移動したポイントに、ベイト反応は出ていた。
「海底から10メートルの範囲です」
「海底から、15メートルの範囲です」
ちょっと、ビックリするくらい反応は出ていた。
海底から、4,5メートル位浮き上がって、隙間だらけのベイト反応もあった。
「これ、きっと何かが居ますよね」
湯浅さんや、旭先生とも、そんな話をしながらベイトの中を攻めてみた。
お二人共に、アタリが来る。
しかし、有る程度巻き上げたところで、針が外れる。
船上から見ていると、その正体は大きな真鯵だと思われる。
多分、皮一枚の針掛かりなのだろう。
湯浅さんには、時折、ウッカリカサゴがヒットしてきた。
ポイントを、変えてみた。
目前を、沖サワラの群れが泳いでいる。
「これ、沖サワラですよ。投げてみてください」
ジグをキャストすると、一発で食い付いてきた。
湯浅さんの竿が、真っ直ぐに伸びて、ラインがドンドン引き出される。
キャストしたジグに、ヒットした瞬間の姿は私からは見えなかった。
「逃がして成るもんか」
直ぐに、対応できるように船のハンドルを握った時。
「あっ、外れた…」
湯浅さんの、ガッカリしたような声が聞こえた。
「逃げられたものは、仕方ないですよ。切り替えましょう」
大物を逃がした後は、苦い余韻が残る物。
「ロックに行きますか」
「そうですね。行きましょう」
今回は20メートル前後の、チョイ深場の岩場を攻めてみた。
最初のアタリは、旭先生に来た。
「良い感じで引くでしょう」
「最初のアタリは、引きますね」
何とか、旭先生の笑顔が見られた。
湯浅さんにも、アカハタが連続してきた。
「何とか、お土産は確保できましたね」
湯浅さんにも、チョッピリ、ホッとした笑顔が見られた。
潮は、上り潮が0.8ノット前後で流れて、青々した良い色の潮。
沖の黒潮が、近づいて居るのだろう。
期待大の潮なのだが、日によって釣果に大きな差が出る。
明日以降も、色々とポイントを探って攻めていきたい。