◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/11月21日~11月30日

2022-11-22 13:38:52 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之



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今日の秀句/11月21日~11月30日

2022-11-22 13:38:09 | Weblog
11月30日(1句)

 <播磨町・大中遺跡公園>
★冬浅し野路菊たっぷり香りおり/多田有花
まだ晩秋の感じが残っていて、枯れ始めた蓮など目に付き始めるが、野路菊は咲き残り、日差しを受けてたっぷりと香っている。冷え始めた大気に菊の香りが快い感触をもたらしてくれる。(髙橋正子)
※ノジギクは、牧野富太郎が発見し命名。六甲山系が東限とされる。(正子注)

11月29日(1句)

★太陽のこよなき日なり花八手/小口泰與
「太陽のこよなき日」は、太陽がありがたく、うららかな日と解釈したい。八手の花はそんな日に思いきり白い花を開いているように見える。(髙橋正子)

11月28日(1句)

★時雨来る逃げ急ぎたる子らの声/廣田洋一
さっと一降り来る時雨の様子が「逃げ急ぎたる子らの声」によく表され、この時を逃さず的確情景を捉えていて、景色がよく見える句となっている。(髙橋正子)

11月27日(1句)

★花八手かっちり嵌らぬねじ回し/多田有花
全く同じように見えるねじでありながら、嵌めるとかっちりと嵌らない。これも経験すること。微妙に違っているのだろうが、これも不思議というほかない。きっちり決まった形の八手の花を見るにつけ、この世のかっちり決まったものが意外や違っている。(髙橋正子)

11月26日(1句)

★短日や日々の日課を確実に/多田有花
日々日暮れが早くなっていき、年末へと近づくと、するべき仕事も多くなる気がする。そういうときは、日々のすべきことを確実に、慌てずこなしてゆくのが一番だと悟る。(髙橋正子)

11月25日(2句)

★髪切りて冬菊の道帰りけり/多田有花
冬菊は日当たりのよいところに咲くが、その道を歩くにせよ、髪を切ったうなじにはひんやりと風があたる。この言い難い感触が冬菊を通して伝わってくる。「冬菊」によって句に品がでた。(髙橋正子)

★餐会生け飾られる実南天/弓削和人
午餐会の少し華やいだ温かい雰囲気が実南天によってよく伝わってくる。(髙橋正子)

11月24日(1句)

★色艶磨き売られけり/廣田洋一
寒々とした冬の日、よく磨かれた、色も艶もよい林檎が店頭にあると、その健康的な明るさに元気がもらえる。(髙橋正子)

11月23日(1句)

★大根の葉のひろびろと雨を受け/弓削和人
大根がよく育ち、葉が青々としている。凍えるような冷たい雨なら、「ひろびろ」と言う感覚にはならないが、いい冬の雨なのだろう。無理のない表現がいい。(髙橋正子)

11月22日(1句)

★渓流の速きに踊る散紅葉/小口泰與
渓流の水に散った紅葉は、それだけ十分美しいが、流れに翻弄されて踊る様子も流れゆく方を思えば味わいが増してくる。(髙橋正子)

11月21日(1句)

★児童らの雲梯渡る冬うらら/桑本栄太郎
雲梯にぶら下がっている児童たちが楽しそうだ。うららかな冬の日の児童たちにほっこりとした暖かさをもらう。(髙橋正子)
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11月21日~11月30日

2022-11-22 13:36:17 | Weblog
11月30日(5名)

小口泰與
夕暮の梢や二羽の寒雀★★★
剣山の如き妙義山や鷹一つ★★★
水蹴りて羽音重たき小白鳥★★★★

多田有花
<播磨町・大中遺跡公園三句>
冬の朝弥生住居を燻す煙★★★
時おりは風が誘いし楢落葉★★★
冬浅し野路菊たっぷり香りおり★★★★
まだ晩秋の感じが残っていて、枯れ始めた蓮など目に付き始めるが、野路菊は咲き残り、日差しを受けてたっぷりと香っている。冷え始めた大気に菊の香りが快い感触をもたらしてくれる。(髙橋正子)

廣田洋一
散紅葉赤く染めたる法の庭★★★
庭の隅一灯点す山茶花かな★★★
笙の音の挙式を祝ひ小春かな★★★

桑本栄太郎
くさぐさの色を散り敷く落葉かな★★★
との曇り十一月の仕舞いけり★★★
鉢ものを室に取り入れ寒波来る★★★

弓削和人
布団着て起きる眼や朝日和★★★
枇杷の花咲くや昼日のかきぐもり★★★★
白菜の四方八方庭のすみ★★★

11月29日(5名)

小口泰與
山風の荒める里や蒸飯★★★

太陽のこよなき日なり花八手★★★★
「太陽のこよなき日」は、太陽がありがたく、うららかな日と解釈したい。八手の花はそんな日に思いきり白い花を開いているように見える。(髙橋正子)

白銀の浅間や今朝の冬雲雀★★★

廣田洋一
浅漬けや半端な野菜集めたり★★★
軒の下薪を積上げ冬構★★★
川の鯉池に移して冬構★★★

多田有花
<播磨町・大中遺跡公園三句>
ねずみもちの実の上はつつぬけの青空★★★
冬晴が弥生遺跡を包みおり★★★
冬はじめ弥生の住まいに入りけり★★★

桑本栄太郎
しぐるるや眼下に赤き冬紅葉★★★
雷雨予報雪起こしかも知れず★★★
信号の尾灯つづくよ冬の雨★★★

弓削和人
大輪の花に冬蜂身をあずけ★★★
小糠雨雲にとどかむ枇杷の花★★★
花八ツ手大樹に寄りてはじけ咲く★★★★

11月28日(5名)

小口泰與
煮凝や手に温もりの小鹿田焼★★★
水割りの氷かちかち江戸切子★★★
細かなる雨や木叢の木の葉散る★★★

廣田洋一
短日や献灯点る段葛★★★
時雨来る逃げ急ぎたる子らの声★★★★
さっと一降り来る時雨の様子が「逃げ急ぎたる子らの声」によく表され、この時を逃さず的確情景を捉えていて、景色がよく見える句となっている。(髙橋正子)

浅漬けの大根当てに一人酒★★★

多田有花
<兵庫県立考古博物館三句>
古代にもありけり播磨の冬の晴れ★★★
枯葦にたっぷり朝の日差しかな★★★★
博物館彩る蔦の冬紅葉★★★★

桑本栄太郎
鈴生りの柚子の色づく垣根かな★★★
綿虫に手を差し伸べて逃げらるる★★★
宵空の凛と尖りぬ冬の月(原句)
元の句は、<宵空の凛と尖りぬ/冬の月>と「尖りぬ」のあとで切れています。意味は「宵空が凛と尖った」になります。これでよろしいですか。(髙橋正子)

弓削和人
農機具の音やひびける冬の空★★★
農機具が具体的に示されるとよいです。(髙橋正子)

紅葉散る飛石をさけ立ちゆけり★★★
〈春日山原始林〉
冴ゆる杉原始林のつづく路★★★

11月27日(4名)

小口泰與
白鳥の影乱さずに熟寝せり★★★★
余燼なお身の内にあり冬木の芽★★★
山からの風の落差や息白し★★★

多田有花
花八手かっちり嵌らぬねじ回し★★★★
全く同じように見えるねじでありながら、嵌めるとかっちりと嵌らない。微妙に違っているのだろうが、これも不思議というほかない。きっちり決まった形の八手の花を見るにつけ、この世のかっちり決まったものが意外や違っている。(髙橋正子)

<播磨町・大中遺跡公園>
冬晴に弥生の住居を復元中★★★
<別府鉄道跡>
冬ぬくし廃線車両に陽がいっぱい★★★★

桑本栄太郎
歯噛みつく葉の下枝なる冬木かな★★★
枯萩となりて残りぬ花のあり★★★
カラカラと軽ろき音たて木の葉舞う★★★

弓削和人
二階より見下ろし石蕗のにこにこと★★★★
暮早し客間のあかりへ通されり★★★★
かそけくも鳴きたる虫や冬の草★★★

11月26日(4名)

小口泰與
老残にあらず髪膚や寒牡丹★★★
裂帛の鋭声や沼の小白鳥★★★
鳥の群忽と飛び立つ枯野かな★★★★

多田有花
小鳥群れ残る紅葉の枝に来る★★★
冬の空青きが常よ瀬戸内は★★★
短日や日々の日課を確実に★★★★
日々日暮れが早くなっていき、年末へと近づくと、するべき仕事も多くなるきがする。そういうときは、日々のすべきことを確実に、慌てずこなしてゆくのが一番だと悟る。(髙橋正子)

桑本栄太郎
階段を降りて眼下に冬紅葉★★★
庭先にパンパグラスや冬ざるる★★★
八つ手咲く厨明かりや夕餉の香★★★

弓削和人
摘みきれぬ蜜柑畠なりきのくに線(原句)
摘みきれぬ蜜柑畠やきのくに線★★★(正子添削)

海凪て冬雨弾く急行線★★★
このままで、問題はありません。
海は凪ぎ冬雨を弾く急行線【訂正後】

冬虫の鳴きはじめるや人恋し★★★

11月25日(5名)

小口泰與
雲間より夕日差したり花八手★★★
柊の香やかの時のかの想い★★★
裏庭に日の射しにけり枇杷の花★★★★

廣田洋一
公園を摸細工染めの落葉かな★★★
お土産は水戸納豆と旅の朝★★★
大振りの葉を押しのけて石蕗の花★★★

多田有花
髪切りて冬菊の道帰りけり★★★★
冬菊は日当たりのよいところに咲くが、その道を歩くにせよ、髪を切ったうなじにはひんやりと風があたる。この言い難い感触が冬菊を通して伝わってくる。「冬菊」によって句に品がでた。(髙橋正子)

蕪炒める煮物と違うやわらかさ★★★
つやつやと陽を照り返し石蕗の花★★★

桑本栄太郎
市ヶ谷の銀杏散りぬる憂国忌★★★
日当たりの猫毛繕い冬うらら★★★
踏みゆけば匂い立ちけり落葉道★★★

弓削和人
午餐会生け飾られる実南天★★★★
午餐会の少し華やいだ温かい雰囲気が実南天によってよく伝わってくる。(髙橋正子)

珈琲や色を深める夕冬日★★★
草枯れの通り路ゆかばとの曇り★★★

11月24日(5名)

小口泰與
ハイボール氷の遊ぶグラスかな★★★
寒犬の声のこぼるる風の夜★★★
隼や一過の如き新幹線★★★

多田有花
冬紅葉見て薬膳の昼餉かな★★★
<山崎城跡・紙屋門>
初冬の城跡の門くぐりゆく★★★
戻りけり白き山茶花咲く庭に★★★

廣田洋一
陸奥の温泉宿や霜の朝★★★
落葉して広き林を見渡しぬ★★★

冬林檎色艶磨き売られけり★★★★
寒々とした冬の日、よく磨かれた、色も艶もよい林檎が店頭にあると、その健康的な明るさに元気がもらえる。(髙橋正子)

桑本栄太郎
山肌の更に色濃く山眠る★★★
匂い立つ銀杏落葉を歩きけり★★★
元の木の何処にありや朴落葉★★★

弓削和人
石蕗花にかの家は玩具を添えて居り★★★

土温し白き大根の実はあらわ(原句)
土温し白き大根の根のあらわ★★★★(正子添削)

冬の薔薇立ちたる二本寄りて咲く★★★

11月23日(5名)

小口泰與
森からの風の霊気や鷹一つ★★★
枯柳小川隔てて日を分つ★★★
隠れん坊の小さき背中置き炬燵★★★★

多田有花
<宍粟市・最上山公園もみじ山三句>
山茶花の咲く東屋より町を見る★★★
下りゆく冬の紅葉のその中を★★★
万両や鐘撞堂より降り来れば★★★

廣田洋一)
稜線のなだらかに伸び山眠る★★★★
雨上がり落葉光れる道の端★★★
朝日浴びきらきら光る霜畑★★★

桑本栄太郎
寝坊せし夢や勤労感謝の日★★★
上げ髪の才媛つづる一葉忌★★★
しぐれ居て人出あまたや冬紅葉★★★

弓削和人
水鳥の雨にさらされ浮きにけり★★★★
大根の葉のひろびろと雨を受け★★★★
大根がよく育ち、葉が青々としている。凍えるような冷たい雨なら、「ひろびろ」と言う感覚にはならないが、いい冬の雨なのだろう。無理のない表現がいい。(髙橋正子)
姫椿遠回りする園生かな★★★

11月22日(4名)

小口泰與
舞ふ空の此の面彼の面の寒鴉★★★
山よりの強き北風身に受けし★★★
渓流に落ちし紅葉の乱舞せり(原句)
元の句は、少し説明的なので直しました。

渓流の速きに踊る散紅葉★★★★(正子添削)
渓流の水に散った紅葉は、それだけ十分美しいが、流れに翻弄されて踊る様子も流れゆく方を思えば味わいが増してくる。(髙橋正子)

多田有花
<宍粟市・最上山公園もみじ山三句>
足元も頭上も冬の紅葉かな★★★
冬浅し木々は名残の鮮やかさ★★★
冬紅葉官兵衛飛躍の城址に★★★

桑本栄太郎
冬靄の我が街埋もる朝かな(原句)
「冬靄の我が街」が何に埋もれるのか、わかりません。「の」の使い方にお気をつけください。(髙橋正子)
冬靄に我が街埋もる朝かな★★★★(正子添削)

緋を尽くす満天星つつじ冬日さす★★★
おもいでを誘うように雪ばんば★★★

弓削和人
冬ざれの蚊の鳴き過ぎぬ夕べの灯★★★
硝子戸に垂れる結露や今朝の冬★★★
朝明けや原のあなたに冬の霧★★★

11月21日(4名)

小口泰與
木枯らしの言霊のごと吾にまとい★★★
霜の夜や小半酒をたしなみし★★★
冬星の湖を木の間に酒酌めり★★★★

多田有花
ゆるやかに斜面をゆくや冬紅葉★★★
水落ちて浮かぶ落葉を揺らしおり★★★
初冬の彩の山歩きけり★★★

桑本栄太郎
児童らの雲梯渡る冬うらら★★★★
雲梯にぶら下がっている児童たちが楽しそうだ。うららかな冬の日の児童たちにほっこりとした暖かさをもらう。(髙橋正子)

枝先に花の残りぬ萩枯るる★★★
想い出のように現はる雪ばんば★★★

弓削和人
〈春日野〉
隆々と杉は立ちけり冬やしろ★★★★
冬ざれの大社の路や春日巫女★★★
朱にそめし春日大社や山眠る★★★
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自由な投句箱/11月11日~11月20日

2022-11-11 11:26:39 | Weblog
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※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
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今日の秀句/11月11日~11日20日

2022-11-11 11:25:52 | Weblog
11月20日(1句)

★勇忌の句碑にしぐるる祇園かな/桑本栄太郎
勇は耽美派の歌人の吉井勇のこと。1886年東京高輪に生まれ、1960年11月19日、京都で亡くなっている。「かにかくに祇園はこひし寝(ぬ)ときも枕にしたに水のながるる」の歌碑があり、祇園を愛した歌人として知られる。大衆に知られたところでは、「ゴンドラの唄」(中山晋平作曲)の作詞をしている。「しぐるる祇園」は祇園の芸妓たちに「しらぎくになってしまわれた」と嘆かせた心境に通じるものがある。(髙橋正子)

11月19日(1句)

★浮かび咲く八手の花や夕の空/弓削和人
夕べの空に八手の白い花が咲いている。夕べなので、花火のような白い花が濃い緑の葉に浮いたように見える。抒情的なやさしい句。(髙橋正子)

11月18日(1句)

 <書写山もみじまつり曼荼羅特別奉納公演>
★冬暮色払いて太鼓の一打かな/多田有花
曼荼羅の特別奉納には、般若心経を唱える中で和太鼓が奉納演奏されたとのこと。和太鼓がどんと一打ちされると、寺の暮色が払われるような響きが広がる。堂々とした寺は、「冬暮色」もまた堂々と深みがある。(髙橋正子)

11月17日(2句)

★高嶺まで眼間に見ゆ霜の朝/小口泰與
泰與さんのお住まいからは、榛名山、浅間山、赤城山など高い山が見える。晴れた夜の冷え込みで朝には霜を見るようになった。朝の研ぎ澄まされた冷気に高嶺さえも眼間に見えるすばらしさ。それが句になった。(髙橋正子)

★朝明けや空までつづく道に冬/弓削和人
朝が明けてくると、空までつづく道が寒々としてそこに冬が来たように思えた。空までつづく道は、うねうねとした人ひとりいない、偶然にも車が一台通り過ぎる山道か、丘の道が空へつづいているのか。(髙橋正子)

11月16日(1句)

★寄せ合うて本を読む児ら冬電車/弓削和人
電車に並んで座った幼い子が本を寄せ合うようにして読んでいる姿はほほえましい。冬の電車のほっこりとした暖かさが幼子を包んで眺めているものも幸せな気持ちになる。(髙橋正子)

11月15日(1句)

<故郷の風呂焚きの追憶>
★外焚きの榾火ごとんと夕暮るる/桑本栄太郎
「榾火」は、季語としては囲炉裏にもちいる焚きものを指すが、この句では解釈をひろげてよいと思う。榾をくべて沸かす風呂は、夕暮れも早い冬には体を温まりながら風呂を焚く。そろそろ沸くころになると急に日暮れて人恋しい気持ちにもなる。「ごとん」にその気持ちが出ている。(髙橋正子)

11月14日(1句)

★とびとびに青空見ゆる初時雨/廣田洋一
初時雨のせいか、青空が雲間にとびとびに見えている。そんな空からの時雨に冬の初めが思い知れる。(髙橋正子)

11月13日(1句)

★踏みゆけば匂い立ち居り落葉かな/桑本栄太郎
公園や道に積もっている落葉は、さほど匂いを感じないが、踏んでゆくと、踏まれた力のせいか、落葉の匂いがする。日々深まる季節の匂いが落葉の匂いでもあろうか。(髙橋正子)

11月12日(2句)

★ぶらりゆけば切株燃やす焚火の香/多田有花
ぶらりと歩いていくと庭の木をせいりたのか、切株を燃やしている。その焚火の匂いに懐かしさを覚えるのは、私だけか。(髙橋正子)

★日向ぼこ猫がそうしていた部屋で/川名ますみ
飼っていた猫は亡くなったのだろうが、その猫が気持ちよさそうに日向ぼこをしていた部屋に入るとぽかぽかと日が差している。猫がしていたように私もしてみた。かわいい猫がそこにいるようだ。(髙橋正子)

11月11日(1句)

★初雪や索道の荷の天へ進み/小口泰與
索道に吊り下げられた荷物が、天へと進んで行くように運ばれている。おりしも初雪が降ってきて絵にしたいような場面になっている。初雪が効いている。(髙橋正子)
コメント (7)
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