◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/7月21~7月31日

2023-07-22 09:47:36 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子


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今日の秀句/7月21日~7月31日

2023-07-22 09:46:46 | Weblog
7月31日(1句)

★大丸へ帰省みやげの買物に/桑本栄太郎

7月30日(1句)

★みんみんや汽車に駆け込む女学生/小口泰與


7月29日(1句)

★湖に浮んで夏の空ばかり/弓削和人

7月28日(1句)

★手をつなぎ片蔭を行く親子かな/廣田洋一
この句を読んですぐに日本画家の小倉遊亀の「径(こみち)」という画を思いだした。この絵は買い物から帰る日傘をさした母と後を付いていく女の子と犬が描かれている。母と子の距離感が言い難い情愛を感じさせている傑作のひとつ。片蔭をゆく手をつないだ親子の風景に涼しさと優しさを感じる。(高橋正子)

7月27日(2句)

★夕菅やテントのランプ次次と/小口泰與
キャンプの夕べのロマンティックなひと時。夕菅、テント、ランプと、句材が揃って少し昔をおもいださせるような懐かしさがある。(髙橋正子)

★夏座敷みるみる雲の湧きにけり/弓削和人
夏座敷に座ると、向こうに「みるみる」雲が湧きあがってくる。上昇気流に立ち上がる雲はまさに夏の勢い。景色が大きくイメージが鮮明なのがいい。(髙橋正子)

7月26日(1句)

★半月の中天にあり夜の秋/多田有花
中天にある半月を見上げ、その涼やかな景色、吹く風の感触に秋を感じた。連日の猛暑のなか、夜はそれでも秋めいているやすらぎがある。(髙橋正子)

7月25日(1句)

★大阪は天満祭の水都かな/桑本栄太郎
大阪は淀川が巡る水都である。大阪天満宮の祭りは日本三大祭のひとつ。天満祭は、宵宮の鉾流しに始まり、本祭の日の夕刻から船渡御があり、神輿、鳳輦の奉安船とこれを迎えるお迎え人形船、篝船、どんどこ船、囃子船などが堂島川を下って、江之子島に着き、陸路を練って本社に還幸する という。水都なればこその祭り。「水都かな」がいい。(髙橋正子)

7月24日(1句)

★糸蜻蛉水輪残して飛び去りぬ/小口泰與
細くかすかな糸蜻蛉が飛び去ったあとに、水輪が残っている。残っている水輪で糸蜻蛉の存在を知るようなもの。飛び去ったあとの水輪が涼しそうだ。(髙橋正子)

7月23日(1句)

★棟上げの祝詞涼しき木の香り/廣田洋一
夏の棟上げは戸外の神事だけに暑いのだけれど、「涼し」と感じられるほど木の香りが、すがすがしかったのだろう。(髙橋正子)

7月22日(1句)

★毎日のネット句会や日日草/小口泰與
毎日のネット句会は、この「自由な投句箱」のこととして、このよう詠んでいただいてうれしい。小さい花ながら、夏の間、日々休まず花をつける、その名が日日草。その日日草のように、小さい句会ながら、日々花を咲かせるように投句がある。その上に秀句も生まれる。(髙橋正子)

7月21日(句)

★母を見舞う涼しき施設の一室に/多田有花
施設で生活をしている母を暑さを心配しながら訪ねた。部屋は適度の冷房で涼しく快適な様子。母の健やかそうな表情がまず目に映ったのだと思う。(髙橋正子)
コメント (7)
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7月21日~7月31日

2023-07-22 09:40:55 | Weblog
7月31日(4名)

小口泰與
道おしえ忠治の墓はいずこにか★★★
おはぐろやすいと釣竿とまりける(原句)
「釣竿とまり」は「釣竿にとまり」にしないといけないです。(髙橋正子)
おはぐろやすいと釣竿にとまり(正子添削)

飛び來るや雀の鋭声兜虫★★★

多田有花
髪切りて風にかるがる七月尽(原句)
「七月尽」は季語として使いません。月の終わりにどの月でも「〇月尽」というのではなく、季節の終わりに季節を惜しんだりするときに「弥生尽・四月尽」などと使います。

蝉しぐれ下から聞こえ五階の部屋★★★
大の字に寝て涼風に身をまかせ★★★

桑本栄太郎
窓を開けそよりと風の朝涼し★★★
大丸へ帰省みやげの買物に★★★★
空蝉の何かを語るまなこかな★★★

弓削和人
向日葵や敬虔にして立ちつくし★★★
街あらた湖畔に映る揚花火★★★★
夏の雨やみてはふれり日誌書き★★★★

7月30日(4名)

小口泰與
二三羽の雀の鋭声竹落葉★★★
みんみんや汽車に駆け込む女学生★★★★
翡翠の浮葉すいすい歩みをり★★★

廣田洋一
貸したるノート避暑地より送り来し★★★
風鈴の舌を取り替へ音新た★★★★
鉄風鈴澄みたる音色響かせて★★★

多田有花
少女らの連れ立ち片陰を帰る★★★
校庭に人なく炎暑の光のみ★★★

髪洗い海風の吹く部屋に出る
句意としては★4つですが、「出る」が必要か、どうか、です。(髙橋正子)
髪洗い海風心地よき部屋に★★★★(有花改作)

桑本栄太郎
羅もののはだけ朝に谷崎忌★★★
夕刻は吾の時間と油蝉★★★
街燈の明かり惜しむや夜の蝉★★★

7月29日(5名)

小口泰與
白ばらや大志あふるる少年よ★★★
暁紅の沼にぎわしや糸蜻蛉★★★
川蝉の枝移りたる暁の沼★★★

廣田洋一
片蔭に自転車留めて一休み★★★
サバンナの星空仰ぎ避暑旅行★★★★
道端の白き蕾や晩夏光★★★

桑本栄太郎
夏暁の赤子泣き居る団地かな★★★★
三伏のおこりのような日射しかな★★★
木々の枝の向こう青空秋近し★★★

多田有花
白き渦残し蚊取線香の朝★★★
日が昇るすでに盛んの今日の蝉★★★
人影の消え日盛りの公園に★★★

弓削和人
帽のつば熱風のたび研がれおり★★★
湖に浮んで夏の空ばかり★★★★
夏湖に浮かびて雲を抱きけり★★★

7月28日(5名)

小口泰與
ドア開くや忽と青鷺飛びにける★★★
釣糸のもつれの解けて沼の夏★★★
糸蜻蛉つんつん水輪つくりけり★★★★

廣田洋一
片蔭を辿りて入る喫茶店★★★
手をつなぎ片蔭を行く親子かな★★★★
友集ひ談論風発避暑の宿★★★

多田有花
遠雷の聞こえる夏の昼下がり★★★
アイマスクして存分に昼寝かな★★★
陸風にいつしか変わり夜の秋★★★

桑本栄太郎
止め処なき夢とうつつの熱帯夜★★★
鋪道灼け屋根の灼け居り炎暑かな★★★
炎熱と云えど雄々しき木々の青★★★

弓削和人
宵闇にラジオ響けり秋近し★★★★
運ばれる土砂は湖畔を去りゆけり★★★
土砂降りて静けになりぬ夕焼雲(原句)
土砂降りて静かになりぬ夕焼雲(正子添削)

7月27日(5名)

小口泰與
夕菅やテントのランプ次次と★★★★
綿菅や木道の空との曇★★★
夏菊や豪雨突然襲ひける★★★

多田有花
入道雲午後の北東の空に★★★
川鵜あり羽繕いに余念無し★★★
夏の朝流れし英雄ポロネーズ★★★

廣田洋一
池の端青蘆原の拡がりぬ★★★
メロン一つ二人で分ける日曜日★★★
日盛りや出かける予定遅らせて★★★

桑本栄太郎
三伏の極みなるべし日射しかな★★★
風死すや忽としじまの午後三時★★★
早風呂を取れば雷鳴来たりけり★★★★

弓削和人
夏座敷みるみる雲の湧きにけり★★★★
万緑に歩き始めの子猫かな★★★
ゆるゆると洗濯干せり柿若葉★★★

7月26日(4名)

小口泰與
あけぼのの青水無月の浅間山★★★★
たまゆらの顔見世の如翡翠よ★★★
夕顔や日はあわいに落ちにける★★★

廣田洋一
夏蝶や小さき翅の忙しなく★★★
水中花水を入れ替へ甦り★★★★
鳴る前に目覚ましを見る明易し★★★

多田有花
熊蝉の声湧きたちぬ朝かな★★★
半月の中天にあり夜の秋★★★★
中天にある半月を見上げ、その涼やかな景色、吹く風の感触に秋を感じた。連日の猛暑のなか、夜はそれでも秋めいているやすらぎがある。(髙橋正子)
夏の風心地よく受け拭掃除★★★

桑本栄太郎
甘露忌の白き木槿や鳥小屋に★★★★
落蝉の仰のけなりぬ震いたつ★★★
我が背ナのいやいやしたり扇風機★★★

7月25日(5名)

小口泰與
翡翠や右往左往の沼の魚★★★
仏法僧柾目正しき床柱★★★
たまさかのマンゴー食べし旱星★★★

弓削和人
蝉の殻異動を告げる受話器かな★★★
青空へ去りてや寄るる糸蜻蛉★★★
旅すなり水辺を去りぬ白き鷺★★★

廣田洋一
昼寝の人スマホの人や昼休み★★★
おしゃべりな友の黙りて冷奴★★★
冷奴独り夕餉の冷酒酌む★★★★

多田有花
グラジオラス支えを受けて真っ直ぐに★★★
緑陰に大型バイク停められて★★★★
コーヒー豆ゆっくり挽いて朝曇★★★

桑本栄太郎
大阪は天満祭の水都かな★★★★
じりじり入日を惜しみ油蝉★★★
西山の入日あかねや宵涼し★★★

7月24日(4名)

小口泰與
蜻蛉水輪残して飛び去りぬ★★★★
翡翠や沼より流る水の音★★★
牛蛙ドラムの響き高らかに★★★

廣田洋一
朝涼の公園巡り深呼吸★★★
油蝉とろとろと鳴く朝かな★★★
茄子一つ田楽にせる昼餉かな★★★

多田有花
ヨーグルト涼し梅ジャムを添えて★★★
書類整理涼しきうちに済ませけり★★★
驟雨やめばすぐに始まり蝉の声★★★

桑本栄太郎
河童忌の酒は黄桜酒造かな★★★
空蝉やもの言いたげに空見つめ★★★
人の子の我もコロナに秋を待つ★★★
 
7月23日(5名)

廣田洋一
ラジオ体操の掛声涼し朝の庭★★★
棟上げの祝詞涼しき木の香り★★★★
団扇風屋形船の景見せて★★★★

小口泰與
合歓咲くや野鳥の恋は一刹那★★★★
睡蓮の葉つぱを歩む野鳥かな★★★
牛蛙ぐわんと鳴きてそれつきり★★★

多田有花
夏の朝ラジオ体操123★★★
熱中症の注意放送夏の朝★★★
草刈機うなりをあげる大暑かな★★★

弓削和人
中年や鏡に汗のあばら骨★★★
水筒の踊る車両や部活女子★★★
夏の駅つけし額の炭酸水★★★

桑本栄太郎
あおぞらの窓の彼方や大暑の日★★★
落蝉の仰のけなりぬ入日かな★★★
西山の入日あかねや蝉の穴★★★

7月22日(4名)

廣田洋一
墓原の明るくなりぬ百日紅★★★
湘南の海きらめきて土用凪★★★★
少しの間手枕したる昼寝かな★★★

小口泰與
張出し枝に翡翠とまりけり★★★
毎日のネット句会や日日草★★★★
夏藤や榛名山を見あぐ二子山★★★

多田有花
梅雨明けや一番星の光りおり★★★★
すもも食ぶ夕餉のあとの楽しみに★★★
目覚めればいつしか蝉の声盛ん★★★

桑本栄太郎
今朝もまた目覚めに敗ける蝉しぐれ★★★
何となく秋の気配や朝涼し★★★
あおぞらの窓の彼方や雲の峰★★★★

7月21日(4名)

小口泰與
凌霄の咲きのぼりたる時計台★★★
翡翠の忽と高声や沼の径★★★
然の夕立や道は川とかし★★★

多田有花
母を見舞う涼しき施設の一室に★★★★
ランドセル楽し明日から夏休み★★★
風通しよき部屋の良し土用入★★★

桑本栄太郎
何となく夢の哀しき朝涼し★★★
螽斯早も鳴き初む夜涼し★★★★
<田舎の追憶より>
童顔の川面に寄せる夜振りかな★★★

弓削和人
喧騒をはなれる池や蓮浮き葉★★★
菜園の紺に鋏や茄子日和★★★
夏帽の黄映たるや園の路★★★
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自由な投句箱/7月11~7月20日

2023-07-12 10:38:46 | Weblog
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主宰:高橋正子



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今日の秀句/7月11日~7月20日

2023-07-12 10:37:46 | Weblog
7月20日
※該当句無し

7月19日(1句)

★農道に日のいっぱいや花萱草/小口泰與
農道に夏の日が眩しいほどいっぱいに差し、橙色の萱草の花が日差しと競うかのように咲き誇っている。萱草の咲く農道が画家の描く画のように明るく力強い。(髙橋正子)


7月18日(1句)

★大の字の昼寝や風の通る部屋/桑本栄太郎
昭和の家族の風景を思い起こすような景色。思い切り身体を伸ばし、大の字になって寝ているのは、少年か。屈託なく、なんと頼もしい。(髙橋正子)

7月17日(1句)

★雲の峰遊覧船を運びけり/弓削和人
雲の峰が遊覧船を「運びけり」と、「雲の峰」を人とみなして、面白いとらえ方。雲の峰を背景に遊覧船が小さくなって航行する景色が思い浮かぶ。(髙橋正子)

7月16日(1句)

★ジェット機のいま飛び立ちぬ夏空へ/多田有花
滑走路からジェット機が飛び立つところ。飛び立ってゆくところは「夏の空」。夏空をどのようにイメージするかで句の印象が変わる。ジェット機が飛び立つ、夢と希望のあるスカッとしたショットだ。(髙橋正子)

7月15日(2句)

<忍野八海>
★泉あり空と立木を映しつつ/多田有花
忍野八海は富士山の裾野の、富士山の伏流水が湧き出た泉。泉に空と立木が映っている水景。「映しつつ」は、進行形で、泉が湧き続けている趣を伝えている。(髙橋正子)

★黒南風や孫ら来たりて恐竜展/桑本栄太郎
孫たちは老いの生活に少年の世界を持ち込んでくる。蒸し暑い盛り、風は吹くものの暑さなど気にせず恐竜展に一緒に出かける。俳句の句材が新しく、句が生き生き新鮮になる。(髙橋正子)

7月14日(1句)

★万緑と雲の間に河口湖/多田有花
富士山からの眺めか。富士五湖の一つの河口湖が、山々の万緑と雲の間から見える。小さな河口湖は富士吉田の登山口のあるところ。そこから登ってきたとの思いもあるか。(髙橋正子)
追記:有花さんから5合目からの眺めとコメントが入る。たしかに、「万緑」があるので、山頂からの眺めとは言えないだろうに。(髙橋正子)

7月13日(2句)

★風鈴の戯むる風や星の夜/小口泰與
星がたくさん出ている夜、風もよく吹いて、風鈴が風と戯れているように鳴る。風鈴と星とに癒される、いい夜だ。(髙橋正子)

★祇園会の準備すすみぬ四条かな/桑本栄太郎
祇園会については、京都にお住いの作者に説明してもらうのが一番だが、鑑賞の立場から感想を。七月の京都は祇園祭一色に染まる。中でも祇園四条は賑やかなところ。四条を通れば、祇園会の準備が着々と進んでいる様子をわくわくした思いで見ることができる。それを気取らずに詠んだ。(髙橋正子)

7月12日(1句)

★夏の雲次々消えて富士稜線/多田有花
水煙時代に「富士山頂俳句リーディングをしたが、このときは、私も有花さんに先導されて富士山に登った。そのときの印象が蘇った。富士山にはどこかに雲がかかっている。雲が消えて稜線があきらか見えると、富士山に登るうれしさが湧いてくる。(髙橋正子)
追記:俳句四季8月号の花冠創刊40周年記念の記事に、富士山頂で有花さん、岩本康子さん、私正子の3人が映った写真が載ります。編集者が選んでくれました。(髙橋正子)

7月11日(1句)

★土佐の夏アイスクリンに溺れけり/廣田洋一
土佐の夏は「南国土佐」と歌われただけに、暑い。昔なつかしい「アイスクリン」を溺れるほど食べた。「溺れる」とおかしいほど大げさなのが、この暑さと旅の開放感の中で愉快。(髙橋正子)
コメント (6)
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