◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/6月21日~6月30日

2024-06-22 06:53:56 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。


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今日の秀句/6月21日~6月30日

2024-06-22 06:52:07 | Weblog
6月30日(1句)

★ばらの香をまとい朝日の出でにけり/小口泰與
ばら園など、一面にばらがさいているのだろう。日の出とともに、ばらは匂い立って明るい色を広げる。そんなとき、朝日がばらの香りをまとって昇った感じがした。早朝の清々しい薔薇園が想像できる。(髙橋正子)

6月29日(1句)

★かろがろと浴衣に成りて町中に/小口泰與
温泉街なのだろう。浴衣になって町中を歩くと浴衣のかるさに開放感と安らぎを感じる。着るもので人の気持ちも左右されているようだ。(髙橋正子)

6月28日(2句)

★見えていて遠き浅間や夕蛍/小口泰與
浅間山がいつも見えていて、身近な存在なのだが、思えば実際の距離は遠い。夕蛍に抒情がある。(髙橋正子)

★夕日浴び赤く燃えたる夏野かな/廣田洋一
夕日を浴びて赤く燃える夏野は見ているだけで美しい。その静かな感動に共感できる。(髙橋正子)

6月27日(1句)

★滝の水水に押されて落ちにけり/廣田洋一
滝の水が落ちて来るのを見ていると、水が水を押して水が落下しているように見える。その感覚が面白い。(髙橋正子)

6月26日(1句)

★昇り来る陽を縦横に夏つばめ/多田有花
「昇り来る陽」の新鮮さが夏らしい清々しさがある。夏つばめも縦横に飛び交い生き生きとしている。(髙橋正子)

6月25日(1句)

★水換えて目高生き生き泳ぎけり/小口泰與
目高の水を替えると、目高がよろこんで、生き生き泳いでいる。それを見ているものまで、たのしく、元気が湧いてくる。(髙橋正子)

6月24日(1句)

★牛肉と馬鈴薯を食ぶ独歩の忌/多田有花
国木田独歩は、短編小説『牛肉と馬鈴薯』がある。牛肉を現実主義、馬鈴薯を理想主義と考えて倶楽部に集まったものたちが、それぞれの考えを述べる、思想的、哲学的小説。牛肉と馬鈴薯を合わせた煮ものや、牛ステーキに馬鈴薯を添えたり、牛肉と馬鈴薯を合わせ食べる機会は多い。そんなとき、独歩を思い出すということ。(髙橋正子)

6月23日(2句)

★前をゆく軽トラックの早苗積み/多田有花
田植のシーズン。道路を走る車はいろいろだが、早苗を積んだ軽トラックも走っている。道路を走る車に早苗をみたとき、田植の季節を強く感じた。別世界のものが紛れ込んだ新鮮さがいい。(髙橋正子)

★威勢よく草刈る男の腕まくり/弓削和人
勢いよく草を刈っている男がいる。繁った草を刈りこむ意気込みが「腕まくり」によく現れている。(髙橋正子)

6月22日(1句)

★社務所より雷気遣う声もらう/多田有花
神社で雨宿りをしていたのだろうか。ひどい雷がなり、雨も激しくなったのだろう、社務所から「大丈夫ですか」と声を掛けられた。「声をもらう」に、社務所の気遣いに対しての感謝の気持ちが何気ないが、表れている。(髙橋正子)

6月21日(2句)

★霊木の雫を零す夏至の雨/廣田洋一
「夏至」という天文的に特別な日と、「霊木」との取り合わせに、その日の雨が特別な、霊験あらたかな雨に感じられる。緑茂る霊木の雰囲気がよく伝わってくる。(髙橋正子)

★六月の樹々雨音を迎えたり/弓削和人
ひとつひとつの雨音が六月の樹々の葉に撥ねて、樹々は雨をよろこび、楽しんでいる感じがする。「六月の樹々」は感覚的に新しい。(髙橋正子)
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6月21日~6月30日

2024-06-22 06:47:15 | Weblog
6月30日(4名)
小口泰與
いただきし竹の子ひとつ子と分くる★★★
川蝉のかんばせ振りて水上へ★★★
ばらの香をまとい朝日の出でにけり★★★★

多田有花
人にひとつ物語あり梅雨曇★★★
梅雨空や巣立ち燕の群れて舞う★★★
車好きが車をいじる梅雨晴間★★★

桑本栄太郎
雨雲の峰より里へ梅雨深し★★★
梅雨寒や読書の間にも肩の凝り★★★
寝てすぐの音に起こさる夜立ちかな ★★★

廣田洋一
ずんぐりと太きバナナを買いにけり★★★
早速にキーボード蹴る梅雨晴間★★★
自転車の補助輪外す梅雨晴間★★★

6月29日(5名)
小口泰與
釣り糸のからまる音や岩魚釣★★★
朝からの曇り空より梅雨滂沱★★★
かろがろと浴衣に成りて町中に★★★★

多田有花
椋大樹の茂り一本佐伯神社★★★
胸はりて近くとまりぬ夏燕★★★
紫陽花の色を濃くする朝の雨★★★

桑本栄太郎
土曜日の園の静寂や蔦青し★★★
いそいそとお使いへ行く梅雨晴間★★★
夏蝶の黄色は黄花白は白★★★

廣田洋一
サッカー場の歓声聞こゆ大夏野★★★
雨上がり少し濁れる夏の川★★★
梅雨晴間釣竿提げて川べりに★★★

弓削和人
小雨やむ六月風の通うとき★★★
青空のいついつまでも夏衣★★★
やわらかな陽光を背に貸浴衣★★★

6月28日(4名)
小口泰與
風死すや明けの鴉のかまびすし★★★
神代より咲き続けたる栗の花★★★
見えていて遠き浅間や夕蛍★★★★

廣田洋一
草刈女噂話を広めたり★★★
夕日浴び赤く燃えたる夏野かな★★★★
釣堀に父子の笑顔広がりぬ★★★

多田有花
のうぜんの色鮮やかな雨あがり★★★
親おらぬ間はおとなしく燕の子★★★
夏つばめ次々巣から飛び出しぬ★★★

桑本栄太郎
五厘までしるす日記や芙美子の忌★★★★
真夜に降る音に目覚むや梅雨深し★★★
青梅雨やすすきの白線目立ち居り★★★

6月27日(3名)

小口泰與
かわだれの沼へ川蝉翔け来たる★★★
鮎のぼる利根の川音(かわと)の盛んなり★★★
牛蛙げぼっと鳴きてそれっきり★★★

桑本栄太郎
曇りいて日射しなけれど溽暑かな★★★
朽ち来ても山梔子の花匂い居り★★★
老鶯の訛りのままに”ホ~ケチョビ~”★★★

廣田洋一
河骨や黄色き鯉の流れゆく★★★
ゆらゆらと池のほとりに白菖蒲★★★
滝の水水に押されて落ちにけり★★★★
 
6月26日(4名)
小口泰與
発条の羽のごと飛ぶかわほりよ★★★
眼間の浅間溶岩風死せり★★★
かにかくに里の風習夏の夜★★★

多田有花
昇り来る陽を縦横に夏つばめ★★★★
裏庭に小さく咲きぬ濃あじさい★★★
陽を恋いて梅雨のひまわり大輪に★★★

桑本栄太郎
朝よりの日射し明るき梅雨晴間★★★
黒蟻の砂場にかかり焦りけり★★★
ノンアルと云えど泡立つビールかな★★★

廣田洋一
釣堀の鯛を釣りたる竹輪餌★★★
釣堀や子が釣り親が掬いたる★★★
きらきらと小川の光る夏野かな★★★

6月25日(5名)

小口泰與
かにかくに翡翠飛べり山の沼★★★
庭のばら今日も咲く日や剪もまた★★★
水換えて目高生き生き泳ぎけり★★★★

多田有花
梅雨の朝緑いちだん濃くなりぬ★★★
梅の雨洗濯物を部屋に干す★★★
明早し燕はすでに活動中★★★
「活動中」はどこを飛んでいるかなど言えば、詩情が出ると思います。読んだ人が景色を想像しにくいです。例えば、「屋根を飛び」「田を飛べり」など。(髙橋正子)

弓削和人
紫陽花のそぼ降る暮に青みたり(原句)
紫陽花のそぼ降る暮は青みたり(正子添削)
紫陽花が青んで見えるのは、「そぼ降る暮」なので、ここを限定するのがいいと思います。つまり、「そぼ降る暮は」とするとよいのではと思います。(髙橋正子)

ダンゴムシ夏黄昏れに丸くなり★★★
風鈴の鳴らぬひといの風さみし★★★★
★4個ですが、「鳴らぬ」「さみし」は似た感じなので、ここの感情を吟味されるといいと思います。(髙橋正子)

桑本栄太郎
鉢植えのアガパンサスの窓辺かな★★★
「鉢植え」はこの句では必要でしょうか。(髙橋正子)

あじさいの水に浸かりぬ高瀬川★★★
荒梅雨や中州の隠れ流れ居り★★★

廣田洋一
草刈るや小学生も鎌を持ち★★★
草刈りて風の抜け道広くなり★★★
列なしてアイスクリーム買いにけり★★★

6月24日(4名)

小口泰與
川蝉の水面を強く潜りけり★★★★
梅雨時の雨降らぬ日の鳥の声★★★
川蝉の一撃不発愛しめる★★★

多田有花
梅雨満月を隠したっぷりと降りぬ★★★
牛肉と馬鈴薯を食ぶ独歩の忌★★★★
今朝すでに溢るるばかり梅雨の川★★★

桑本栄太郎
彼方此方の潦避け散歩かな★★★
青蔦の金網塀を纏いけり★★★
あじさいの色の変化や高瀬川★★★

廣田洋一
汗拭い順番待ちのレストラン★★★
白玉や皇居外苑眺めつつ★★★
公園の木々さわさわと涼しげに★★★


6月23日(5名)

翡翠やどぼんと沼を驚かす★★★
川蝉の鳴くなく飛ぶよ沼の面★★★ 
翡翠の葦に掴まり大揺れに★★★★

多田有花
雨音を連れたる夏至の夜明けかな★★★
会う人と梅雨入りを言う曇り空★★★
前をゆく軽トラックは早苗積み(原句)
「軽トラックは」の「は」はものごとを限定します。「は」ではなく、格助詞の「の」を使って、あっさり言うのが綺麗だと思います。(髙橋正子)
前をゆく軽トラックの早苗積み’(正子添削)

桑本栄太郎
鴨川の流れ逆巻く梅雨の荒れ★★★
荒梅雨や相合傘の観光客★★★
<雨の高瀬川>
サラサラサととうすみ蜻蛉草むらへ★★★

廣田洋一
河骨や水面華やぐ古き池★★★
紫陽花やいよよ艶やか雨上がり★★★
紫陽花の毬の零せる雨しずく★★★★

弓削和人
端居ゐる祖母の背中の小さきかな(原句)
「端居」は「端居する」と使います。(髙橋正子)
端居する祖母の背中の小さきかな(正子添削)

威勢よく草刈る男の腕まくり★★★★
走り梅雨腕の時計の肌につき ★★★

6月22日(5名)

小口泰與
りーんりーんと野鳥鳴きけり夏の沼★★★
川蝉の音立て潜る山の沼★★★
鴉らの異常な声や夏の森★★★

廣田洋一
河骨や黄花ぴょこぴょこ突き立てり★★★
畦道を平らにしたる草刈機★★★
草刈られ広く見えたる空地かな★★★

多田有花
社務所より雷気遣う声もらう★★★★
土砂降りの雷雨の中を戻りけり★★★
びしょ濡れも楽し仲夏の想い出に★★★

桑本栄太郎
堰水の音の激しき梅雨入りかな★★★
雨待つや土手に色濃く七変化★★★
凌霄花の火炎噴くかに垣根越し★★★

弓削和人
蜘蛛の囲の向こうの湖やお天道★★★
ががんぼの事務所隅っこ夜の気配★★★
夏蝶の摘まれそうに寄りて去り★★★

6月21日(5名)

小口泰與
栗の花すいっと隠る野鳥かな★★★
翡翠の水面沸き立つ山の沼★★★
水面へ尾びれ振りふり夏の鯉★★★

多田有花
夏木立太き保存樹加茂神社★★★
あじさい持つ地元スターの案山子かな★★★
雷雨来て社殿の隣で雨宿り★★★

桑本栄太郎
恐ろしき夢を見て居り梅雨の冷え★★★
梅雨入りの午後より晴るる空の青★★★
梅雨晴や木々の葉騒ぐ深緑り★★★

廣田洋一
霊木の雫を零す夏至の雨★★★★
梅雨空に木々の緑や法の庭★★★
法の池雨に打たれて半夏生★★★

弓削和人
万緑の緑となりぬ川瀬かな★★★
紫陽花の鞠を降ろすやわたの雲★★★
六月の樹々雨音を迎えたり★★★★
コメント (2)
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自由な投句箱/6月11日~6月20日

2024-06-11 19:11:09 | Weblog
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※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
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今日の秀句/6月11日~6月20日

2024-06-11 19:10:10 | Weblog
6月20日(2句)

★明日祭り音のかそけき真夜の雨/小口泰與
明日の祭りを気にかけている真夜中、雨が降るかすかな音が聞こえる。祭り前のしっとりと静かな心持がいい。(髙橋正子)

★だんだんと緑濃くなる青嶺かな/弓削和人
日々青嶺を見ていると、緑が濃くなっていくのがわかる。次第に夏らしくなっていく青嶺を眺める日々の楽しさが伝わってくる。(髙橋正子)

6月19日(1句)

★堰水の音に沿いゆく暑さかな/桑本栄太郎
堰の水が落ちる音を聞きながら、その音に沿って歩いている。暑さは真夏並みだが、かたや堰水は涼しい音を立てている。どこまでも沿って歩きたい。(髙橋正子)

6月18日(1句)

★砂利道の水溢れおり走り梅雨/廣田洋一
「走り梅雨」は梅雨入りの前に梅雨に似た曇りや雨のぐずついた天気が続くことをいうが、この句では、「砂利道の水溢れおり」で、それを感じた。人は、記憶のなかにも梅雨の景色をありありと持っている。(髙橋正子)

6月17日(1句)

★つばめ旋回夏陽沈みゆくなかを/多田有花
「つばめ旋回」はよく見る場面だが、これにつづけて「夏陽沈みゆくなかを」の場面は驚かされた。旋回するつばめがしみじみと思われる。(髙橋正子)

6月16日(2句)

★写真機の収む浅間や夏の風/小口泰與
泰與さんの写真の腕はたくさんの賞をとるほどで、すばらしいのだ。会心の浅間山を写真機に収めて涼やかな夏の風を受けている。(髙橋正子)

★かたわらに燕眠らせ夏の月/多田有花
「かたわらに」言葉がやわらかい。「眠る燕」と「夏の月」の童話の絵本に画かれた絵のようで、これもやさしい。(髙橋正子)

6月15日(1句)

★紫を縁に揃えて花菖蒲/多田有花
花菖蒲は紫や白が多いとはいえ、観察すると、淡い紫色や、白に紫のすじがはいったり、この句のように紫が縁にあるものなどいろいろある。縁に紫があるのは珍しく、涼しい印象がしていい。(髙橋正子)

6月14日(2句)

★草原の果なき空や天の川/廣田洋一
この句から草原は、「サバンナ」をイメージする。草原の果てしない空にかかる天の川の砂のような無数の星に、原初の夜空が呼び起こされそうだ。(髙橋正子)

★滴りの岩間の端も滴れる/弓削和人
描写が細かいが、「岩間の端」は、岩の飛び出ているところと読んだ。岩の間から滴っている。その岩の飛び出たところからも滴っている。あまねく滴る岩がクローズアップされ、涼しくて、力強い景色を眼前にすることができる句。(髙橋正子)

6月13日(1句)

★家庭菜園とうきびの花出そろいぬ/多田有花
家庭菜園が一番いきいきとしているのは夏だろう。定番の茄子やトマト、胡瓜を始め、とうきびも植えられる。花が揃って出そろうのもうれしいことだ。「出そろう」喜びが目に見えるようだ。(髙橋正子)

6月12日(1句)

★あじさいの毬をひと枝剪り活ける/桑本栄太郎
「あじさいの毬」と言われれば、大きなふんわりした紫陽花の花を思い起す。ひと枝剪れば花瓶に足りるほどの花。「剪りて活ける」と言う行為もいい。(髙橋正子)

6月11日(1句)

★短夜や開きしままの文庫本/廣田洋一
作者は文庫本を読みながら、いつの間にか眠ったのであろうか。目覚めてみれば、文庫本は開いたまま短い夜は明けていた。このような場面が想像できた。短夜と文庫本の取り合わせが絶妙で、作者の生活を垣間見させてくれる。(髙橋正子)
コメント (8)
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