◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

2月11日~2月20日

2024-02-11 20:28:00 | Weblog
2月20日(名)

小口泰與
早春の温みたまわる峡の径★★★★
三山を諸共に消す春の雲★★★
春の日や木陰もろもろ動きける★★★

桑本栄太郎
水滴の風に混じりぬ春しぐれ★★★★
枝先のほんのり赤く春の雨★★★
陸橋や帽子抑える春疾風★★★

廣田洋一
暖かや思い切り背を伸ばしたり★★★
門前に紅白並びてシクラメン★★★
青空へ明かりゆらゆら花ミモザ★★★★

弓削和人
残る雪遠くの雲と同じ色★★★★
早春や閉じたる門を開け放ち★★★★
夕東風や湖畔の小屋に人の影 ★★★

2月19日(4名)

小口泰與
利根川の波尖りたり麦青む★★★
上州の風の物言い春浅し★★★
百年を経し床柱冴返る★★★

廣田洋一
春時雨昼には止みてそぞろかな★★★
堰落ちる水音軽し春の川★★★★
遊水池空のままなり春の川★★★

桑本栄太郎
釣り人の湾処に一人春の川★★★
咲きみつる河川畑の野梅かな★★★
黒雲の嶺に集いぬ雨水かな★★★

弓削和人
料峭や浮木の影に白き砂★★★
牡丹の芽折り重なりて触れ合わず
牡丹の芽は、幼葉が畳まれたように「折り重なって」いますが、「触れ合わず」の状態がわかりません。(髙橋正子)

春の水足音まったき消えにけり(原句)
「まったき」の語尾変化が問題です。
春の水足音まったく消えにけり(正子添削)

 
2月18日(4名)

小口泰與
有明の早春の天鳥の声★★★
春雷や犬は納戸へ駆け込みし★★★
もたれたる木に日の射すや鳥交る★★★★

廣田洋一
季重り詠んでしまいし梅の花★★★
また一羽目白の来たる梅の花★★★
夜の卓や白魚の目に謝りぬ★★★

桑本栄太郎
<四条大橋界隈散策>
せせらぎのきらめき温む高瀬川★★★
芽柳の川端通り人の波★★★
外つ人の花見小路や春日さす★★★

多田有花
<四天王寺三句>
いにしえの四天王寺の春そこに★★★★
阿弥陀堂にあべのハルカス二月空★★★
春淡し乳がん封じの乳布袋★★★

2月17日(4名)

小口泰與
並び居て春暖めずる老夫婦★★★
春風やことに女の子の通学路★★★
湖の面に夕日まだあり帰る雁★★★★

廣田洋一
神の庭香り良きかな梅の花★★★
青き目の人も愛でたる梅の花★★★
池の端うすうす香る河津桜★★★

多田有花
<大阪七福神巡り三句>
狛犬はねずみよ二月の大黒天★★★
春浅し人情深し通天閣★★★
新世界の春に聳える通天閣★★★

桑本栄太郎
びょうびょうと風の田道や犬ふぐり★★★★
午後よりの春日燦々田道行く★★★
こつ然と天の静寂やひばり落つ★★★

2月16日(3名)

小口泰與
水草の水を睦ぶる朝かな★★★
一瞬に春雪とけて空しけり★★★
料峭や鳥に目ざときカメラマン★★★

桑本栄太郎
夜もすがら雄叫び聞きぬ春一番★★★
うすらいの風の行へに彷徨いぬ★★★
野放図と云うは畑の野梅かな★★★★

廣田洋一
梅東風や穴稲荷より弁天堂★★★
公園のひときわ赤き椿かな★★★
緑青の屋根より枝垂梅赤き★★★

2月15日(4名)
  
弓削和人
春寒の泉岳寺はや坂くだる
春寒いのに、「はや」坂をくだる、と言う意味ですが、このような「はや」の使い方は、疑問です。(髙橋正子)

鞦韆を漕ぎたくなりし春近し(原句)
鞦韆を漕ぎたくなりぬ春ちかし(正子添削)

陽光の村から街へ春しぐれ★★★

小口泰與
春の日をむさぼる髪膚ありにけり★★★
薔薇の芽の未だ硬きや蒼き空★★★
春の鳥梢に睦ぶ朝かな★★★

廣田洋一
人影の無き公園や冴え返る★★★
池の面漣立ちて冴え返る★★★
卵とじ白魚の目の点々と★★★

桑本栄太郎
朝からの雲かかすみか春しぐれ★★★
咲きみつるつらつら椿ピンクかな★★★
春雨や欠伸ひとつのバス待つ娘★★★

2月14日(5名)
小口泰與
榛名富士空青青や春の利根★★★
紅梅の花の向き向き昼の雨★★★
春蝉のぽとんと落ちし骸かな★★★

桑本栄太郎
我が影の背ナの曲がりや春日さす★★★
あおぞらを背景に撮り梅真白★★★
午後からの峰の彼方のかすみけり★★★

多田有花
<大阪七福神巡り三句>
千両や弁財天に春淡し★★★
毘沙門天ビルの谷間の春の空★★★
春昼や鶏唐揚を山盛りで★★★

弓削和人
旅立ちて荒子観音梅凛と(原句)
「旅立ちて」が問題です。(髙橋正子)

遠山の彼方より来し淡し春(原句)
「淡し春」は、「淡し」が終止形なので、「淡し」と「春」が切れます。
全体を通すと意味として無理があります。「淡き春」としてください。(髙橋正子)
紅梅の繁りに白き梅ありぬ(原句)
「繁り」は、俳句では、「葉」や「木」に使います。「紅梅の繁り」で紅梅の花がびっしり咲いている様子を表すには無理があります。(髙橋正子)

2月13日(4名)

小口泰與
子犬居り春雪に吠ゆ家の中(原句)
家うちに仔犬吠えおり春の雪(正子添削)

紅梅や真白き庭へ朝日射す(原句)
紅梅や真白き雪へ朝日射す(添削正子)
俳句の詠み方にはおおまかに二通りあります。
①「紅梅」など季題を読む場合(ホトトギスの俳句など)は季語を決めて詠むので、季が重なることはありません。季節が重なることを「季重なり」と言って嫌います。
⓶秋櫻子(ホトトギスに反発してホトトギスを出ました)のような句には、季語が重なったり、違う季節の季語が混じったりしています。実際そのような句が散見されます。この場合は、主となる季語がないといけません。
どちらの立場をとられますか。

見つめいる沼の水面や百千鳥★★★

多田有花
<大阪七福神巡り三句>
早春の浪花の七福神巡る★★★
采配の幸村像や春早し★★★
春の坂くだりて出会う福禄寿★★★

廣田洋一
金色の花蕊光りクロッカス★★★★
春一番テニスボールの音高し★★★★
犬と子の駆けまわる芝春早し★★★

桑本栄太郎
あおぞらの尾根くつきりと春の山★★★★
ブランコの風の子待ちて二列かな★★★
紅梅のすでに満ちたり梅二月★★★

2月12日(3名)

小口泰與
丘越ゆる鷹の羽音や朝な朝な★★★★
見つけたる雪の浅間の神神し★★★
連れ立ちてカメラ二台や目白追う★★★

廣田洋一
春一番ポニーテールを揺らしけり★★★
野を焼くや飛行場への道すがら★★★★
バレンタインデーチーズケーキを贈らるる★★★

桑本栄太郎
春しぐれの上がり鋪道の光りけり★★★
料峭の首筋寒き日差しかな★★★
<近鉄小坂駅より記念館へ>
駅前の鉢植え誘う菜の花忌★★★★

2月11日(4名)

小口泰與
水鏡して雪の木立の今朝の色★★★★
枯葉落つ白き庭の目印に★★★
目の前を雪の塊どんと落つ★★★★

多田有花
春淡し芽吹きまではいま少し★★★★
春しぐれ郵便局まで歩きおり★★★
遠山の霞みて明日はハイキング★★★

廣田洋一
ほんのりと色付き初めし桜の芽★★★
紀元節セピア色なる写真集★★★★
暖かな日差し浴びたる本の束★★★

桑本栄太郎
老いたれど矜持の香り梅白し★★★
へんぽんと見よ建国の日章旗★★★
木々の枝の梢色づき木の芽張る★★★★
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自由な投句箱/2月1日~2月10日

2024-02-02 10:00:40 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句・春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。




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今日の秀句/2月1日~2月10日

2024-02-02 09:59:35 | Weblog
2月10日(1句)

★木々の枝の剪り口白く春寒し/桑本栄太郎
剪定したばかりの木々の切り口が白い。白い切り口を見れば、まだまだ春ながら、寒そうだ。(髙橋正子)

2月9日(1句)

★投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
「春浅し」と「かん」と言う音がよく響き合って、早春の空気の感じが伝わる。余計な表現がなく、すっきりしていい。(髙橋正子)

2月8日(1句)

★雲海に聳ゆる富士や春の旅/廣田洋一
春の旅の麗らかさがよく詠めている。雲海に聳える富士は雪を冠っているだろうが、その雄姿を眺めての春の旅。(髙橋正子)

2月7日(1句)

★北方に白き山見ゆ春景色/多田有花
在所は梅が咲きはじめたり、草が萌えたり春らしくなってきているのに、北方は冠雪の山々が見えている。冬と春が行きつ戻りつするのが、春の訪れと言える。それが春景色。(髙橋正子)

2月6日(3句)

★雪に濡れさくらの枝のほの赤き/川名ますみ
雪に濡れた桜の枝は、ほんのり赤らんでいる。咲くときが近づくと桜はほの赤い樹液が巡るという。人の指が冷たさで赤らんだように、桜もほの赤くなっていると思える。(髙橋正子)

★戸に出づや溢れ迫りし雪の量/小口泰與
上州は大雪に見舞われたようだ。戸を開けて出ると、目の前には雪が迫ってくるように高々と積もっている。その迫力に圧倒される。(髙橋正子)

★木の実植う狭庭の隅に子の未来/廣田洋一
木の実を植えたのは子供であろう。家の庭の隅に踏まれないように木の実を植えた。春がくると木の実は芽生え、子供の未来と重なるように、次第に生長していく。それが子の未来。(髙橋正子)

2月5日(3句)

★冬空に負けぬ青色るりびたき/小口泰與
「負けぬ」が力強い。冬空の力強い青さにも負けない、るりびたきの青い羽の色。冬空の青とるりびたきの青。せめぎ合って美しい。(髙橋正子)

★夕日受け在処知らせる桜貝/廣田洋一
砂浜に転がっている桜貝。夕日が差すまでは、桜貝かどうかわかない単なる石のような感じだったが、夕日が差すと、はっきりと明るく桜貝が浮かび上がった。(髙橋正子)

★早春の田の一画に供養塔/多田有花
供養塔は、災害などで亡くなった人たちや、遠い昔に亡くなった人たちを供養する塔。早春の田の一画に供養塔があるのは、かつて洪水などがあったのかと想像するが、多くの命が消えたあとの早春の田には、新しい春の息吹さえ感じられる。(髙橋正子)

2月4日(1句)

★立春の遠出をおもう陽射しかな/桑本栄太郎
立春の日差しに遠出したい思いが湧く。暦の上だけでなく、立春の日差しが実際うららかに差したのだ。暖冬と言われているが、それを頷かせる立春の日差しだったのだ。(髙橋正子)

2月3日(1句)

★塩釜の湯気立ち昇り寒椿/廣田洋一
「塩釜」は、魚などを塩に包み、蒸し焼きにする釜のこと。塩釜は野外の小屋などで焚かれることがあるが、湯気が立ち昇っている塩釜の近くに寒椿がほっこりと咲いている。寒いなかにも暖かさを思うとき。塩や湯気の白、椿の赤のイメージが重なって色彩的にも美しい。(髙橋正子)

2月2日(2句)

★眦に鳥は居りけり冬入日/小口泰與
「眦」は「まなじり」と読む。眼の耳に近い方の端。めじり。
入日が今日最後の輝きを放って落ちようとしている。その落暉のかがやきのなか、眼の端のどこかにいつも鳥が見えているというのだ。うまい詠みぶり。(髙橋正子)

★節分の妻の出掛ける壬生寺に/桑本栄太郎
京都の壬生寺は節分会で有名。壬生狂言も行われる。妻はそれを楽しみに、いそいそと壬生寺へ出かけた。(髙橋正子)

2月1日(1句)

★午後からは一月送る雨となる/多田有花
午後から雨になって、静かに一月を振り返りつつ送る思いになった。一月は往に、二月は逃げると言われているが、寒い寒いと言っている間に月日が過ぎていく。(髙橋正子)
コメント (12)
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2月1日~2月10日

2024-02-02 09:56:31 | Weblog
2月10日(名)

小口泰與
鳥も見ぬ静寂の中の雪の郷★★★
春の雪枝に残りて怪獣ぞ★★★
雪の庭ぽつぽつ足跡鳥の声★★★

廣田洋一
春浅しサウナ風呂にて砂時計★★★
飲みかけのお茶を零して冴え返る★★★
老ひたるも男子やバレンタインデー★★★

桑本栄太郎
日当たりと翳り交互に春日かな★★★
木々の枝の剪り口白く春寒し★★★★
あおぞらの梢色めき春きざす★★★

多田有花
旧正月気持ちを再度新たにす★★★
春大根ステーキにして食すかな★★★
紅梅や坂の途中の家の庭★★★

2月9日(4名)

小口泰與
餌撒くやからだ震わせ冬目高★★★
春近し森は俄かに賑賑し★★★
春立つや東の空の燃えたてり★★★

弓削和人
公園の親子の声や春近し★★★
春寒や御在所岳に朝ぼらけ★★★
投函の新聞かんと春浅し★★★★

桑本栄太郎
ベランダに鉢植え並べ春日かな★★★
濯ぎもの干せば春光眩しけり★★★
あおぞらの風の田道や犬ふぐり★★★

廣田洋一
春の日や空地の周り測量す★★★★
園児らの群がる広場春日かな★★★
自転車で走る野原や風光る★★★

2月8日(4名)

小口泰與
道の辺の池に寒雁来ておりぬ★★★
土割りてむんず水仙暁の世へ★★★
道すがら見し雪の浅間の雄姿かな★★★

廣田洋一
薄氷の白く光れる潦★★★★
雲海に聳ゆる富士や春の旅★★★★
富士の峯白さいや増し春の雪★★★

多田有花
乗用車がっちり凍てし余寒かな★★★
二月早や十指にネイル輝かせ★★★★
北よりの雲がもたらす春しぐれ★★★

桑本栄太郎
早春の日差し明るきバス車内★★★
あおぞらの梢きらめく春の朝★★★★
アウアウと歯科の治療や春寒し★★★

2月7日(4名)

小口泰與
雪の庭ぽつぽつ足跡鳥の声★★★
枯葉落つ真白き庭の目印に★★★
目の前を雪の塊落ちにけり★★★

廣田洋一
公園をゆっくり巡り暖かし★★★
被災地の惨を覆へる春の雪★★★
沖波の攫い損ねし桜貝★★★★

多田有花
旧正月近づく確かに春の声★★★
北方に白き山見ゆ春景色★★★★
春風や洗濯物を片寄せし★★★

桑本栄太郎
濯ぎもの干せば眩しき春日さす★★★
春寒のさざ波立つやにわたずみ★★★
春寒のあおぞら背ナに遠嶺かな★★★

2月6日(5名)

川名ますみ
雪に濡れさくらの枝のほの赤き★★★★
大粒の春雪を受くボンネット★★★★
会えば皆雪を知らせる御茶ノ水★★★★

小口泰與
戸に出づや溢れ迫りし雪の量★★★★
百本の庭の薔薇の木雪纏う★★★★
スリップ音塀に積もりし雪の量★★★

廣田洋一
海苔を食む魚の増えて富津港★★★
雨混じりぺちゃぺちゃはねる雪解道★★★
木の実植う狭庭の隅に子の未来★★★★

多田有花
風に揺れ地に咲き初めしいぬふぐり★★★★
カレンダー見て驚きぬ二月早や★★★
陽のさすや山の微笑を誘うべく★★★

桑本栄太郎
春寒の鴉窺い翔び立たず★★★
木々の枝の若枝すいすい伸びにけり★★★★
しつとりと在所湿りぬ春しぐれ★★★

2月5日(5名)

小口泰與
冬空に負けぬ青色るりびたき★★★★
眼裏へ鴛鴦焼き付けり忘れじと★★★
浅間山雪を被りて悠然と★★★★

廣田洋一
集団で研修受ける新社員★★★
夕日受け在処知らせる桜貝★★★★
春寒や今日一日引きこもり★★★

多田有花
春来る名のみの風の冷たさに★★★
東京は大雪警報春の雨★★★
早春の田の一画に供養塔★★★★

桑本栄太郎
選挙終え今朝の静寂や春しぐれ★★★
春雨や今朝は鴉も鳴かざりぬ★★★
<テレビ報道より>
近江なる花菜明かりや滋賀の里★★★

弓削和人
立春の風吹かれおり電話口
寒明や悲喜こもごもの投開票
寒明や口笛かすかに聞こえたり

2月4日(4名)

小口泰與
寒林に我のみ居りて鳥の声★★★
末黒野や犬は尾を垂れ吠えにける★★★
クロッカス二匹の犬の戯れあいて★★★

廣田洋一
雨に濡れ畑黒々春立ちぬ★★★
花時計図柄変へたり春立つ日★★★★
面接は午後になりたる入学試験★★★

多田有花
立春や目覚めの朝の日の光★★★
立春祭知らせる朝の町内放送★★★★
珈琲粕を寒明の陽に干せり★★★

桑本栄太郎
<2月4日京都市長選挙>
春立つや日差し明るき投票所★★★
うすらひや旅出はいつも風任せ★★★
立春の遠出をおもう陽射しかな★★★★
 
2月3日(4名)

小口泰與
白樺の斜めに生えし冬の宿★★★
汀より咲くかの如く雪降れる★★★
「咲く」の比喩はどうでしょうか。(髙橋正子)
雪の日の沼の野鳥をみそなわす★★★

多田有花
古楽器のやさしき音色冬終わる★★★
節分や豆まきするかと人に問う★★★
持ち家のリフォーム終了冬尽きぬ★★★

廣田洋一
咲きてなほ背丈競へる水仙かな★★★
頭下げ客を迎へる寒椿★★★
塩釜の湯気立ち昇り寒椿★★★★

桑本栄太郎
木々の枝の小枝伸び居り春隣★★★
「木々の枝の小枝伸び居り」が季語「春隣」の説明になっています。こういうのは、避けたいです。(髙橋正子)
蠟梅の狭庭の日差し占めにけり★★★
クレーン車の集い駐車や日脚伸ぶ★★★

弓削和人
節分の夕餉を映ゆる鰯かな(原句)
節分の夕餉に映ゆる鰯かな(正子添削①)
節分の夕餉を映えさす鰯かな(正子添削②)
文法に従えば、①の「夕餉に」にするか、⓶の「夕餉を」にするかです。(髙橋正子)

節分ややさしき鬼に子らの笑み★★★
まさおなる空にこぼるる寒椿★★★

2月2日(4名)

小口泰與
待ち侘びし二羽の鴛鴦眼間に★★★
山風の間遠となりし鳰(原句)
山風の間遠となりぬ鳰(正子添削)
眦に鳥は居りけり冬入日★★★★

桑本栄太郎
節分の妻の出掛ける壬生寺に★★★★
壬生寺に妻の出掛くや節分会(正子添削例)

節分や神楽太鼓のどんどこどん★★★
節分や鬼より怖い山の神★★★

廣田洋一
あれこれと防具比べる寒の朝★★★
大寒やこむら返りに目覚めたり★★★
 こむら返り、痛いですね。ふくらはぎのこむら返りは、ゆっくりと脚をのばすといいと聞きました。先日なって試しましたが痛みがほとんどとれました。(髙橋正子)
一番星寒夕焼けのさめ易し★★★★

多田有花
晩冬に協奏曲を聴き比べ★★★
街角に彩り添えて冬の梅★★★
冬帝を送り出さむと風荒れる★★★

2月1日(3名)

小口泰與
機関車の雪巻き上げて喘ぎおり★★★
冬薔薇の咲くに満満力あり★★★
積読の本を枕に冬籠り★★★

多田有花
飛ぶが如く翔るが如く一月ゆく★★★
午後からは一月送る雨となる★★★★
静かな雨に一月を振り返る★★★

桑本栄太郎
二ン月と想う朝日の煌めける★★★
窓開けて結露少なし寒ゆるむ★★★
嶺の端のうねり連なる寒明忌★★★
コメント
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