「おはよう御座います」
早朝の船着き場で、思わぬ人物が来てくれて、嬉しい驚きがあった。
その人物は、仲衛さん。
彼が高校生の頃から知っていて、バレーボールも一緒に頑張ってきた。
「今日は、楽しい一日になる気がする」
作本(弘)さん、作本(則)さんとの、楽しい三人組で船着き場を出た。
昨日のウネリが残っていないか、心配しながら沖に向けて船を走らせる。
休日の海は、船の数も多い。
船が居ないポイントから、攻めていく。
潮は下り潮が、0.8ノット前後で流れている。
上潮よりも下潮の流れが、やや早いような気がする。
昨日は、下潮が動いていなかったが、今日は、少しは動いているようだ。
作本(弘)さんにアタリが来た。
竿先を叩く、真鯛のアタリ。
「良い型やない」
仲衛さん、作本(則)さんから声が掛かる。
「楽しみますね」
真鯛の引きを楽しみながら、ゆっくりと巻き上げていく。
上がってきたのは、2キロクラスの綺麗な真鯛。
良型の真鯛を手に、笑顔が朝日に映える。
「何かが触るけど…」
仲衛さん、作本(則)さん達も頑張っている。
仲衛さんの針には、真鯛と思われる魚の鱗が2枚掛かっていた。
「傍に、真鯛が居たはず…」
ちょっと口惜しそう。
気分を変えるために、ポイントを移動する。
移動したポイントは、潮の流れが0.9ノット前後。
仕掛けをやや重くする。
ベイト反応も、良い感じで出ている。
ベイト柱が、何本も出てきた時、作本(弘)さん、作本(則)さんに強いアタリが来た。
どちらも重量感のある、良い引きを見せている。
「さっきよりも良い真鯛かも」と、作本(弘)さん。
「ラインが出ていく」と、大物を予感させる作本(則)さん。
先に上がってきたのは、作本(弘)さん。
3キロ近い、良型真鯛だ。
神経締めも、上手く入った。
真鯛の体色が、綺麗なピンクに変わっていく。
粘って、ラインの出を調整しながら、我慢している作本(則)さんだったが…。
巻き上げ途中の強烈な走りに、リーダーが切られた。
「あっ…、切られた…」
仲衛さんにも、アタリが来た。
「タチウオです」
指4本近くのタチウオが、銀白色に輝いている。
しかし、アタリが出てきている時なのに、北東の風が強くなってきた。
白波が目立ち始める。
ウネリの波長が短くなって、揺れが大きくなり始めた。
「移動しようか」
風を避けて、ロックフィッシュポイントに入る。
「風が、あたりませんね」
波も静かで、気温が暖かく感じる。
仲衛さんが、アタリを捕らえた。
良型のアカハタが、姿を見せている。
30センチ超の良型のアカハタ。
このアカハタを、今日の締めとした。
釣りをしながらも、楽しい会話を繰り広げる、愉快で楽しい仲間達の釣りは、
あっと言う間に時間が過ぎた。
「また、楽しみましょうね」