徒然草第148段 四十以後の人、
原文
四十以後の人、身に灸を加へて、三里を焼かざれば、上気の事あり。必ず灸すべし。
現代語訳
四十以後の人は、身体に灸をすえ、三里を焼かないと、のぼせ上がることがある。必ず灸をするべきだ。
鍼灸の効果 脳梗塞リハビリセンター
東洋医学では病気を体全体のバランスが崩れていることから症状が生まれ、そのバランスを自然治癒力により戻すことができれば病気が治る、という考え方をしています。 基本的な考え方として「気・血・水」のバランスが保たれている状態が健康状態であり、気・血・水のバランスの崩れ方によって治療法が定められており、鍼灸では2000以上のツボを症状に応じて使い分けるのです。
「気」体内を流れるエネルギーのことで、元気や気力の『気』という意味をもちます。「血」文字通り血液のこと。血液が循環して全身に栄養を運び、潤いを与えます。「水」血液以外の体内にあるリンパ液やその他の水分のこと。消化や排泄に影響するほか、臓器をスムーズに働かせる潤滑油のような作用もあります。
民間療法的に定着していった鍼灸治療ですが、ここ数十年の間に鍼灸治療も含めた伝統的な医学は世界に普及し、現在では世界中で研究と実践が進められている普遍的な存在へと変貌を遂げています。
1979年にはWHOは鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表し、2001年には大学病院での医学部教育課程に東洋医学が取り入れられるようになるなど、もはや民間療法ではない正式な医療としての役割の重要性は日に日に高まっています。
そのような背景には、ストレス、さまざまなアレルギー、慢性疲労など不定愁訴と言われる現代社会特有の疾患が増えてきており、それらに対して西洋医学の手法は必ずしも万全の効果をもたらしているとは言いがたいことがあります。
西洋医学が、病気の原因である細菌やウィルスの根絶や患部を回復させることに主眼を置いている一方、東洋医学は「身体の免疫力を高める」ことを主眼にしています。西洋医学よりも副作用が少なく、また原因がはっきりしない症状や慢性的な症状に効果があることが明らかになり、東洋医学を治療に取り入れる医療機関も年々増えています。
2008年にはWHOによって、ツボの名称や経穴の位置が統一され、ますます鍼灸治療は世界標準として必要不可欠なグローバル医療としての地位を確立しつつあります。