◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●デイリー句会投句箱/11月25日~30日●

2014-11-30 09:56:07 | Weblog

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今日の秀句/11月25日~30日

2014-11-30 08:28:09 | Weblog
[11月30日]
★麦の芽の出揃い土のくろぐろと/黒谷光子
麦の芽が出揃い、土も黒々として、その色彩が美しい。出揃った嬉しさ、その稚さを含めて、美しい農村の風景だ。(高橋正子)

[11月29日]
★銀杏黄葉地に降り子らに拾わるる/小西 宏
銀杏黄葉は、地面に降って、きれいなうちに子どもたちに拾われる。銀杏黄葉は散るだけでない。子どもたちを喜ばせている。「銀杏の葉」は、季語ではない。(高橋正子)

★冬の牧六甲ミルクの温かき/河野啓一
上五の季語「冬の牧」が主題。中七から下五に続く「六甲ミルクの温かき」は、いい風景だ。(高橋信之)

[11月28日]
★柚子を描く凸凹なるが面白く/河野啓一
柚子は香りだけでなく、その形や皮の凸凹も俳味があって面白い。そんな柚子に触発されて画を描くのは、楽しいことだろう。(高橋正子)

★開店の準備は銀杏落葉掃く/桑本栄太郎
銀杏並木に面した店であろうか。一夜にして散り敷いた銀杏黄葉を掃くことから開店準備が始まる。落葉が掃かれて、今日新たに、店先がさっぱりとなった。(高橋正子)

[11月27日]
★小春日や昨夜(ゆうべ)の雨に光る道/小西 宏
昨夜の雨とは打って変わって今日は小春日和のよい天気。雨に濡れた道も太陽にきらきら光り、小春日和の証拠のよう。(高橋正子)

[11月26日]
★今日の色栞に拾う散紅葉/佃 康水
日ごと寒さが増してゆくなか、散紅葉の色もさまざま。今日散ったばかりの紅葉は今日の色。「今日の色」が大切にされている。(高橋正子)

★駆け出して少女のマフラー夕空へ/川名ますみ
駆け出した少女のマフラーが、駆け出した勢いで夕空へ跳ねる。夕空にシルエットのように浮かぶ元気な少女を映像的に詠んだのがいい。(高橋正子)

[11月25日]
★星の夜の友を持て成す炭火かな/小口泰與
星のきらめく寒い夜の持て成しは、あたたかいものが一番。炭火を熾して友を持て成す。真っ赤に熾った炭火の色、匂い、時折爆ぜる音など、炭火は目も心も楽しませ、豊かにしてくれる。友も自分も楽しい時を過ごされたことであろう。(高橋正子)
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11月25日~30日

2014-11-30 08:18:26 | Weblog
11月30日(5名)

●小口泰與
安曇野や雲の開けて雪の山★★★
遠山の雪の一閃梓川★★★★
白波の淡海へ陰る冬の月★★★

●桑本栄太郎
白き実を鳥の啄み木の葉散る★★★★
つり人の湾処を囲む小春かな★★★
早やばやと十一月の果てにけり★★★

●河野啓一
秋惜しむ街の紅葉を経巡りて★★★
街角に落葉集める婦人たち★★★★
木枯しに乗って旅する木の葉かな★★★

●黒谷光子
枯葦に吹く湖の風野辺の風★★★
麦の芽の出揃い土のくろぐろと★★★★
麦の芽が出揃い、土も黒々として、その色彩が美しい。出揃った嬉しさ、その稚さを含めて、美しい農村の風景だ。(高橋正子)

からからと吹かれて転ぶ落葉道★★★


●小西 宏
冬の雨止んで霞の如き街★★★
冬晴れて全天皆地青の中★★★★
銀杏黄葉つめたい風の吹く中に★★★

11月29日(8名)

●小口泰與
朝日差す風の尖りし雪浅間山(あさま)★★★★
雲飛ぶや裾野日の差す冬浅間山(あさま)★★★
冬霧に沈む千曲川(ちくま)の波白き★★★

●迫田和代
冬めいた風に驚き心する★★★
隼の通りし後はすっきりと★★★★
落ち葉見るその美しさ冬紅葉★★★

●内山富佐子
海見つめ塩引鮭の干されけり★★★
遠方の友と一晩花やつで★★★★
雪吊りや周囲(まはり)の景色を引き締めて★★★

●多田有花
冬紅葉あいだに沖の島光る★★★★
小春日の陽に輝ける森を歩く★★★
山行の計画を練る冬の雨★★★

●桑本栄太郎
枕辺に雨の音聞く夜半の冬★★★
雨降れば哀しきほどの冬紅葉★★★★
冬紅葉満天星つつじの褪せやらず★★★

●黒谷光子
色尽くし境内埋める冬紅葉★★★
紅葉散る寺の池の辺芭蕉句碑★★★
冬麗の大屋根の反り美しき★★★★

●小西 宏
広い丘に小春足音弾ませて★★★
銀杏葉の地に降り子らに拾わるる★★★★
子供らの球蹴る影や暮易し★★★

●河野啓一
秋送る山の錦や桂川★★★
六甲山牧のミルクの温かき★★★★
散り紅葉有馬街道彩りて★★★

11月28日(8名)

●小口泰與
初霜や鴉の鋭声おちこちに★★★★
ハンガーを咥えて立つや寒鴉★★★
黒雲の奇岩の山の枯木立★★★

●河野啓一
夕日落つ浜辺の木々の影長く★★★
ポリポリと沢庵噛んで夕餉かな★★★
柚子を描く凸凹なるが面白く★★★★
柚子は香りだけでなく、その形や皮の凸凹も俳味があって面白い。そんな柚子に触発されて画を描くのは、楽しいことだろう。(高橋正子)

●小川和子
陽光をいっしんに浴ぶ冬林檎★★★★
薄切りの冬りんご噛む児は笑みて★★★
七曜の今朝さわさわと芽水仙★★★

●多田有花
一片の雲に触れたり枯薄★★★
冬の陽と山の紅葉と穏やかに★★★
播磨灘冬陽に光る甍の彼方★★★★

●桑本栄太郎
散りぎわの命尽くせり冬紅葉★★★
バス停の朝日に冬の紅葉かな★★★

開店の準備は銀杏落葉掃く★★★★
銀杏並木に面した店であろうか。一夜にして散り敷いた銀杏黄葉を掃くことから開店準備が始まる。落葉が掃かれて、今日新たに、店先がさっぱりとなった。(高橋正子)

●小西 宏
冬晴れの狐稲荷の大銀杏★★★★
飛石を埋めて深し散紅葉★★★
犬を抱き夕日初冬に暖かし★★★

●黒谷光子
小春日の水面に朱塗りの鳳凰堂★★★
(万福寺)
高欄の卍くずしに冬日差し★★★★
名刹の境内被う冬紅葉★★★

●高橋秀之
星明り冬の南の空遠く★★★★
遊歩道落ち葉重なり赤色に★★★
冬帽子かぶり行ってくるよと声をかけ★★★

11月27日(4名)

●小口泰與
対岸の森にひともと冬紅葉★★★
野沢菜の焼餅くぶる囲炉裏かな★★★★
大屋根の定かに見ゆる寒椿★★★

●多田有花
あの歌が冬のホームに流れる日★★★
窓ガラス透かし鮮やか冬もみじ★★★
断ち割れば蜜たっぷりの冬りんご★★★★

●桑本栄太郎
冬紅葉ラッシュとなりけり嵐山線★★★★
顔見世のまねき文字とや勘亭流★★★
いつせいに雀群れ翔つ冬の雨★★★

●小西 宏
浮雲と紅葉映せる濁り池★★★
ほどほどに曇れば温し冬初め★★★
小春日や昨夜(ゆうべ)の雨に光る道★★★★
昨夜の雨とは打って変わって今日は小春日和のよい天気。雨に濡れた道も太陽にきらきら光り、小春日和の証拠のよう。(高橋正子)

11月26日(7名)

●小口泰與
寒暁の赤城の襞を眼間に★★★★
彼の川の石を求めし龍の玉★★★
朝日出づフロントガラス氷けり★★★

●河野啓一
よき土地に生まれしものぞ紅葉見る★★★★
大通りいちょう黄葉のカーペット★★★
鍋焼きの湯気の向こうに妻の顔★★★

●福田ひろし
観覧車冬晴れ妻と見に行かん★★★★
冬紅葉そぼそぼ雨に打たれおり★★★
ひんやりと重たき蒲団のうれしさよ★★★

●多田有花
冬の雨銀杏黄葉の煙りおり★★★★
さつまいも蒸しパン作る冬の昼★★★
往年のスターの名画冬の夜★★★

●桑本栄太郎
一年(ひととせ)を飾り尽くすや冬紅葉★★★
時雨るるやまねきあがりし南座に★★★★
冴え冴えと寺の鐘聞く午後の五時★★★

●佃 康水
今日の色栞に拾う散紅葉★★★★
日ごと寒さが増してゆくなか、散紅葉の色もさまざま。今日散ったばかりの紅葉は今日の色。「今日の色」が大切にされている。(高橋正子)

御仏事や膳に湯気立つ赤き飯★★★
雨上がり紫陽花白く帰り花★★★

●川名ますみ
駆け出して少女のマフラー夕空へ★★★★
駆け出した少女のマフラーが、駆け出した勢いで夕空へ跳ねる。夕空にシルエットのように浮かぶ元気な少女を映像的に詠んだのがいい。(高橋正子)

集められ落葉ふっくら猫包む★★★
子猫らは落葉に埋もれ眠りけり★★★

11月25日(5名)

●小口泰與
星の夜の友を持て成す炭火かな★★★★
星のきらめく寒い夜の持て成しは、あたたかいものが一番。炭火を熾して友を持て成す。真っ赤に熾った炭火の色、匂い、時折爆ぜる音など、炭火は目も心も楽しませ、豊かにしてくれる。友も自分も楽しい時を過ごされたことであろう。(高橋正子)

太鼓腹以て師走となりにけり★★★
天ぷらのブロッコリーをば黙の中★★★

●迫田和代
雨に濡れ色鮮やかな冬紅葉★★★★
公園の広さを想う初雪に★★★
きんとして冷えた道行く星月夜★★★

●河野啓一
雨の朝濡れて都の紅葉かな★★★★
搭屋の裾を彩る冬紅葉★★★
通り過ぐ嵐の如き冬の雨★★★

●桑本栄太郎
<京都祇園界隈>
茶の花の去年の実宿す垣根かな★★★
せせらぎの底に落葉や高瀬川★★★★
しぐるるや祇園の路地の蛇の目傘★★★

●小西 宏
細やかに欅落葉の曲り道★★★
落葉置き地に描く子らの絵画展★★★★
冬めいて雨細やかに街灯り★★★
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●デイリー句会投句箱/11月17日~24日●

2014-11-24 08:44:22 | Weblog

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今日の秀句/11月17日~24日

2014-11-24 07:43:14 | Weblog
[11月24日]
★田の道の冬日を抜けて家並みへと/祝恵子
遮るもののない田んぼの道には、冬日がさんさんと降り注ぐ。心地よい冬日を受けて歩くと道は家並へ続く。穏やかに晴れた日の農村を歩く幸せ。(高橋正子)

★冬紅葉の向こうに星の光あり/高橋秀之
立冬を過ぎ、夜間の気温が一段と下がると紅葉がさらに色濃く美しくなる。その紅葉が街灯に照らされているのだろう、向こうにつぶらな星の光が見える。澄んだ大気に、冬紅葉と星の光によい詩情がある。(高橋正子)

[11月23日]
★冬めきて丘の辺の道海光る/河野啓一
冬めくと、寒さ、冷たさが心身にほどよい緊張感をくれる。そんなとき、丘の辺の道を歩くと、光る海が見え、展望がほっと開けるような明るい思いになる。(高橋正子)

[11月22日]
★産土は坂の町なり寒椿/小口泰與
坂の町は変化があって詩情がある。わが産土の坂の町は、今、寒さの中に点るように寒椿が咲いている。(高橋正子)

[11月21日]
★太き枝しならせリンゴは豊作に/古田敬二
豊作のリンゴは、その重さで、太い枝をしならせている。太い枝も赤く熟れたリンゴの重量に耐えて実りを支えている。微笑みのこぼれているようなリンゴの木だ。(高橋正子)

★火を落とし灯油の香る冬の夜/福田ひろし
寝じまいに灯油ストーブの火を消すと、あとに灯油の匂いがつんと残る。灯油の匂いが冬の夜を更に静かに深くする。(高橋正子)

[11月20日]
★大雷一瞬にして冬来たる/内山富佐子
雷が鳴って季節が一変することは多い。大雷が鳴って梅雨が明けることはよく経験する。雪国の生活は知らないが、雪国では大雷が鳴って一瞬にして冬が来ることもあるのだろう。11月20日は横浜も急に冷え込み真冬のようだった。(高橋正子)

[11月19日]
★冬ぬくし京の歩きは山の寺/祝恵子
京の都は、底冷えのする京都盆地を思わせぬ「冬ぬくし」の一日。山の寺へ歩く道も暖かく気持ちがよい。
山の寺に味わいがある。(高橋正子)

★青空のはるか日射しや片時雨/桑本栄太郎
青空の高いところには日射しが見えるのに、時雨がさあっと降ってくる。時雨で知られる京都の冬の天気であるが、こういった天気にも京都の風情が思われる。(高橋正子)

[11月18日]
★生まれたての流れに沿いて冬の谷/多田有花
源流は、下流の川を想像しにくいほど小さい流れだ。その「生まれたての流れ」に沿って川と旅するように、冬枯れの谷を歩くことは、なんと心楽しいことではないか。(高橋正子)

★大漁旗迎える港の柿赤し/福田ひろし
大漁旗を立てて帰る船を迎える港には、柿が日に輝いて赤く熟れている。秋晴れの港が喜びに満ちている。漁港の風景が明らかで、勢いのある句だ。(高橋正子)

[11月17日]
★枯蘆の吾が立つ時に騒ぎけり/桑本栄太郎
離れて眺めていた枯蘆は、静かに立っていたが、傍に寄って立つと、ざわざわと戦ぐ。人に応えたように思える不思議さがある。(高橋正子)

★初冬の銀杏晴れたる大通り/小西 宏
銀杏並木の続く大通りが冬を迎えた。今日は空が晴れ渡り、銀杏黄葉が晴れやかに色を競っている。初冬の晴れ晴れとした句だ。(高橋正子)

★残菊の香りを車に野良がえり/古田敬二
野良の畑の隅に植えている小菊であろう。野良仕事の帰りに、切りとって車に乗せると、菊の良い香りが漂う。無機質な車内も菊の香りに満たされ、うれしい空間となった。(高橋正子)
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