醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより   1331号   白井一道

2020-02-17 10:53:30 | 随筆・小説



   徒然草第156段 大臣の大饗は



原文
  大臣の大饗(だいきやう)は、さるべき所を申し請けて行ふ、常の事なり。宇治左大臣殿(うぢのさだいじんどの)は、東三条殿(とうさんでうどの)にて行はる。内裏にてありけるを、申されけるによりて、他所へ行幸ありけり。させる事の寄せなけれども、女院の御所など借り申す、故実(こしつ)なりとぞ。

現代語訳
 大臣披露のための宴会は誰でもが納得する最もふさわしいところに設定し、行うことが常のことである。宇治左大臣殿(うぢのさだいじんどの)、藤原頼長は、摂関家の儀式がとりおこなわれる東三条殿で大臣披露宴は行われた。皇居であることが分かりながらそこで行われたことにより他所へ天皇は行かれた。このようなことが行われなければ、女院の御所などを借り受けることが昔の例にあることだ。

 総理大臣主催「桜を見る会」について
 「桜を見る会」問題の本質は、公費によって功労・功績者を慰労する目的で行われる会が、「安倍首相による地元有権者の歓待行事」と化し、後援会関係の招待者が膨れ上がって開催経費が予算を超えて膨張しても、安倍後援会関係者が傍若無人に大型バスで会場に乗り込んできても、何も物を言えず、黙認するしかないという、政府職員の「忖度」と「無力化」の構図である」。
このように郷原信郎弁護士はブログで述べている。