じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

再)第94回センバツ高校野球展望

2022-03-18 20:11:53 | 高校野球
※本命:大阪桐蔭(大阪) 九州国際大付(福岡)
明治神宮覇者の大阪桐蔭は秋の公式戦全試合で5点以上奪ってきた。その得点力をセンバツでも発揮できるか。注目の1年生左腕前田投手を上級生や他の投手が援護できるかが、5年ぶりのセンバツ制覇の鍵となってくる。同大会ベスト4の九州国際大付の打線も左の1年生スラッガー佐倉選手を中心に力強い。大阪桐蔭戦で先発した野田捕手が投手として本格稼働出来るようなら、技巧派左腕エース香西投手との2枚で連戦対応も可能になり、バックの守備も堅いだけに大阪桐蔭を上回る戦力になる可能性を秘める。

※対抗:天理(奈良) 広陵(広島) 明秀日立(茨城)
近畿大会ベスト4の天理も打線が力強い。控えにも福土選手など力のある打者が揃う。サイド右腕のエース南澤投手以外の投手陣の働きが鍵。明治神宮大会準優勝の広陵と同校に同大会で惜敗の明秀日立もスケール感溢れる打線を誇る。広陵の1年生真鍋選手もまた、注目の左のスラッガーである。広陵は本格派右腕森山投手を軸とした継投がはまれば、明秀日立は本格派右腕猪俣投手の安定度が増せば、頂点も狙えるかと思われる。

※ダークホース:國學院久我山(東京) 星稜(石川)近江(滋賀)
東京を制した國學院久我山はエース左腕渡邉投手とリードオフマン齋藤選手を中心に派手さはないが投打のバランスという点では本命2校にひけをとらないものがある。全国クラスの力強さに押されず戦えるかが鍵。星稜は秋の時点の力は出場校の中でも下から数えた方が早いのかもしれないが分厚い筋肉を身にまとう選手が多く見るからに各打者振りが力強くスケール感がある。彼らが得点感覚を身につけることが出来、球速を感じる直球を投げ込む本格派右腕マーカード投手のそれが球筋等も感じられるようになっていれば、一冬超えてチームが大化けしてる可能性も期待出来るかと思われる。急遽センバツ出場となった近江だが秋は怪我で野手専任だった旧チームからの主戦格山田投手がエースとして機能出来るとなると優勝戦線に絡む可能性も考えられる。打線は力があるだけに山田投手以外の出来が鍵となりそうだ。

※投手力を軸に上位狙う
関東、近畿には好投手が多い。関東大会準Vの山梨学院大付(山梨)のエース右腕榎谷投手の球威、同大会ベスト4の浦和学院(埼玉)のエース左腕宮城投手の球のキレはいずれも全国クラスで共に制球も良い。東京大会準Vの二松学舎大付(東京)のエース左腕布施投手の力量も高く久々東京から2校選出の原動力となった。いずれの学校も堅守を誇りどこが相手でもそうは大量点を許さぬチーム力を誇る。近畿大会ベスト8の東洋大姫路(兵庫)のエース右腕森投手の制球力は高くバックの守りも堅実。大阪桐蔭に最後まで喰らいついた事などが評価され、県3位ながら監督勇退の年に見事神宮枠でのセンバツ切符をゲットした。これまた同大会ベスト8の市立和歌山(和歌山)は昨年の小園投手に続き今年も注目の本格派右腕を擁しセンバツに乗り込む。MAX148キロのエース米田投手にいい意味での粗さも出て来れば、先代エースに負けず劣らずの投球が出来るかと思われる。同大会ベスト4の金光大阪(大阪)は右腕エース古川投手ー岸本捕手のバッテリーが中心。近畿大会では湿り気味だった打線次第では全国大会初勝利も十分期待できる。好投手は他地区にも 四国大会準Vの鳴門(徳島)も左腕エース冨田投手と土居捕手のバッテリーが中心。バックの守備が浮沈の鍵になりそう。好投手はさらに北や南にも。北海道を制したクラーク国際(北海道)は右腕辻田投手から左腕エース山中投手への継投で勝ち進む試合が目立った。特に山中投手の球の強さと制球には見るべきものがある。九州大会準Vの大島(鹿児島)の左腕エース大野投手も上質なストレートをコーナーに投げ込む。両校ともバックの攻守に渡る援護が鍵になりそうだ。

※得点力で上位狙う
北信越大会を制した敦賀気比(福井)明治神宮大会で大阪桐蔭を打力で手こずらせた。四国大会を制した高知(高知)は阪神にドラフト1位指名された森木投手が抜けた穴を打力と継投で埋めてみせた。大垣日大(岐阜)も各打者の振りが鋭く東海大会でベスト4止まりながら逆転で2枠の一般枠に割って入り見事センバツ切符をゲットした。近畿大会準Vの和歌山東(和歌山)と21世紀枠の大分舞鶴(大分)は個々の打力は特別なものでないながらそれを創意工夫で補い初の甲子園を手繰り寄せた。大分舞鶴は戦える21世紀枠であるかと思われる。

※堅守で上位狙う
明治神宮大会ベスト4の花巻東(岩手)は今大会屈指の左の1年生スラッガー佐々木選手へいかにつなげていくかだが怪我の回復具合が気になるところ。明治神宮大会の特に初戦で堅守が光った。東海大会を制した日大三島(静岡)も明治神宮大会で強打の九州国際大付相手に惜敗も堅守で投手を支え2失点に抑えた。関東大会ベスト4の木更津総合(千葉)は中西捕手のインサイドワークがバックの堅守を呼び込み前年覇者の東海大相模との戦いを制しセンバツ切符をゲットした。これらのチームはセンバツでもきびきびした動きで好ゲームを演出してくれるはずである。

※名門 常連 新鋭等々
中国大会準Vの広島商(広島)は名門復活を目指す。同大会ベスト4の倉敷工(岡山)は明徳義塾とのラスト1枠を地域性も味方につけ見事ゲット。エース右腕高山投手を打線がいかに援護するかかと思われる。東北大会準Vの聖光学院(福島)は昨夏久方ぶりに甲子園を逃した悔しさを晴らすべくセンバツに乗り込む。九州大会ベスト4の長崎日大(長崎)もセンバツに向け虎視眈々。同じくベスト4の有田工(佐賀)はセンバツ初出場。夏の初出場の際は見事1勝をあげた。センバツでもその再現を誓う。21世紀枠で選ばれた只見(福島)丹生(福井)はセンバツに爽やかな風を送り込んでくれることであろう。

今大会は高校入学以来ずっとコロナ禍の中での部活動を強いられた世代による大会。地区大会や明治神宮大会観る限りその影響も感じられるが、それに何するものぞと励んできた彼らの勇姿を見るのが、今から楽しみでなりません。