◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/12月21日~12月31日

2023-12-22 05:18:04 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/12月21日~12月31日

2023-12-22 05:16:50 | Weblog
12月31日(1句)

★歳晩の笑顔はじけし訳あり市/小口泰與
訳ありの品物をはっきり「訳あり」として安く売る。その訳あり市があって、ちょっと訳があるだけで、それなりの品を安く買えるのは率直にうれしい。買う人たちの笑顔もはじける。(髙橋正子)

12月30日(1句)

★始まりは山小屋の火や冬休/小口泰與
冬休みの始まりは、山小屋の火をもって始まるという。山小屋の暖炉の火か。
冬の山小屋は火こそがごちそう。揺らぐ火に暖まりながら、人の会話も静かに続くだろう。(髙橋正子)

12月29日(2句)

★冬木の芽すっきり伸びて青き空/廣田洋一
冬晴の空に冬木が芽をつけて、すっきりと枝を伸ばしている。すっきりと雑なものの無い良さがすがすがしい。(髙橋正子)

★根深汁掬うみどりに陽の恋し/弓削和人
根深汁はひと啜りもすれば、身が温まり始める。葱の葉の青いところを掬うと寒さの中で育った葱の葉の緑の鮮やかさに驚く。雪国住まいの作者は、その緑に陽を恋しく思う。(髙橋正子)

12月28日(1句)

★除雪車の闇に拓きし生活道/弓削和人
雪国では除雪車の働きは大きい。人が起き出す前には、生活道は除雪され、闇のなかに、一筋の雪明りの道が拓けている。(髙橋正子)

12月27日(2句)

★葉牡丹の色濃くなりぬ朝日浴び/廣田洋一
葉牡丹も植え付けられてから日々育っていく。朝日を浴びるとその色が濃く、たくましさを思う。(髙橋正子)

★裸木へくまなく昼の陽の恵み/多田有花
裸木は葉を落とした木。光たっぷりの昼の陽を遮るものがなく、陽の恵みを余すところなく受けている。(髙橋正子)

12月26日(2句)

★眼間の枯木枯木の端山かな/小口泰與
毎日見る眼間の山の山際には、枯木が立っているのが見える。枯木の隙間に空が見えて影絵のように美しい。(髙橋正子)

★光沢を沈めるグラス雪の夜/弓削和人
雪の夜の静寂に、光沢をしずめたグラス。そのグラスがもつ小さい世界に物語が生まれそうだ。(髙橋正子)

12月25日(1句)

★四畳半に聴くクリスマスオラトリオ/多田有花
オラトリオは、宗教的内容をもつ長い物語を,独唱・合唱・管弦楽のために劇風に構成した作品。普通は舞台装置や衣装,演技などを伴わずに演奏するもの。四畳半のこじんまりした部屋で、クリスマスのオラトリオを心静かに、楽しむクリスマスもあり。(髙橋正子)

12月24日(1句)

★トタン屋根弾みやまずよ寒雀/小口泰與
小さな雀が寒さにも関わらず、トタン屋根の上で弾んでいる。トタン屋根に弾む軽い音が楽しい。(髙橋正子)

12月23日(1句)

★ぽつぽつと人家の灯り冬暁/多田有花
冬の暁の寒さはことのほか強い。それでも人の家にはぽつぽつと灯が灯っている。人に先んじて起きた人たちなのだろう。ぽつぽつ灯る冬暁の灯に情緒がある。(髙橋正子)

12月22日(1句)

★大声の聖歌聞こゆる幼稚園/桑本栄太郎
幼稚園の子どもたちは、歌詞の意味を考えて歌うより、元気に歌うことがよいと思っているのだろう。厳かな聖歌といえども無邪気に大声で歌う。その無邪気さが微笑ましい。(髙橋正子)

12月21日(2句)

★寒波来る部屋に日の出の油絵を/多田有花
寒波が来るとき、なんとか暖かく過ごしたいと思う。部屋に日の出の油を掛けてみたりする。赤や黄系色、あるいは青が入っているかもしれない、油絵具で画かれている日の出の画の明るい力強さは、寒波とぶっ飛ばしてくれそう。(髙橋正子)

★湖の霧立つ朝や浮寝鳥/弓削和人
浮寝鳥が霧のなかにしずかにシルエットとして浮かんでいる湖の景色。景色が美しいのがいい。(髙橋正子)
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12月21日~12月31日

2023-12-22 05:16:03 | Weblog
12月31日(3名)

小口泰與
歳晩の笑顔はじけし訳あり市★★★★
大歳のひとへに温き朝かな★★★
山風やひたと浅間の雪奪う★★★

桑本栄太郎
それなりに煤払ひ終え散歩かな★★★
七変化花のままなる枯れいたる★★★
歩みゆく眼前や嶺の冬がすみ★★★

廣田洋一
台所磨き上げたり年用意★★★
神棚のお神酒取替へ年送る★★★
煮込みたる蕎麦に海老天大晦日★★★

12月30日(4名)

小口泰與
まぎれなき赤城颪をかぶりけり★★★
始まりは山小屋の火や冬休★★★★
餌を追い弾みと飛びたる寒雀★★★

多田有花
遠山に霞かかれる年の暮★★★
来る年を間近にシクラメン赤し★★★★「
瀬戸内の小晦日なりよく晴れて★★★

廣田洋一
鯉の群鴨の番とすれ違ひ★★★★
大切な句友逝きたる年惜しむ★★★
断捨離の一日終へて根深汁★★★

桑本栄太郎
松飾りよぎり出掛けるウオーキング★★★★
天辺の剪らるる冬の並木かな★★★
小晦日のテニスコートや賑やかに★★★

12月29日(5名)

小口泰與
この星に生まれ老いたる冬植木★★★
ゆんわりと足の指から寒さかな★★★
大木の枯枝をつつく野鳥かな★★★

廣田洋一
冬木の芽すっきり伸びて青き空★★★★
産土の庭にびっしり冬芽立つ★★★
高々と枝先に揺れ枯葉かな★★★

多田有花
年の瀬の今日もひと日の日が暮れる★★★
門松立つ快晴のビル街に★★★
門松の並び売られし年の暮(原句)
「し」は、過去の意味を表す助動詞「「き」の連体形です。過去形ではなく、今の事のほうが良いと思います。「・・し」を使うのが癖になっているのかもしれませんが。(髙橋正子)
門松の並び売られる年の暮(正子添削)

 桑本栄太郎
年用意終えて朝よりパソコンに★★★
用意終え後は注連縄飾るのみ★★★
<帰省の姪御の立ち寄り>
数へ日の妻は姪御と食事会★★★

弓削和人
玉川の湯ぶね昭和の避寒かな★★★
村落に闇音すなり雪女郎★★★
根深汁掬うみどりに陽を求め(原句)
「陽を求め」がややわかりにくいです。(髙橋正子)
根深汁掬うみどりに陽の恋し(正子添削)

12月28日(5名)

廣田洋一
初霜や車の窓を白く染め★★★
主去りポインセチアの残されし★★★
ポインセチア出窓に飾り日の暮れぬ★★★

多田有花
年の瀬のジャングルジムに座りおり★★★
稜線の木々を透かせて山眠る★★★
いきいきと日差しを受けし冬菜畑★★★

小口泰與
南面はすっぽり解けて雪浅間★★★
次次に水輪生みける冬の沼★★★
序列あるごと並びたる寒雀★★★

桑本栄太郎
三日目は腰の痛さよ煤払う★★★
年用意終えて安堵のティータイム★★★
数へ日の妻は歯医者へ駆け込みぬ★★★

弓削和人
除雪夫や目覚めし刻は跡ばかり★★★
ただ燈火除雪の跡を照らしけり(原句)
燈火ただ除雪の跡を照らしけり(正子添削)

除雪車や闇に拓ける生活道(原句)
除雪車の闇に拓きし生活道(正子添削)

12月27日(4名)

小口泰與
赤城より疾風となりて雹来る★★★
谷川の逸る流れや鳰★★★
沼野辺に映ゆる冬菊風の中★★★

廣田洋一
葉牡丹の色濃くなりぬ朝日浴び★★★★
葉牡丹や人影の無き公園に★★★
庭先にすらりと立ちし冬薔薇★★★

多田有花
裸木へくまなく昼の陽の恵み★★★★
冬暁に響き渡りぬ鹿の声★★★
数え日の頂を染め朝日さす★★★

桑本栄太郎
上り降りの所作の苦しく煤払う★★★
値打ち無きひと日終わりぬ日短★★★
数へ日や予定通りといかぬもの★★★

12月26日(4名)

小口泰與
風の中忽と華やぐ冬の月★★★
赤城はや大沼小沼霜の径★★★
眼間の枯木枯木の端山かな★★★★

弓削和人
光沢を沈めるグラス雪の夜★★★★
深靴の雪を払うや朝勤(あさづとめ)★★★
冬晴や山河の声はさざめきて★★★

多田有花
クリスマス公園に響く子らの声★★★
一年をいたわり実南天赤し★★★★
事務仕事ひととおり終え年の内★★★

廣田洋一
山盛りのパスタ分け合ひ年忘れ★★★
細き紐固く締めたり松飾★★★★
冷蔵庫の中味改め年用意★★★

12月25日(4名)

小口泰與
はつはつに咲きし冬ばら雨の中★★★
白鳥の一羽はずれし山の沼★★★
眼間の雪の浅間の華やかに★★★

多田有花
四畳半で聴くクリスマスオラトリオ(原句)
四畳半に聴くクリスマスオラトリオ(正子添削)
降誕のイエスを囲み撮影会★★★
十字架も輝き今宵降誕祭★★★

廣田洋一
聖歌を客と一緒にライブかな★★★
駅出でて地産地消の葱を買ふ★★★
山茶花の向こうに見ゆる白き富士★★★★

桑本栄太郎
水道の水の痛さよ凍つる朝★★★
はがきの絵に見惚れ居り蕪村の忌★★★
救いとは何処にありや降誕祭★★★

12月24日(4名)

小口泰與
北面の今朝の浅間や雪まだら★★★
空風や上州名物来たりける★★★
トタン屋根弾みやまずよ寒雀★★★★

廣田洋一
兄妹の継ぎたる医院花八手★★★
公園の園児の声や花八手★★★
聖夜の歌声響くライヴかな★★★

多田有花
新しき公園ドームに聖樹あり★★★
葉牡丹にサンタクロース飾られて★★★
メリークリスマスあなたにもわたしにも★★★

桑本栄太郎
鴨川の河川に風やゆりかもめ★★★
外つ人のめつきり減りぬ京師走★★★
枯蘆の中州どこまで桂川★★★

12月23日(5名)

小口泰與
枯すすき沼の端にて群れて★★★
雨の中枝にふはりと冬の鵙★★★
冬寒の注意の言葉夜の句会★★★

廣田洋一
湧き上がる第九の歌やクリスマス★★★
地下広場聖樹の灯り点されて★★★
クリスマスシャンソン聴きつディナーショー★★★

多田有花
かたまって咲くこそよけれ冬の菊★★★
風荒れる冬の夜のピアノソナタ★★★
ぽつぽつと人家の灯り冬暁★★★★

桑本栄太郎
起きて先ず窓を拭きをり露氷る★★★
ふるさとの雪の深さを尋ねけり★★★
みずいろの空の深さや万両忌★★★

弓削和人
冬至朝雲厚くして陽光す
冬ざれの果なる湖は三途かな
花つわや垣の一つとなりぬべし

12月22日(5名)

小口泰與
浅間起つ北面雪を頂きて★★★
見っむれば雪の浅間へ朝日差す★★★
この一年何もせぬ間に年の暮★★★

廣田洋一
頂きし柚子の実入れて朝湯かな★★★★
おお寒!と声を出したり冬至かな★★★
実千両垣根を越えて光りをり★★★

多田有花
冬至の陽受けて洗濯物を干す★★★
冬至なり南瓜炒めて食すべし★★★
縦横に刃を受け冬至蒟蒻よ★★★

桑本栄太郎
大声の聖歌聞こゆる幼稚園★★★★
あおぞらに枝のオブジェや寒波急★★★
みずいろの空の日差しや今日冬至★★★

弓削和人
雪野より森へつづけり獣跡★★★
雪嶺のふもとの民家黄昏れぬ★★★
風花やみちのくかなたより来たり★★★

12月21日(4名)

小口泰與
沼の面へ冬翡翠の鳴きながら★★★
霜の朝松の葉末の青青と★★★★
鳴きながら獲物へ向かう冬翡翠★★★

廣田洋一
鯉の群大きく見ゆる冬の川★★★
冬の川中洲の広くなりにけり★★★
鉄橋の白く光りて冬の川★★★

多田有花
寒波来る部屋に日の出の油絵を★★★★
柚子湯にといただきし実の香のあふれ★★★★
メサイアも第九もインターネットより★★★

弓削和人
白鳥の優雅に首を垂れており★★★
湖の霧立つ朝や浮寝鳥★★★★
雪道や中央寄りてすれ違い ★★★
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自由な投句箱/12月11日~12月20日

2023-12-12 10:16:20 | Weblog
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今日の秀句/12月11日~12月20日

2023-12-12 10:07:34 | Weblog
12月20日(1句)

★霜の朝松の葉末の青青と/小口泰與
松はいつも青々としてはいるが、霜の朝は、空気の厳しさも加わって、ことに青々とした葉末が印象に残る。「青青と」に人は元気をもらう。(髙橋正子)

12月19日(1句)

★富士の山見慣れしままに冬の山/廣田洋一
愛媛に暮らしていた時は、いつも富士山を見ている人は、富士山をどう思っているのだろうかと気になっていた。いつも見ていれば見慣れた山ではあるが、冬の山となれば雪に覆われた山容は厳しさを感じさせる、やはり特別な山である。(髙橋正子)


12月18日(1句)

★洗いあぐ白菜ずしり重きかな/小口泰與
ずっしりと玉を巻いた白菜の重さにみずみずしさが実感できる。「洗い上ぐ」が率直でいい。(髙橋正子)

12月17日(1句)

★近在の土の匂ひの根深汁/廣田洋一
根深とは葱のこと。私の祖母は特に、父母も葱のことを根深と言っていた。根深と言われれば、よく太った土臭い葱を想像する。近在の土の匂いがする葱が新鮮でおいしそうだ。(髙橋正子)


12月16日(1句)

★冬菊の日当たりながら垣根ぎわ/桑本栄太郎
垣根のきわの日当たりの良いところに心地よさそうに咲いている冬菊の姿。「日当たりながら」の自然体のやわらかいリズムがいい。(髙橋正子)

12月15日(1句)

★マルチ取り日差し明るき冬菜畑/桑本栄太郎
マルチはマルチング(mulching:栽培植物の保護、水分蒸発の防止、地温の確保などのため、畑や植え床など覆う藁やビニールの資材)の省略。覆っていたマルチを取ると、明るく生き生きした冬菜が目に入る。明るく、生き生きしたものを見たとたん、見る側も元気をもらう。(髙橋正子)

12月14日(1句)

★山茶花の備えしつぼみ続々と/多田有花
山茶花は長い冬をつぎつぎに咲いて目を楽しませてくれる。その咲き方と言えば、咲いては散るそのそばには、蕾が次々と用意されているのだ。「続々と」はまさにその通り。(髙橋正子)

12月13日(1句)

★浅間のみ雪に輝く朝かな/小口泰與
朝、目覚めて外を見まわすと、浅間山だけが白い雪に輝いている。浅間の雪の新鮮さが伝わる句。(髙橋正子)

12月12日(1句)

★日の暮れしまぎわに農婦夕焚火/弓削和人
一日中働く農婦は、日が暮れてから、畑のごみなど片付けるために焚火をする。暮れ間際のうすら暗く、冷えてくるころ、焚火は、一日の労働の終わりの安堵のように暖かく燃え、また清潔感もある。(髙橋正子)

12月11日(1句)

★尾花枯れ枯れゆくほどに明るくて/多田有花
尾花の穂は枯れていくほど、穂がほおけてふわふわとして、日を返すようになる。ちょうどその状態になった尾花の穂。枯れのイメージには「暗さ」もあるが、また逆にこの句のように「明るさ」もある。(髙橋正子)
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