◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

6月23日(日)

2013-06-30 08:09:04 | Weblog
●小口泰與
若葉食む親子の鹿やいろは坂★★★
花の名も忘るや滝の冷気浴び★★★
榛名湖へ道ありありや立葵★★★

●河野啓一
梅雨晴れ間草木も吾も活き活きと★★★
梅雨晴れ間表六甲ドライブに★★★
まろやかにかたき世なれや枇杷実る★★★

●小西 宏
合歓の花淡し翔けゆく飛行機雲★★★★
儚げな合歓の花と、描かれてまた消える飛行機雲の取り合わせの妙だが、「飛行機雲」が伸びて行く様子を「翔けゆく」と捉えたところが、作者の個性。(高橋正子)

青トマト重し老農編む柵に★★★
野を歩き夏の色花摘まず措く★★★

●桑本栄太郎
暮れかかり仕切りに呼びぬ親つばめ★★★
のうぜんの花に夕闇迫りけり★★★
近道を選ぶ家路や梅雨きのこ★★★

●川名ますみ
真っ白な紫陽花濡るる壕の辺に★★★
どの草も蒼く七変化の真白★★★
車中には燕見たかとそればかり★★★
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月22日(土)

2013-06-30 08:08:09 | Weblog
●小口泰與
わたすげや戦場が原雲も無し★★★★
戦場ヶ原は日光の高層湿原。雲もなく晴れた湿原にわたすげが咲き、男体山などの山々が見渡せる高層湿原の清々しい風景。その良さが句となった。(高橋正子)

新緑の龍頭の滝の荒きかな★★★
桷咲くや光徳沼へ牛の声★★★

●迫田和代
梅雨おして訪ねた人の優しさに★★★
海のもの防風探しで浜をゆく★★★
月見草ある人言った富士に合う★★★

●多田有花
夏至の朝三日続きの雨を聞く★★★
売られたる田に夏草の生い茂る★★★
花に深く入りて蜜吸う揚羽蝶★★★

●河野啓一
遺伝子を大事に詰めて枇杷実る★★★
取り出せば大きく堅い枇杷の種★★★
荒梅雨の去りて生駒の山青し★★★

●桑本栄太郎
高きもて天を開くや立葵★★★
見上げいる空せめぎ合い青楓★★★
うたた寝の樂となりけり夏至の雨★★★

●小西 宏
夏至の日のゴールキーパー遠く蹴る★★★
梅雨の朝ひかり差し来る窓の青★★★
旅客機の近づいていく梅雨の月★★★
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月21日(金)

2013-06-22 10:59:57 | Weblog

●河野啓一
紫陽花の軒端に雨水たっぷりと★★★★
紫陽花が咲く軒端に雨水がたっぷりと溜まっている。たっぷり溜まった雨水がゆたかで涼しい。(高橋正子)

梅雨寒の庭に雨傘挿して出る★★★
雨受けて葉蔭に育つ青柿一つ★★★

●小口泰與
あけぼのの赤城を映す植田かな★★★
青空の足尾銅山茂りかな★★★
万緑や明智平のロープウェーイ★★★

●藤田裕子
刈り込まれ青葉の輝き街筋を★★★
雨に咲く紫陽花の青無垢の青★★★
視野を越え小さき夏蝶木々に消ゆ★★★

●桑本栄太郎
大阪府三島郡とや青田波★★★
青梅雨や駅のホームの島本町★★★
サントリー大山崎の青嶺かな★★★
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月20日(木)

2013-06-22 10:41:08 | Weblog

●小口泰與
じゃがいもの花や赤城は靄の中★★★★
雄々しい赤城の山も靄の中に消え、薄紫のじゃがいもの花が優しく咲く。じゃがいもの花が咲く頃は、雨の後など靄がかかりやすい。季節がよく捉えられている。(高橋正子)

夕映えに包まる雲や桐の花★★★
驟雨にも列を乱さず蟻の列★★★

●祝恵子
厨にはまだ濡れ輝いてミニトマト★★★
風のでて布袋草かすかに揺れる★★★
親来れば子つばめ口となる三羽★★★

●河野啓一
長雨に雨水湛えて合歓の花★★★
百合白く行列したるデイの庭★★★
ようやくにいつものような梅雨となり★★★

●多田有花
梅雨の蚊にしたたか喰われ目覚めけり★★★
雨濡らす梅雨の緑のいきいきと★★★
低山の頂隠し梅雨の雲★★★

●桑本栄太郎
明日ありと希む高さや立葵★★★★
立葵はまっすぐ茎が立って花が咲き昇る。空に咲き昇る花の光景は、「明日がある」と希望をもたせてくれる。(高橋雅子)

雨乞いの滋賀の山並み遠きかな★★★
草叢の被う流れや夏の川★★★

●小西 宏
子らの畑に茄子の実太くぶら下がる★★★
梅雨晴に玉蜀黍の花盛ん★★★
病院の裏手に夏の野の花々★★★

●高橋秀之
店内に立ち込む鮑焼く香り★★★
通勤の鞄が重し梅雨の朝★★★
葉桜の雨に打たれて色映える★★★
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月19日(水)

2013-06-22 10:39:28 | Weblog
●小口泰與
石竹や髪をなびかす女学生★★★
青空へとけて声のみ夏ひばり★★★
夕さりや畔の十字の余り苗★★★

●桑本栄太郎
風が吼え木が吼え朝の青嵐★★★
西山の隠れ見えざる白雨かな★★★
坂道をつたい小路の夏出水★★★

●河野啓一
荒梅雨も天の恵みと受け止める★★★
福祉士の笑顔嬉しき梅雨の朝★★★
青簾茂るを夢見てゴーヤ植う★★★

●小西 宏
ベランダの手摺一列燕の子★★★
親鳥に急かされ空へ燕の子★★★
梅雨空に揺れて清しき寒枯藺(かんがれい)★★★

●佃 康水
浴衣着の少女ら駅に待ち合えり★★★★
少女たちは駅で待ち合わせ、夏祭りに出かけるのだろう。浴衣をすがすがしく着て友達が来るのを待っている。楽しそうなこと。(高橋正子)

緑陰の葉擦れの音へ将棋指す★★★
田の隅へ固まりそよぐ余り苗★★★

●川名ますみ
青梅雨を語るひと日よ伯父の来て★★★
葉も枝も裏を見せたる青嵐★★★
青あらし世界の回る音がする★★★



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする