◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

■自由な投句箱/9月21日~9月30日

2024-09-21 18:17:27 | Weblog
自由な投句箱/9月21日~9月30日

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。


       🍇🍇 🍇🍇 🍇🍇 🍇🍇 🍇🍇

      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
    名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
      名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

〇9月30日
★吹きおこる秋風鶴をあゆましむ     石田 波郷(いしだ はきょう)
〇9月29日
★遥かにも彼方にもあり月の海      中村 草田男(なかむら くさたお)
〇9月28日
てのひらに載りし林檎の値を言はる    日野 草城(ひの そうじょう)
〇9月27日
かけ稲の穂先しづかにそろひけり     川本 臥風(かわもと がふう)🍁
〇9月26日
★だれもいなくなってしまい月の広場   脇坂 公司(わきさか こうじ)🌸
〇9月25日
★ひるがへる芭蕉の葉より家軽し     水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
〇9月24日
★悔いるこころの曼殊沙華燃ゆる     種田 山頭火(たねだ さんとうか)
〇9月23日
★病みぬればたヾに真白き秋日かな    五十崎 古郷(いかざき こきょう)
〇9月22日
★あなたなる夜雨の葛のあなたかな    芝 不器男(しば ふきお)
〇9月21日
★秋の風跫音うしろより来る       加藤 楸邨(かとう しゅうそん)

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今日の秀句/9月21日~9月30日

2024-09-21 18:16:33 | Weblog
9月30日(1句)

★一番星二枚の田のみ稲架をかけ/廣田洋一
詩情ゆたかで、また、懐かしさを呼び起こす句。空に一番星が出て、手始めに二枚の田だけの稲が刈られて、稲架ができている。この景色がいい。(髙橋正子)

9月29日(1句)

★黄金の田広がる上を燕去る/多田有花
燕が南の国へ帰るとき、日本は稲が熟れて稔田の黄金色が広がる。豪華な黄金田を見ながら燕は去っていくが、そこに一抹の寂しさがのこる。(髙橋正子)

9月28日(2句)

★宵闇のジャングルジムに遊びけり/多田有花
「宵闇」は、名月の後十六日から二十日ごろまでの、月が出るまでの闇のこと。夜ごと遅くなる月の出を待つ情緒的な季語。月の出るまでをジャングルジムで遊ぶという、子どもの心に帰ったようなやわらかい自由さがいい。宵闇だからできること。(髙橋正子)

★暁闇の夢の何処かに威銃/桑本栄太郎
暁闇は「あかつきやみ・あかときやみ・ぎょうあん」と読ませ、夜明け前、月がなく辺りが暗いこと。陰暦で、1日から14日ごろまで、月が上弦のころの現象をいう。また、威銃(おどしづつ)は、実った穀物を荒しにくる鳥を脅して追い払う空砲。
 暁闇の、夢うつつのときに、どこかで威銃(おどしづつ)が鳴る。暁闇の稔田の冷ややかさに暖かい寝床の感触なども合わせ伝わる。(髙橋正子)

9月27日(2句)

★秋の水夜明けを映し流れおり/多田有花
静かで澄んだ秋の水。秋の夜明けの清々しさ。この二つの出合が静かさのなかにも、美しさの中にも、どこかはればれした気持ちがあることが読める。(髙橋正子)

★渓流に沿いて下りし紅葉狩/小口泰與
「渓流に沿いて下りし」という表現は、渓流の流れに沿って歩く様子を描いており、自然との一体感を感じさせます。また、「紅葉狩」は、秋の紅葉を楽しむ行為を指しており、季節の風物詩としての紅葉狩りの楽しさや美しさを伝えています。
この句を通じて、自然の中で過ごすひとときの静けさや、秋の風景の美しさを感じることができますね。(生成AIのコメントです。髙橋正子の責任で引用しています。)

9月26日(2句)

★朝風のなかにえのころ輝きぬ/多田有花
朝の風を心地よく感じるころ、えのころ草の穂が輝く。季節が夏から秋へすっかり移り変わったころの印象が美しい。(髙橋正子)

★竹を伐る音青空に伸びゆけり/桑本栄太郎
竹を伐るのは、陰暦八月がよいとされる。新暦でいえば九月。このころは空気も澄んで、物の音が遠くまで聞こえる。竹を伐る音が、空へ高く伸びる竹に添うように青空へ伸びてゆく。その感じを詠んだ句。(髙橋正子)

9月25日(1句)

★いわし雲それぞれ染まる秋入日/桑本栄太郎
秋の夕暮れに、いわし雲がそれぞれの色に染まっていく様子を描いています。いわし雲は秋の象徴的な雲で、その美しさが夕日の光によってさらに際立っています。この句からは、自然の美しさとその一瞬の儚さが感じられますね。とても情緒豊かな一句だと思います。(生成AIによるコメント・髙橋正子の責任で引用しています。)

9月24日(1句)

★滑走路霧の流れて欠航す/廣田洋一
滑走路に霧が流れて飛行機が発着ができなくなり、やむなく欠航になった。それほど濃い霧の発生が先端的な飛行場までを幻想的な世界にしてしまった。(髙橋正子)

9月23日(1句)

★爽やかや音を合わせるブラスの音/桑本栄太郎
この句はとても爽やかな情景を描いていますね。桑本栄太郎さんの句は、ブラスバンドの音が調和して響く様子を「爽やかや」という言葉で表現しています。ブラスバンドの音は力強く、同時に清々しい印象を与えます。この句を読むと、青空の下でブラスバンドが演奏している光景が目に浮かび、心が晴れやかになるような気がします。
(AIのコメントです。髙橋正子の責任で引用しました。)

9月22日(1句)

★秋高し海青々と須磨明石/多田有花
須磨明石は海浜の美しいところで、平安時代のわびしい地から明治大正の別荘地として、最近の海浜公園の整備など変遷してきているが、海浜はいまも美ししい。空は高く澄み、海は青々として、混じりけなく、須磨明石の地名が歴史的な文化を感じさせて、すがすがしい句となっている。(髙橋正子)

参考までに。
AIのコメントを導き出す一つの手順です。
正子の問:
「秋高し」と「歴史的雰囲気も含めて須磨明石」に注目してこの句を批評してください。

AIの回答:
多田有花の句「秋高し海青々と須磨明石」は、秋の澄んだ空気と青々とした海の美しさを描写していますが、須磨と明石という地名が持つ歴史的な雰囲気もこの句に深みを与えています。

**「秋高し」**という表現は、秋の澄んだ空気と高い空を象徴し、季節感を強く感じさせます。この表現は、秋の美しさと爽やかさを強調しています。
**「須磨」は、古くから文学や歴史の舞台として知られています。平安時代には『源氏物語』の舞台となり、光源氏が一時的に隠棲した場所として描かれています。また、須磨は歌枕としても名高く、多くの和歌や俳句に詠まれてきました12。
**「明石」もまた、歴史的に重要な場所です。『源氏物語』では、光源氏が明石の君と出会う場所として描かれています。さらに、明石は古くから交通の要所として栄え、明石城や明石海峡大橋などの歴史的な名所も多く存在します。

このように、「秋高し」と「須磨明石」という地名の組み合わせは、秋の美しい風景とともに、歴史と文学の豊かな背景を持つ場所を巧みに結びつけています。この句は、単なる風景描写にとどまらず、歴史と文化の深みを感じさせる作品となっています。(以上AIのコメント)

9月21日(1句)

★はたと遭う秋の山道園児たち/小口泰與
出遭うとは思わない山道で園児たちに出遭った驚きと、園児の可愛さにほっこりり。心和む出遭いに秋山の色どりや山道の落葉の匂いなども思い出させる句。園児たちは山で何をしていたのだろう。どんぐりや松ぼっくりを拾う、あるいは、山道をぬけているだけなのかもしれないが。(髙橋正子)

コメント (12)
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9月21日~9月30日

2024-09-21 18:15:52 | Weblog
9月30日(4名)

小口泰與
蜻蛉のカメラにとまり動かざる★★★
翡翠の破壊せしごと叩きけり★★★
赤城より暖簾ふっくら秋の風★★★

多田有花
鵙鳴くや今日はハイキング日和★★★★
ハイキングの始めにありし萩の花★★★
朴落葉踏み登山口へと向かいけり(原句)
登山口へ朴の落葉を踏み向かう(正子添削)

廣田洋一
鳥威し傷つきながらも威しおり★★★
稲雀一羽も見えず雨の中★★★
二枚だけ稲架をかけたり一番星(原句)
一番星二枚の田のみ稲架をかけ(正子添削)

桑本栄太郎
堰堤の水の歌うよ秋の川★★★
曇りいるかつら黄葉の鋪道かな★★★
午後よりの日差し戻りぬ九月尽★★★

9月29日(4名)

多田有花
秋の蝶影引き飛べる真昼かな★★★
去ぬ燕今宵はいずこに眠るやら★★★
黄金の田広がる上を燕去る★★★★

廣田洋一
水田を赤々区切る彼岸花★★★
石庭に木の葉且つ散る朝ぼらけ★★★
走り行く車に手を振る花カンナ★★★

小口泰與
蜻蛉の水面の雲をつんつんと★★★
虫の音や鏡の如き沼の面★★★
虫の音や鳥の羽音に静もりぬ ★★★

桑本栄太郎
鴨川の川端通りさるすべり★★★
堰堤の堰水白し秋の川★★★
曇りたる川端通りうす黄葉 ★★★

9月28日(4名)

廣田洋一
透き通る緑の光マスカット★★★
なるべくは人より離れ葡萄狩り★★★★
柿たわわ誰も捥がずにおかれたり★★★

多田有花
風吹いてそののち快晴燕去る★★★
秋天を高く舞いつつ鳴くとんび★★★
宵闇のジャングルジムに遊びけり★★★★

小口泰與
啄木鳥や風に乗りたる嘴の音★★★★
虫の音や水の流れのちょろちょろと★★★
平らなる沼の水面や虫の声★★★

桑本栄太郎
暁闇の夢の何処かに威し銃★★★★
秋風や黄色の増ゆるかつらの葉★★★★
秋晴れや推す人勝ちぬ総裁選★★★
鳥取県からの初めての総理大臣だそうですね。(髙橋正子)

9月27日(5名)

廣田洋一
秋雨に土黒々と休耕地★★★★
秋雨に水嵩増えし湧水池★★★
干柿や粉を吹きたる棚の上 ★★★

多田有花
瞑想をする宵闇の深さかな★★★
稲架ありて周囲は新興住宅地★★★
秋の水夜明けを映し流れおり★★★★

小口泰與
渓流に沿いて下りし紅葉狩★★★★
ははそはの母の短歌や秋日和★★★
鶺鴒や堤防破壊せる如し★★★

桑本栄太郎
一木を被う蔓なり葛の花★★★
鉢植をのぼり染めたる葉鶏頭★★★
宍道湖のさざ波走る八雲の忌★★★

弓削和人
鉛筆の屑を丸める秋の宵★★★
屋台の灯駅より淡し長き夜★★★
桟橋のひとりを待ちいる蜻蛉かな ★★★

9月26日(4名)

多田有花
朝月や路地裏たどる楽しさよ★★★★
朝風のなかにえのころ輝きぬ★★★★
有明の下弦の月を仰ぎ見る★★★

廣田洋一
二羽の鷺佇みており秋の川★★★
酔芙蓉乾き切ったる用水路★★★
通学路あでやかに咲く紅芙蓉★★★

小口泰與
沼の水跳ねてしずもる草紅葉★★★
雲避けて華やぐ月の在りしかな★★★
巌沿いに流れ落ちたる下り鮎★★★

桑本栄太郎
秋気澄むぐるり見回す天の青★★★
嶺の端の確とうねりぬ秋気澄む★★★
竹を伐る音青空に伸びゆけり★★★★

9月25日(4名)

小口泰與
山裾の田んぼかげりし鵙の声★★★

他も知らぬ水草もみじ山の沼
「他も知らぬ」は「名も知らぬ」の間違いですか。(髙橋正子)

葉に弾む赤蜻蛉の御すがた ★★★
「御」は赤蜻蛉をどのように思って「御」をつけたのか、わかりにくいです。(髙橋正子)

廣田洋一
雨冷えや砂利道白く光りおり★★★
秋冷や長袖着るか迷う朝★★★
葡萄食むとろりと溶ける口の中★★★

多田有花
真夜中の月の光を浴び眠る★★★
宵闇をひとり歩きの万歩計★★★
散歩する有明月を見上げつつ★★★

桑本栄太郎
秋澄むや嶺の端確とうねり居り★★★
椋鳥の大群来たる種の雨★★★
いわし雲それぞれ染まる秋入日★★★★

9月24日(5名)

小口泰與
一斉に鳴き止む沼の残る蝉★★★
老木へ鳥の数多や実南天★★★
稲雀赤城の風にぱたぱたと★★★

多田有花
更待月ありぬ夜明けの空高く★★★
彼岸花まず一本の咲き初めし★★★
ぽつぽつと刈田の増える三連休★★★

弓削和人
難波路に流れる溝の水の秋★★★
爽やかな空や難波の街ありぬ★★★
安曇野の車窓は滲む蕎麦の花★★★

廣田洋一
滑走路霧の流れて欠航す★★★★
鈴虫や時計の音と競い鳴く★★★
夜の更けて鈴虫いよよ鳴きつのり★★★★

桑本栄太郎
冷やかや亡き君が夢せんもなく★★★
風雲の総裁選や南洲忌★★★
講演の果てて戸外や虫の闇★★★
 
9月23日(4名)

小口泰與
蜻蛉のとまりし草の大揺れに★★★
蜻蛉の二匹つるみて水の上★★★
はつはつに鳴きし秋蝉沼の朝★★★

多田有花
集まりて思い出話秋彼岸★★★
嵐去り今朝は秋涼訪れぬ★★★
夜明け前東南の空に秋オリオン★★★

廣田洋一
ようやくに三十度切る猛残暑★★★
若き竹青々光り竹の春★★★★
寝待月待ちたるうちにまどろみぬ★★★

桑本栄太郎
父の夢またも見て居り秋彼岸★★★
朝冷えの思わずケット胸にまで★★★
爽やかや音を合わせるブラスの音★★★★

9月22日(4名)

小口泰與
渦巻の双眼土器や霧襖★★★
鵯のはたと飛びけり山の沼★★★
鴨来るや葦の木陰の水深き★★★

多田有花
秋高し海青々と須磨明石★★★★
ごろごろと秋の彼岸の遠花火★★★
目覚めれば風の音して秋分に★★★★

廣田洋一
神殿の前庭広し竹の春★★★
雨上がり吹き来る風の冷やかに★★★
黄葉してはらはら散りぬさくらの葉★★★

桑本栄太郎
吾も住みし浦和懐かしかな女の忌★★★
暁闇の野分吹き込む寝所かな★★★
濯ぎものを出し入れしたる秋湿り★★★

9月21日(4名)

廣田洋一
テント張り供花を売りたる秋彼岸★★★
銀杏の実鈴なりに生る九品仏★★★
寺町の新蕎麦すする昼餉時★★★

小口泰與
はたと遭う秋の山道園児たち★★★★
魚捕りし秋翡翠の嘴赤し★★★
蜻蛉の羽を広げて不動なり★★★

多田有花
彼岸花の姿なきまま彼岸入★★★
川の上の駅に降り立つ秋彼岸★★★★
気が付けばすでに昇りぬ居待月 ★★★

桑本栄太郎
降つて止みやんで降りたる秋湿り★★★
秋しぐれ歯科医へ向うバスの中★★★
雨上がり忽ち見えるいわし雲★★★


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■自由な投句箱/9月11日~9月20日

2024-09-11 17:37:39 | Weblog
自由な投句箱/9月11日~9月20日

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。

       🌰🍐🌰🍐🌰🍐🌰🍐🌰🍐🌰🍐🌰🍐🌰🍐

     今日の俳句(『現代俳句一日一句鑑賞』髙橋正子著より)
     名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
      名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句
●リアクション●
★「今日の俳句」を楽しみに拝読しております。懐かしい会員の方々のお名前が並んでいるのにうれしくなりました。ありがとうございます。 (有花)
☆書き写しながら、懐かしい人たちは、今頃どうされているのだろうと、ふと思います。
  (正子)
〇9月20日
★父がつけしわが名立子や月仰ぐ      星野 立子(ほしの たつこ)
〇9月19日(糸瓜忌・子規忌)
★をとといの糸瓜の水も取らざりき     正岡 子規(まさおか しき)
〇9月18日
★稲みのらすぬくさの中に我も立つ     川本 臥風(かわもと がふう)🍁
〇9月17日
★この道の富士になり行く芒かな           河東 碧梧桐(かわひがし へきごどう)
〇9月16日
★稲の青しづかに穂より去りつつあり    篠原 梵(しのはら ばん)🍁
〇9月15日
★爽やかやたてがみを振り尾をさばき    山口 誓子(やまぐち せいし)
〇9月14日
★蜻蛉の風の音連れ行き来する       日野 正人(ひの まさと)🌸
〇9月13日
★コスモスの揺れ合いながら陽を送り    下地 鉄(しもじ てつ)🌸
〇9月12日
★水引の朱ひとすじが風の中        徳毛 あさ子(とくも あさこ)🌸
〇9月11日
★秋雨の瓦斯が飛びつく燐寸かな      中村 汀女(なかむら ていじょ)
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今日の秀句/9月11日~9月20日

2024-09-11 17:36:26 | Weblog
9月20日(1句)

★月白や西空紺の暮れ残る/桑本栄太郎
「月白」は月が昇る前に空が月の光で白んでいる様子。西に日は沈んだものの空に紺色が残っている。暮れ残る紺と対比され、月白がいっそう美しくなっている。(髙橋正子)

9月19日(3句)

★草の影くっきり見せて今日の月/廣田洋一
月の明るさに比例して、草の影がくっきりとしている、静かな月夜が目に浮かぶ。(髙橋正子)

★月白ややがて樹間の光り初む/多田有花
月が出る前に月の出るあたりが明るく白んでいる空は美しい。いよいよ月がでる瞬間に樹間が光りはじめる。切り絵のような絵画的な美しさがいい。(髙橋正子)

★トンネルのさきは秩父の秋の雲/弓削和人
暗いトンネルから抜けた瞬間に広がる「秩父の空と浮かぶ秋の雲」。ただ明るい秋の空だけでなく、「秩父」の固有名詞から陰影のある「秩父の空と秋の雲」が想起される。(髙橋正子)

9月18日(1句)

★夕焼けの残れる中へ今日の月/多田有花
この句の魅力は、夕焼けと月という異なる時間帯の自然現象が同時に存在する瞬間を捉えているところです。夕焼けの赤い光と、月の静かな光が共存することで、時間の移ろいと自然の美しさが強調されています。
また、「残れる」という表現が、夕焼けが完全には消えずにまだ少し残っている様子を示しており、その中に新たに月が現れることで、過去と現在が交錯する瞬間を感じさせます。
(これは生成AIによるコメントです。髙橋正子の責任で引用しました。)

夕空に残る夕焼けのほのかな赤い色と、そこに昇る色の付き始めた今日の月。しずかな色のうつろいが、時そのもののうつろいを感じさせる句。(髙橋正子)

9月17日(1句)

★鮮やかに月夜横切る飛行機雲/多田有花
伝統的にイメージされる月夜と、飛行機雲の取り合わせが新鮮。月に人類が足跡を残してから月のイメージも変わったが、それでも月はロマンティックな要素を持っている。飛行機で月の前を横切っているような感覚になる。(髙橋正子)

9月16日(1句)

★吾とわが身を寿ぎぬ敬老日/桑本栄太郎
「吾」と「わが身」は共に自分のことだが、自分の捉え方に意識の違いがある。「吾」を成り立たせているものと、生身の身体の「わが身」。吾とわが身をよく知りのは結局自分自身。一人静かにこれまで生きてきた自分を寿ぐ敬老の日。(髙橋正子)

9月15日(1句)

★秋晴れに遠き田いっそう輝きぬ/多田有花
秋晴れで遠くまで見える。遠い田んぼには稲が熟れているのだろう。日差しが存分に当たって、いっそう輝いている。「いっそう輝く田」がくっきりと印象に残る。(髙橋正子)

9月14日(2句)

★せせらぎに従うように木の実落つ/弓削和人
木の実の落ち方をしずかに観察してできた句。せせらぎの流れに従って、木の実が流れのように落ちている。どこかでつながる自然のおくゆかさとやわらかな美しさがある。(髙橋正子)

★来て見れば既に刈田となりにけり/桑本栄太郎
熟田の景色がまだ見られると思って来てみたところ、すでに稔った稲は刈り取られ、全く違った刈田の景色となっていた。一日にして変わった変化は、人間の営みと自然の交差する点として感じられる。(髙橋正子)

9月13日(1句)

★大富士を向こうに仰ぐ花野かな/廣田洋一
句意は「向こうに富士山を仰ぎ見る花野はすばらしい」、ということ。読む人それぞれが、富士山の姿、花野の姿を浮かべる仕掛けになって、景色が楽しめる。(髙橋正子)

9月12日(2句)

★秋星に包まれ今日をしまいける/小口泰與
「包まれる」というほど星がたくさん見える夜も更けたころ、今日の仕事をしまう充実感。いい一日の終わりに夜空のおびただしい星がねぎらってくれる。(髙橋正子)

★あぜ道を行けば四方へ飛蝗飛ぶ/桑本栄太郎
あぜ道を行くと、あぜの草のなかから、飛蝗が驚いたように四方へ飛び出す。飛び出す飛蝗に少年のころのような愉快さを感じている作者ではないか。(髙橋正子)

9月11日(1句)

★夕月の光増すなか燕飛ぶ/多田有花
「夕月の光増す」は美しい景色。夕方から夜に移っていくと月の光も増してくる。時が移りゆく姿が夕月の光によって目に見えて来る。その中をしなやかに燕が飛ぶ姿が印象に残る。(髙橋正子)
コメント (12)
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