沖波止の赤灯台を回ると、ウネリで船が上下動し始めた。
「ウネリがあるな…」
裸バエを過ぎると。そのウネリが一段と高くなってきた。
「ポイントまで行けるかな…」
前方には、先に港を出た仲間の船影が見える。
高いウネリを正面から受けると、船が波を叩く事になる。
斜めにジグザグに、波を避けるように船を進める。
それでも、波飛沫がキャビンを越える事もある。
どうにか、ポイントの近くまで来た。
直ぐに、仲間に連絡する。
「沖合に行くのは無理です」
行く予定のポイントは、諦めることにした。
北東の風が強く吹き寄せ、白波も立っている。
「風とウネリに阻まれてしまいましたね」
私たちも、本来のポイントではないが、ベイト反応のあるところで竿を出す。
仲間からの電話連絡を受けている間に、東原さんにアタリが来ていた。
ガンゾウヒラメが上がっていた。
田代さんにも、アタリが来た。
高いウネリの中、揺れに気を付けながら釣りをしている。
田代さんのアタリは、外道のエソでチョット残念。
少し波と風が治まり掛けたようにも感じるが、白波はあちこちに見えている。
又しても、東原さんにアタリが来た。
オオモンハタとチダイが、続けてヒットしてきた。
しかし、このアタリから、北東の風が一段と強く吹き始めた。
ウネリも、2メートルを超すような感じになってきた。
「この風とウネリでは、釣りを続けるのは危ないですね」
「今日は、諦めて帰りますか」
内場に入る事も考えたが、掛かり釣りの船が10数隻入っていると連絡を受けていた。
「また、出直しましょう」
安全第一で、午前10時頃には港に帰った。