11月22日(4名)
小口泰與
山つなぐ靄の横綱冬紅葉★★★
三山は靄の衣や冬紅葉★★★
明治より秘湯の宿や冬紅葉★★★★
廣田洋一
冬麗喜寿を祝へるクラス会★★★
小学校発祥の碑や落葉降る★★★★
神前を埋めたる一家七五三★★★
多田有花
<赤目四十八滝三句>
見上げれば頭上さんさん冬紅葉★★★
冬の滝段々となり流れ来る★★★
冬滝の生みし滝壺の藍色(原句)
冬滝の生める滝壺の藍色★★★★(正子添削)
桑本栄太郎
風音の嶺より来たる冬一番(原句)
風音の嶺より来たり冬一番★★★★(正子添削)
吹きすさぶ風の団地やもがり笛★★★
木枯や入日に黒き山の影★★★
11月21日(4名)
小口泰與
今朝もまた山茶花散っておりにけり★★★
浅間山冬青空へどっしりと★★★★
単純明快な句。浅間山の雄大な姿は、「冬青空へどっしりと」という表現で充分とする心意気が潔い。(高橋正子)
大沼へ冬雲ぐいと現われし★★★
廣田洋一
頭上げ見張る一羽も浮寝鳥★★★
漣に少し流され浮寝鳥★★★★
水に浮いて寝ている鳥を見ると、ふわっと浮いて軽い感じがする。漣に少し流されるほどだ。水や風にも流される浮寝鳥の本性なのであろう。浮世の事柄として、そんなところが面白い。(高橋正子)
浮寝鳥近づく鯉に目もくれず★★★
多田有花
<赤目四十八滝三句>
滝壺の底深々と冬はじめ★★★★
滝ひとつまた滝ひとつ冬紅葉★★★★
巡る滝、巡る滝、出会う滝、出会う滝が、冬紅葉で彩られている。それらの美しさを堪能されたことだろう。(高橋正子)
水落ちる水輪の続き散る紅葉★★★
桑本栄太郎
だれ一人採る人なきや柿灯る★★★★
山茶花の白き垣根やうすき紅★★★
綿虫の吾に添い来る日射しかな★★★