[1月31日]
★鬼やらいやられっぷりの練習す/廣田洋一
鬼やらいの鬼役は、役者とも言えて、やられっぷりが見せ所。練習の甲斐あって、楽しい鬼やらいとなること間違いなし。(高橋正子)
[1月30日]
★ぱっぱっと日ごと春待つ梅開く/多田有花
梅が開くのを「ぱっぱっと」とは、歯切れよく、梅の清潔感につながる。日ごとに梅が白い花を全開にする。春は「日ごと」近づくのだ。(高橋正子)
[1月29日]
★掌のひまわりの種に来る寒禽/多田有花
手のひらに小鳥が来て、驚くような嬉しさ。警戒心を解いた寒禽が可愛いい。もちろん、作者も。(高橋正子)
[1月28日]
★十能の燠を掻き混ぜ堀火燵/桑本栄太郎
懐かしい風景だ。昔はどこの家庭にも「堀火燵」があって、そこが家庭団欒の場であった。(高橋信之)
★カラフルなウィンドブレーカー持久走/上島祥子
「持久走」は70%ぐらいの力で5~30分間走ることであるが、学校現場では全力で走り競争を伴う長距離走と混同されていることが多い。長い距離を走ることは文科省の学習指導要領(小学校)では長距離走ではなく持久走として扱うこととしている。日本の小・中・高等学校ではしばしば持久走大会(もしくはマラソン大会)が行われる。私は、小・中・高を通じて、最も得意な競技は、持久走(マラソン)であった。(高橋信之)
[1月27日]
★群雀枯野を囃し忽と翔つ/小口泰與
蕭条とした枯野が雀の群れに一頻りにぎやかに囃されていた。と、思うと、雀らは忽然と飛び立って、枯野はもとの寂しい枯野に。稲雀とはまた違う雰囲気だ。(高橋正子)
★探梅や日射しに近き丘の上/桑本栄太郎
丘は太陽の日射しに近い。見晴らしもよく、暖かいところとなり、梅の花もまずこんなところから開く。探梅のころの日射しの明るさが嬉しい。
「日射しに近い」の表現に一瞬、戸惑ったが、「日射しに近い頭から帽子を冠り日射病を防ぐ」という例にあたった。(高橋正子)
[1月26日]
★群雀枯野を囃し忽と翔つ/小口泰與
蕭条とした枯野が雀の群れに一頻りにぎやかに囃されていた。と、思うと、雀らは忽然と飛び立って、枯野はもとの寂しい枯野に。稲雀とはまた違う雰囲気だ。(高橋正子)
★探梅や日射しに近き丘の上/桑本栄太郎
丘は太陽の日射しに近い。見晴らしもよく、暖かいところとなり、梅の花もまずこんなところから開く。
探梅のころの日射しの明るさが嬉しい。
「日射しに近い」の表現に一瞬、戸惑ったが、「日射しに近い頭から帽子を冠り日射病を防ぐ」という例にあたった。(高橋正子)
[1月25日]
★寒晴の日射し眩しきバスの窓/桑本栄太郎
特に珍しい風景ではないが、作者の実感が読み手に伝わってくる。私の好きな、いい句だ。(高橋信之)
[1月24日]
法隆寺から松尾山登山
★振り向けば五重塔の春を待つ/多田有花
松尾山へ登り、振り返って五重塔を見れば、春はそこに来ているという光のある景色だ。五重塔が春を待つのも斑鳩の里の趣だ。(高橋正子)
★外つ国のお客もてなす敷松葉/廣田洋一
外国からのお客をもてなすときは特に、日本の風情を味わってもらいたいと思う心が働く。敷松葉は、苔の保護のため敷かれるが、「枯」の風情にもなっている。楽しんでもらえただろう。(高橋正子)
★寒梅や少年野球の河川敷/桑本栄太郎
「寒梅」に「少年野球」。いい風景だ。「寒」であれば、なお、いい風景だ。季語の「寒」が「季題」となった。(高橋信之)
[1月23日]
★二輪目は夕日へ向かい梅ひらく/川名ますみ
一輪目が開いたうれしさ。そして二輪目の梅の花を見たのは、夕日の中。夕日に花を向けて、夕日にあたたかく染まっている。二輪目の愛おしさ。(高橋正子)
★硝子戸の夜空美はし寒雷忌/桑本栄太郎
寒雷忌は、大須賀乙字の忌日で、1月20日。この日は大寒となった日であったから、厳寒の空気に夜空は美しく澄んでいた。(高橋正子)
[1月22日]
★探梅の里にもういいかいの声響く/上島祥子
探梅に出かけた里。思いかげず、子供の「もういいかいの声」。「もういいかい」に昭和の遊びがまだ残っているなつかしさ。探梅の里の昭和にタイムスリップしたような長閑さ。(高橋正子)
[1月21日]
★大寒の頂に立つ影法師/多田有花
季題を「大寒」とした、いい句だ。季節感がいい。(高橋信之)