◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●自由な投句箱/8月21日~31日●

2016-08-22 23:03:05 | Weblog

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
コメント (55)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/8月21日~31日

2016-08-22 23:02:31 | Weblog

[8月31日]

★朝露のひと葉漏らさず草に下り/上島祥子
朝露がどの葉にも、ひと葉残らず、辺り一面の葉に降りている。朝露がびっしりと置く季節になったことの驚き。(髙橋正子)

[8月30日]

★赤とんぼ群れてほぐれて丘の辺に/河野啓一
平群の里の丘であろう。まろやかな丘に赤とんぼが群れ、群れたかと思うと、ほぐれて思い思いに飛ぶ。
赤とんぼの飛ぶ景色が丘の上であって、ゆっくりとした時間が過ぎている。(高橋正子)

[8月29日]

★台風やうねりの海へ定期船/上島祥子
台風が来てうねっている海への、定期船は出てゆく。大丈夫だろうかと思うが、人の暮らしがかかっている定期船は、少々の台風ならば、欠航しない。うねりの読みは、経験者にあってできること。(高橋正子)

[8月28日]

★青空に雲ながれ行き葛の花/桑本栄太郎
白い雲が流れる青空と葛の花はよく似合う。葛は花の色も深くて、いい匂いがする。秋の七草は、秋の空があってこその花と思える。(高橋正子)

[8月27日]

★小鳥来る手足伸ばせる目覚めにて/小口泰與
寝苦しかった夜の去り、小鳥が来る季節になった。手足を思い切り伸ばして起き上がる朝の目覚めが爽快だ。(高橋正子)

[8月26日]

★秋桜の咲いたる路地に朝陽差す/上島祥子
いつ見てもいい風景というのがある。秋桜と朝陽の取り合わせがすがすがしい。色とりどりの秋桜に、朝陽が差すとあたりが、生き生きとしてくる。(高橋正子)

[8月25日]

★稜線に生まれ浮き行く秋の雲/河野啓一
山の稜線のところから生まれる雲が、爽やかだ。生まれた雲が浮雲となって流れてゆくのを見る楽しさは、秋の雲なればこそ、と思う。(高橋正子)

[8月24日]

★群咲きし松虫草や溶岩の原/小口泰與
昔溶岩が流れ出たところに今は、草が生い松虫草が咲いている。高原に咲く薄紫の松虫草の名もゆかしく、詠まれた景色が素晴らしい。(高橋正子)

[8月23日]

★山城見下ろす先に秋の雲/廣田洋一
松山城は街の中心に150メートルほどの小山の上にある。天守から見下ろすと、松山平野が見渡せる。「見下ろす先に秋の雲」は、松山城のあるところ、松山の風景を的確に爽やかに詠んでいる。(高橋正子)

[8月22日]

★色鳥や彩りさかん朝の森/小口泰與
朝の森を歩くと、いろんな鳥が、囀り、枝移りする。メルヘンの世界のような楽しさに浸る作者が見える。(高橋正子)

[8月21日]

★一際に高き虫の音湯につかり/上島祥子
夜には、虫の声が聞かれるようになった。主婦が湯に入るころには、夜も涼しくなり、虫も一際高く鳴く。湯に温まりながら、高く鳴く虫の声を聴く一人の時間は貴重だ。(高橋正子)
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月21日~31日

2016-08-22 22:58:10 | Weblog

8月31日(6名)

●河野啓一
蟋蟀が蝉の代わりに朝の庭★★★
青空にシーツ干したり野分去る★★★★
秋の午後開く古墳の小冊子★★★

●谷口博望(満天星)
落蝉や命をつなぐ夢の後★★★
日矢の下白波立てる秋の瀬戸★★★
鶺鴒や海岸通り波しぶく★★★★

●小口泰與
武蔵野の秋は遅遅たり日は太し★★★★
忽然と咫尺にせまる群蜻蛉★★★
散歩時の日はつれなくも虫の声★★★

●廣田洋一
秋の蚊の弱そうに来てしかと刺す★★★
台風一過ものみな清く見えにけり★★★★
秋夕焼け一筋の雲黄金色★★★

●上島祥子
白抜きのSALEの文字や八月尽★★★

朝露のひと葉も漏らさず草に下り(原句)
朝露のひと葉漏らさず草に下り★★★★(正子添削)
朝露がどの葉にも、ひと葉残らず、辺り一面の葉に降りている。朝露がびっしりと置く季節になったことの驚き。(髙橋正子)

伊豆沖の台風山の窓鳴らす★★★

●桑本栄太郎
朝顔の紺に埋もる町家かな★★★★
あおのけに落ちて鳴き居る秋の蝉★★★
掻い潜り憂きこと過ぎし八月尽★★★

8月30日(6名)

●谷口博望 (満天星)
鬼蓮の花は紫首出しぬ★★★
奇妙なる鉄線の実や竹の玉★★★
新涼の水面に浮かぶサガリバナ★★★★

●小口泰與
門前の蕎麦屋は古りぬ秋の蝉★★★
色鳥や墨絵ぼかしの赤城山★★★
利根川の永久の流れや星月夜★★★★

●河野啓一
夕まぐれ平群の里の静かなる★★★
赤とんぼ群れてほぐれて丘の辺に★★★★
平群の里の丘であろう。まろやかな丘に赤とんぼが群れ、群れたかと思うと、ほぐれて思い思いに飛ぶ。
赤とんぼの飛ぶ景色が丘の上であって、ゆっくりとした時間が過ぎている。(高橋正子)

山夕焼け西に浄土や当麻寺(たいまでら)★★★

廣田洋一
秋夕焼川面を染めし黄金色★★★
台風がどこに行こうと休みとす★★★
電車から束の間見えし秋夕焼★★★★

●桑本栄太郎
うそ寒や階下の目覚しいつまでも★★★
見上げ居る風船葛やベランダに★★★★
あおのけに倒れ鳴き居り秋の蝉★★★

●多田有花
頂に出て秋風と出会う★★★★
蝉の声消えて静かな秋の朝★★★
梨買って葡萄おまけにもらいけり★★★

8月29日(6名)

●谷口博望 (満天星)
母の墓裸足になりて洗う夢★★★★
噂聞き美男蔓の花を見に★★★
瓢箪や恐竜今に歩きそう★★★

●小口泰與
虫聞や今朝の田圃の風柔き★★★
錦繍の湖の夕日や秋あざみ★★★
棚田から棚田へ落つる秋の水★★★★

●上島祥子
 三河湾の日間賀島
台風やうねりの海へ定期船
台風が来てうねっている海への、定期船は出てゆく。大丈夫だろうかと思うが、人の暮らしがかかっている定期船は、少々の台風ならば、欠航しない。うねりの読みは、経験者にあってできること。(高橋正子)

蜻蛉の海を境に集まれり★★★
半島に雲押し寄せる野分かな★★★

●廣田洋一
台風の合間に射せる日の光★★★
黙々と二人で食べし葡萄かな★★★
水澄めり産土神の手水かな★★★★

●河野啓一
-奈良県へ一泊旅行-
大和路に孫子誘いて秋の宴★★★
多武峰(とうのみね)樹々の葉透かし秋時雨★★★
葛城も二上山(ふたかみやま)も秋夕焼け★★★★

●桑本栄太郎
夜半忌や箕面の滝に猿の群れ★★★★
憂きことの数多ありしや八月尽★★★
黒雲の押し寄せ来たり野分来る★★★

8月28日(4名)

●小口泰與
寄る辺無き蔓の行き先秋の風★★★
大沼へ映ろう鹿の声高し★★★
前垂れの洗いざらしの秋気かな(原句)
前垂れの洗いざらしの秋めけり★★★★(正子添削)

●廣田洋一
熱帯夜やつと去りけり秋の声★★★
竜胆を一輪加えご仏前(原句)
竜胆を一輪加え仏前に★★★★(正子添削)
難聴の耳に手を当て秋の声★★★

●谷口博望 (満天星)
眠る母触るるごとくに墓洗う★★★★
蓮の花泥の中より水の精★★★
夢に見し風蘭嗅ぎに夜の園★★★

●桑本栄太郎
空青く初百舌鳥早も猛りけり★★★
ベランダの枕あたりやきりぎりす★★★
青空に雲ながれ行き葛の花★★★★

8月27日(4名)

●小口泰與
小鳥来る手足伸ばせる目覚めにて★★★★
寝苦しかった夜の去り、小鳥が来る季節になった。手足を思い切り伸ばして起き上がる朝の目覚めが爽快だ。(高橋正子)

白昼の太き驟雨や秋の蝉★★★
秋うらら車の鍵をもてあそぶ★★★

●廣田洋一
竜胆や口開けて空を取り込む★★★★
竜胆や横に連なり壺開く★★★
濃竜胆厚化粧せる婦人のごと★★★

●河野啓一
つくつくししかと聞きたりその歌唱★★★
蟋蟀の低き音色や雨上がり★★★
帰省子も二人に増えて秋深し★★★

●桑本栄太郎
川べりのむらさき踊る萩の風★★★
幼子の靴きゅきゅきゅと秋の声★★★
破れ障子風に鳴り居て秋涼し★★★

8月26日(6名)

●谷口博望 (満天星)
長瓜の出自辿れば細き蔓★★★
海向いて鴎の帰る秋夕べ★★★★
秋ともし杉の球果の踊りたる★★★

●上島祥子
秋桜の置かれる路地に朝陽差す(原句)
秋桜の咲いたる路地に朝陽差す★★★★(正子添削)
もとの句は「秋桜の置かれる」という情景はよくわからないので、添削した。
いつ見てもいい風景というのがある。秋桜と朝陽の取り合わせがすがすがしい。色とりどりの秋桜に、朝陽が差すとあたりが、生き生きとしてくる。(高橋正子)

樺太忌語る事なく秋思う★★★

●小口泰與
赤城山(あかぎ)より朝の冷気や赤蜻蛉★★★
さやけしや今宵の月の赤城山★★★
三脚を据えし露台や天の川★★★★

●河野啓一
稔りつつ色深め行く稲田かな★★★★
木々の葉の日を透かしたる秋の色★★★
新涼の風にさわぐや竹林★★★

●桑本栄太郎
穂芒となりて川風あやまたず★★★
軒に吹く風の素通り蘇芳の実★★★★
甘き香の夜辺の想いや酔芙蓉★★★

●廣田洋一
草草のひれ伏したまま野分かな★★★
空青く鉢の転がる野分かな★★★
到着便待つ空港の野分後★★★★

8月25日(6名)

●谷口博望(満天星)
沢蟹のひそかに動く夕間暮★★★
赤信号ちちろ鳴く音の定かなり★★★
夕茜あまり急ぐなつくつくし★★★★

●小口泰與
みぞそばの丸太橋越ゆ流れかな★★★★
釣果無き帰り支度や露葎★★★
秋薊褪せし土塀の粉糠雨★★★

●廣田洋一
桜の木ちらほら見ゆる黄葉かな★★★
黄葉の触れなば落ちん風情なり★★★
ビルの街吹き抜けて行く秋の風★★★★

●河野啓一
青田今朝咲き初めたりし稲田かな★★★
薦められ新米を買う一袋★★★
稜線に生まれ浮き行く秋の雲★★★★
山の稜線のところから生まれる雲が、爽やかだ。生まれた雲が浮雲となって流れてゆくのを見る楽しさは、秋の雲なればこそ、と思う。(高橋正子)

●桑本栄太郎
みまかりし友想いをり秋の風★★★
蝉取りの子等の列ゆく建仁寺★★★★
ふと見上ぐ窓の青空処暑の日に★★★

●川名ますみ
白粉の咲くころ鉢を賜りぬ★★★
夜が来たと鉢の白粉花に知る★★★★
おしろいの閉じるも色の弱まらず★★★

8月24日(4名)

●谷口博望(満天星)
青桐や花さながらに鞘映えぬ★★★
朝月や西へ国道二号線★★★★
初物の生木耳の珍味かな★★★

●小口泰與
群咲きし松虫草や溶岩の原★★★★
昔溶岩が流れ出たところに今は、草が生い松虫草が咲いている。高原に咲く薄紫の松虫草の名もゆかしく、詠まれた景色が素晴らしい。(高橋正子)

遠き日の人おとろうや花芙蓉★★★
鉄橋の汽笛定かや星はしる★★★

●桑本栄太郎
頂きに一本巨木や秋の嶺★★★
濃淡の峰のあわいや秋日影★★★
たらたらと走り集えり地蔵盆★★★★

●河野啓一
百歳の詩集や秋の空澄め★★★★
秋深む童謡歌うお年寄り★★★
デイの午後乙姫さまが爪を摘む★★★

8月23日(5名)

●谷口博望 (満天星)
蝉の羽根そのままま二枚並びけり★★★
晩鐘や秋の風鈴鳴り出しぬ★★★
栗南瓜圧力釜の蒸気音★★★★

●小口泰與
白萩のこぼるる街や鳥の声★★★★
海渡るアサギマダラや藤袴★★★
弾きあう二羽の鴉や鳳仙花★★★

●河野啓一
木漏れ日の明るき庭の秋の色★★★
カヌー漕ぐ水脈白くして秋の湖★★★
水澄むや大和平群の龍田川★★★★

●廣田洋一
松山城見下ろす先に秋の雲★★★★
松山城は街の中心に150メートルほどの小山の上にある。天守から見下ろすと、松山平野が見渡せる。「見下ろす先に秋の雲」は、松山城のあるところ、松山の風景を的確に爽やかに詠んでいる。(高橋正子)

秋晴れや鯉を見守る観音像★★★
大歩危やとんぼう低く群れてをり★★★

●桑本栄太郎
大橋を越えて南座さるすべり★★★
青空と雲を映せり秋の水★★★★
路地ゆけば残暑厳しき京町家★★★

8月22日(3名)

●小口泰與
露草や田川をかける鳥の声★★★
色鳥や彩りさかん朝の森★★★★
朝の森を歩くと、いろんな鳥が、囀り、枝移りする。メルヘンの世界のような楽しさに浸る作者が見える。(高橋正子)

犀や風に従う雲一朶★★★

[8月21日]

●桑本栄太郎
<親しい友人を見送る>
吾に取り良き人逝くや酔芙蓉★★★
初めてのセルフキャッシャー秋暑し★★★
手花火の満を持してや弾け居り★★★★

●廣田洋一
白鷺の川面に映る水澄めり★★★
サーファーら台風の余波楽しめり★★★★
沈下橋一枝止まる秋初め★★★

8月21日(4名)

●小口泰與
露草に今朝は赤城山(あかぎ)の冷気降り★★★★
桐一葉腰の痛みを持ち古りし★★★
夕暮の日のつれなくも秋祭★★★

●谷口博望 (満天星)
我儘を許し給えと墓洗う★★★
故郷やおちこちに咲く百日紅★★★★
もしかして地軸のずれし残暑かな★★★

●廣田洋一
みそはぎやてんでに伸びる蓮の横★★★
五百羅漢秋の日受けて白光り★★★
秋空に白波高し桂浜★★★★

●上島祥子
無花果の大木となる古き家★★★

虫の音の一際高く湯につかる(原句)
一際に高き虫の音湯につかり★★★★(正子添削①)
虫の音の一際高し湯につかり★★★★(正子添削②)
夜には、虫の声が聞かれるようになった。主婦が湯に入るころには、夜も涼しくなり、虫も一際高く鳴いてくれる。湯に温まりながら、高く鳴く虫の声を聴く一人の時間は貴重だ。(高橋正子)

秋暁や回送バスの見送れり(原句)
秋暁や回送バスを見送れり★★★(正子添削)
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●自由な投句箱/8月11日~20日●

2016-08-12 11:04:02 | Weblog

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
コメント (49)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/8月11日~20日

2016-08-12 11:03:24 | Weblog

[8月20日]

★観光バス全ての窓に日焼けの子/上島祥子
観光バスが通り過ぎる。どの窓にも日焼けした子供たちの笑顔がのぞいている。夏休みで、学校のキャンプや子供会などで出かけたのだろう。夏の思い出が詰まった子供たちの顔が想像できる。(高橋正子)

[8月19日]

★緩やかに嶺の広がり秋気澄む/桑本栄太郎
「緩やかに」に作者の気持ちのすべてが表されている。緩やかに広がる嶺を見れば、目にも空気が澄み、気持ちも澄んでくるのだ。(高橋正子)

[8月18日]

★水澄みて川藻の長き影作る/廣田洋一
水が澄み、光が届き、川藻がよく見える。川藻はすくすくと育ち長い影を引いて揺らいでいる。水澄む季節の到来に気持ちが爽やかになる。(高橋正子)

[8月17日]

★あさがおの遠くを思うときは濃く/祝恵子
朝顔の色は、特に青い色は、遠くを思わせるように働く。それは朝顔が咲く時期、晩夏から月遅れのお盆過ぎまで、に大いに関係しているせいもあるだろう。来し方を思うとき、遥か遠い故郷を思うとき、朝顔の色は濃くなる。(高橋正子)

[8月16日]

★幼子の瞳澄みゆく花火の夜/小川和子
暗い空に音がして、きれいな花火の花が咲く。瞳を見張って見る花火は、幼子にとって衝撃的なものであろう。「瞳澄みゆく」は、清らかな瞳とともに実感として受け取れる。(高橋正子)

[8月15日]

★秋薔薇の門をくぐりし僧都かな/小口泰與
西洋の花の代表である薔薇と僧都のとりあわせが「今」の生活の在り様を表している。イメージが鮮明で、印象づけられる。(高橋正子)

[8月14日]

★それぞれが帰る場所あり盆の駅/上島祥子
盆の駅には、出かけて帰る大人も子供も、故郷へ帰省した人たちも混じる。一人残らず当たり前のようにみな家路に向かう。それを特に意識するのが盆なのだ。(高橋正子)

[8月13日]

★陽に染まり崩れ初めたる雲の峰/古田敬二
崩れていく雲の峰が、夕日に染まる美しさ。鎮静の時へ向かう哀しみのようなものを感じさせられる。(高橋正子)

[8月12日]

★爽やかや暁の井戸水汲みにける/小口泰與
暁、井戸水を汲みに外にでると、爽やかな空気に触れる。肌身にしみて爽やかさを感じられる暁だ。(高橋正子)

[8月11日]

★霊迎えきゅうりは家庭菜園で/河野啓一
霊迎えは、仏の世界のことであるが、家庭菜園でできたきゅうりを供えることで、現実生活の具体的な霊迎えとなっている。家庭のあたたかさのある、心をこめた霊迎えである。(高橋正子)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする