。最後は申原投手が一球で仕留める。
天理:1年生の長身細身の本格派右腕達投手が先発し8回途中2失点。ストレートはかなりの球速、切れがあり変化球もスライダーに抜き球を腕をしっかり振って投げられ緩急が有効に使えてました。ストレートに強さも出てくれば、エースを脅かす存在の下級生になれると思われます。8回途中からエース右腕庭野投手がリリーフし2失点も自責点は0。リリーフにはあまり慣れていないのか、この日は苦しい投球になるも最後は踏ん張り、さすがはエースの投球だったと思います。

✳️打力
大阪桐蔭:劣勢、大敗の展開のなか、終盤追いあげ4得点。なんとかかんとか終盤、相手投手陣を攻略出来たことは良かったと思います。少なくとも、私は攻略したと思っています。
天理:相手投手のベース付近から縦に鋭く曲がり落ちるスライダーをしっかり引き付けてバシャンと弾き返す各打者のバッティングが光りました。各選手の素振りなど日々の練習を感じるこうしたバッティングが、相手バッテリーから主なる選択肢をひとつ奪って見えた事が、大量点につながったかと思われます。

✳️大阪桐蔭
バッテリーの組み立てでだいぶやられた試合に見えました。ひとつ投げる球を消されたときにいかにバッテリーで踏ん張るか。捕手はいかに打者の頭にない球を要求するか。投手はいかにそれに応えるか。この日の相手のように、3点以内で抑えることが困難な相手に、点は捕られどゲームは捕られず踏ん張れるか。といった課題が残ったかと思われます。一方で劣勢のなか、ただでは転ばなかったのは収穫。最後大敗は攻めの投手起用の結果ですから仕方ないと思います。歴代でも屈指の得点力を見せつけるも、明治神宮には進めず秋を終える。ですが私はこのチームはここまでが出来すぎ、先を考えれば、秋をここで終えたことは、負けた選手たちは悔しいでしょうが、これで良かったような気もします。ひと冬越してさらに強くなった大阪桐蔭の姿を観たいと思います。現状でも、得点力を武器に、センバツで優勝候補に挙げられるだけの力はあると思います。今期の大阪桐蔭は打線で旗を狙いにいくチーム。こういうチームカラーで大事になってくるのは、くどいようですが、バッテリーがいかに点は捕られどゲームは捕られず踏ん張るか。だと思います。

✳️天理
このチームの最大の武器は堅守かと先日感じましたが、加えてこの日は打線の力強さにも見るべきものがありました。近畿大会で全試合5点以上奪った得点力は本物かと思われます。本塁打3本というこの日の華々しさよりも、しぶとい打線という印象をもちました。達投手がこの日の投球を安定して出来るようなら、庭野投手との二枚看板が形成され、押しも押されぬ優勝候補として堂々とセンバツに乗り込めるかと思われますし、明治神宮でも近畿に1枠もたらしてくれることも、多いに期待できるかと思われますし、気の早い話ですが、夏の智辯学園との争いにおいて投手の駒という点でどうだろうと思われた側面も、杞憂に終わることかと思われます。