◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●デイリー句会投句箱/9月21日~30日●

2014-09-30 09:32:12 | Weblog
※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。

◆俳句日記/高橋正子◆は、下記のアドレスです。
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今日の秀句/9月21日-30日

2014-09-30 09:25:59 | Weblog
[9月30日]
★コスモスの揺れは大きく朝の風/高橋秀之
コスモスを大きく揺らす風は、「朝の風」である。「朝の風」の透明感、爽やかさがコスモスの花の色、花姿の優しさをイメージづけている。たっぷりと吹く朝の風が心地よい。(高橋正子)

[9月29日]
★天空より翳おりてきて秋の蝶/小西 宏
空高くから降りてくる翳に気付き、なんだろうと思うとそれは蝶であったというのだ。「翳」は秋の日差しを飛ぶ「秋の蝶」だからこそ感じ取れたもの。(高橋正子)

★母屋へと重たく寄せる稲穂波/佃 康水
母屋のすぐ傍から田んぼが広がっているところ。どっしりとした母屋へと、稲穂の波が押し寄せる風景に、豊作の嬉しさが見る側にも伝わってくる。(高橋正子)

[9月28日]
★秋高しいざ斑鳩へ出かけなむ/河野啓一
天高くなると、斑鳩の里の空に憧れる。斑鳩は悠久の空が青く広がるところだ。(高橋正子)

[9月27日]
★晴れあがる青空と紫苑と色二つ/迫田和代
晴れあがった高い青空の「青」の色と、紫苑の「薄紫」の色が今二つ眼にある。この二つの色によい色調を感じ取ったのは、作者の色に対しての感な感覚。(高橋正子)

[9月26日]
★ふるさとへ戻り林の鵙高音/桑本栄太郎
ふるさとに戻った安らかさと懐かしさのなかに、鋭い鵙の高音が聞こえる。この鵙の高音こそが、わがふるさとの秋なのだ。(高橋正子)

★城立つや澄みたる沖を背景に/多田有花
山の上から見た景色だろう。きれいな青色に澄んだ沖を背景に凛と城が立つ。白鷺城だろうが、さわやかに凛とした風景。(高橋正子)

[9月25日]
★ハイウェイのはるか眼下に稲田かな/桑本栄太郎
田園地帯を走るハイウェイは、少し高い位置にあって、眼下に稲田が見渡せる。日本の秋の景色は稲田がなければ、全く違ってくるだろう。故郷へ向かう気持ちを晴れやかにしてくれる。(高橋正子)

★桂高く葉色変えつつ秋にあり/小西 宏
桂の黄葉は、銀杏に劣らず見事なものだ。桂は、今、色づき始めている。秋という季節に高々と立っている。「秋にあり」に桂の姿と空の様子が見える。(高橋正子)

[9月24日]
★一群れの集い拡がる稲雀/桑本栄太郎
稲雀は、農家には困りものだが、一群れがやってきてぱっと稲穂に散らばる様子は、稔の秋の象徴だ。稔の稲田を明るく快活にしてくれるものだ。(高橋正子)

★玄関に居間に風立つすすき活け/黒谷光子
土手からすすきを切ってきて、家の玄関や居間に埋けると、野の景色がそのままそこに移されて、さわやかな風までも吹いてくるようだ。 (高橋正子)

[9月23日]
★笛太鼓響くや秋の広き森/河野啓一
万博記念公園では、どこかで鼓笛隊のパレードでもあるのだろう。笛や太鼓の楽しい音楽が森の中まで聞こえてくる。間近で聞くよりもより、うららかなに思える。秋うららかな森の散策。(高橋正子)

[9月22日]
★父のブランデーグラスに桔梗一輪/川名ますみ
ブランデーグラスに桔梗が一輪挿されて、洒落ている。そのことは勿論だが、ブランデーグラスが思い出深い父のもので、深まりゆく秋を、父の懐のように、温かく、深く感じさせてくれる。ブランデーグラスの水と桔梗の色がきらめいている。(高橋正子)

★樫の木に日の残りいて虫の声/小西 宏
この句では、樫に日が残っているが、私は野原に残る日のなかに虫が鳴いているのをよく経験した。そういう情景を樫の木に変えて思うと、残る日にも鳴く虫にも切ないような気持ちが湧く。(高橋正子)

[9月21日]
★噴煙の果たてや蕎麦の花盛/小口泰與
噴煙の昇らない山と花盛りの蕎麦畑の取り合わせによって、静謐な風景が詠まれている。(高橋正子)

★秋空を独り占めして少女の像/内山富佐子
少女のしなやかな肢体、手をしなやかに空に伸ばしているような像が、秋空の青の中に立っている。秋空の青が少女の像をすっきりと浮かび上がらせた印象深い像だ。(高橋正子)
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9月21日-30日

2014-09-30 08:40:17 | Weblog
9月30日

●黒谷光子
留守うちに届く茗荷の香り立つ★★★
香りくる垣根も庭も金木犀★★★
零さじと挿す一枝の実紫★★★★

●小口泰與
夕映えの雲華やぐや酔芙蓉★★★
芋の葉に日の一閃や風の中★★★★
バンカーへ球飛び込むやいぼむしり★★★

●河野啓一
稲穂波かき分け揺れる案山子かな★★★
九月尽余念なき音植木職★★★★
九月尽御山御嶽さんの怒りかな★★★

●多田有花
天高しホルンを鳴らす人もいて★★★
秋風が森鳴らす音聞き歩く★★★★
真っ黒な小さき秋の蛇と会う★★★

●桑本栄太郎
彼岸花畦に色褪せ日の闌ける★★★
芋の葉の白く巻き居る日暮れかな★★★★
新月の嶺の茜や秋の宵★★★

●高橋秀之
蟋蟀の声もまばらに夜の駅★★★
コスモスの揺れは大きく朝の風★★★★
コスモスを大きく揺らす風は、「朝の風」である。「朝の風」の透明感、爽やかさがコスモスの花の色、花姿の優しさをイメージづけている。たっぷりと吹く朝の風が心地よい。(高橋正子)

コスモスや朝日に光る淡き色★★★

9月29日

●高橋秀之
静寂の夜明けの街は秋の朝★★★
秋の朝雀の鳴き声だけ響く★★★
週初めの朝を秋風吹き抜ける★★★★

●小口泰與
秋蝶の忽と乱舞や人は黙★★★
秋蝶へ花の蜜をやはなむけに★★★
小鳥来る船橋の梨届きけり★★★★

●河野啓一
天高し高速道を一直線★★★★
生駒山トンネル抜けて古都の秋★★★
奈良町を過ぎてそこには萩の寺★★★

●桑本栄太郎
晴れ上がる天に一面金木犀★★★★
うつり香もつれて家路や金木犀★★★
日を透かしうぶ毛きらめく猫じやらし★★★

●佃 康水
母屋へと重たく寄せる稲穂波★★★★
母屋のすぐ傍から田んぼが広がっているところ。どっしりとした母屋へと、稲穂の波が押し寄せる風景に、豊作の嬉しさが見る側にも伝わってくる。(高橋正子)

埋め立ての決まり最後の稲を刈る★★★
普請寺雲竜松の色変えず★★★

●小西 宏
天空より翳おりてきて秋の蝶★★★★
空高くから降りてくる翳に気付き、なんだろうと思うとそれは蝶であったというのだ。「翳」は秋の日差しを飛ぶ「秋の蝶」だからこそ感じ取れたもの。(高橋正子)

台風を撥ね除け青き高気圧★★★
犬引けば日ごとに秋の長き影★★★

●川名ますみ
箱いっぱいの野菜の上に栗二つ★★★
到来の林檎も栗も家族分★★★
曼珠沙華遺しお壕の草苅らる★★★★

9月28日

●河野啓一
秋高しいざ斑鳩へ出かけなむ★★★★
天高くなると、斑鳩の里の空に憧れる。斑鳩は悠久の空が青く広がるところだ。(高橋正子)

柿の実の日ごと太りて色づきて★★★
秋の雲ひと刷きしたし画布の上★★★

●小口泰與
初紅葉信州味噌のとどきけり★★★
暮れ方の利根の白波冷まじき★★★★
遠山へ雲湧きたつや曼珠沙華★★★

●桑本栄太郎
晴れ上がる天に色濃く金木犀★★★
手描きされもへじ顔なり案山子翁★★★
医科大を囲むポプラやうす黄葉★★★★

●小西 宏
秋日和テープを胸に駆け抜ける★★★★
晴れ空に囲を輝かせ秋の蜘蛛★★★
遠峰の影の黒さや秋高し★★★

9月27日

●迫田和代
突然に燃えあがるように曼殊沙華★★★
忘れることも供養かと秋彼岸★★★

晴れあがる青い空と紫苑と色二つ
【添削】晴れあがる青空と紫苑と色二つ★★★★
晴れあがった高い青空の「青」の色と、紫苑の「薄紫」の色が今二つ眼にある。この二つの色によい色調を感じ取ったのは、作者の色に対しての感な感覚。(高橋正子)

●小口泰與
豆菓子をかりっと噛むや秋高し★★★★
おしろいや五目並べの手の止まり★★★
稲雀二三羽もれて立ちにけり★★★

●桑本栄太郎
鳥取から高速バスで京都へ
のけぞつて秋空眺む高速バス★★★
エンジンの音に秋思の家路かな★★★
ふるさとを秋の入り日に託しけり★★★★

●多田有花
走り過ぐ車窓へ金木犀の香り★★★
抱かれいてあくびする子や秋の昼★★★
描き終えたれば窓辺に虫の声★★★★

●黒谷光子
こぼれ萩能楽堂へ急ぐ道★★★
欄干に佇ち川岸の薄もみじ★★★
竜胆の供花新しく辻地蔵★★★★

9月26日

●小口泰與
初紅葉魚眼レンズの塵を掃く★★★
山菜の天ぷら食ぶや虫の声★★★
月白や埴の壷置く食卓に★★★★

●多田有花
城立つや澄みたる沖を背景に★★★★
山の上から見た景色だろう。きれいな青色に澄んだ沖を背景に凛と城が立つ。白鷺城だろうが、さわやかに凛とした風景。(高橋正子)

驚きはひとかたまりの曼珠沙華★★★
階段をとんとん降りる爽やかに★★★

●桑本栄太郎
秋の鳥取へ帰省
海岸に沿いてプロペラ秋の風★★★
ふるさとへ戻り林の鵙高音★★★★
ふるさとに戻った安らかさと懐かしさのなかに、鋭い鵙の高音が聞こえる。この鵙の高音こそが、わがふるさとの秋なのだ。(高橋正子)

くつきりと大山の嶺秋の晴れ★★★

●小西 宏
朝の陽に虫の音のあり切通★★★★
黄葉して少し寂しき桜森★★★
テムジンの孫(そん)また来たる秋相撲★★★

9月25日

●小口泰與
初紅葉到来物に声はずみ★★★
塊りて落下はげしき稲雀★★★★
あけぼのの稲の弾むや雀どち★★★

●多田有花
秋の薔薇軒に昇らせ古き家★★★
食べおさめとなりそうな梨を頬張りぬ★★★★
山際を次々離れ秋の雲★★★

●桑本栄太郎
 秋の鳥取へ帰省
ハイウェイのはるか眼下に稲田かな★★★★
田園地帯を走るハイウェイは、少し高い位置にあって、眼下に稲田が見渡せる。日本の秋の景色は稲田がなければ、全く違ってくるだろう。故郷へ向かう気持ちを晴れやかにしてくれる。(高橋正子)

水平線の群青色や秋の海★★★
名水の天の真名井や秋の空★★★

●河野啓一
野分去りスカイブルーの朝が来る★★★
コスモスの切り絵を貼れる白い壁★★★
正確な生物時計よ曼珠沙華★★★★

●小西 宏
桂高く葉色変えつつ秋にあり★★★★
桂の黄葉は、銀杏に劣らず見事なものだ。桂は、今、色づき始めている。秋という季節に高々と立っている。「秋にあり」に桂の姿と空の様子が見える。(高橋正子)

まだ青き芝に黄葉(もみじ)の重ね置く★★★
静か夜の草むら深き虫の声★★★

9月24日

●小口泰與
唐黍や夕映えの雲浅間山(あさま)へと★★★★
椋鳥や水族館の群鰯★★★
コスモスやげに晴れわたる湖の空★★★

●内山富佐子
秋の暮ふいに飛び立つ番の鴨★★★
紅葉の順番決める日の恵み★★★
ごんぎつねの隠れているか曼珠沙華★★★★

●多田有花
秋分の空の青さを見上げおり★★★★
屋根瓦の清掃をする秋日和★★★
新しき掃除機届く秋彼岸★★★

●河野啓一
知らぬ間に綾加えきて並木道★★★
木漏れ日の嬉しき朝や秋の空★★★★
秋深く南紀の湯の香懐かしむ★★★

●桑本栄太郎
 秋の鳥取帰省
農小屋の傾ぐ辺りに野菊かな★★★
一群れの集い拡がる稲雀★★★★
稲雀は、農家には困りものだが、一群れがやってきてぱっと稲穂に散らばる様子は、稔の秋の象徴だ。稔の稲田を明るく快活にしてくれるものだ。(高橋正子)

畦に沿い哀しき色や曼珠沙華★★★

●小西 宏
萩月の風に流れる黒揚羽★★★★
草の実や狗と我との絆あり★★★
松虫の高鳴る茂み小雨降る★★★

●黒谷光子
説法の庫裡まで届く秋彼岸★★★
すすき切る鋏の音や朝の土手★★★

玄関に居間に風立つすすき活け★★★★
土手から、すすきを切ってきて、家の玄関や居間に埋けると、野の景色がそのままそこに移されて、さわやかな風までも吹いてくるようだ。 (高橋正子)
9月23日

●小口泰與
曼珠沙華忽と跳ねたる沼の鯉★★★
威銃牛舎の牛のひとところ★★★
稲雀塊り飛びて影の濃し★★★★

●古田敬二
さらさらと鞘に音鳴り種を採る★★★★
種を採る鞘からさらさら音させて★★★
種を採るさらさら実りの音させて★★★

●桑本栄太郎
 秋の鳥取へ帰省
ふるさとの野山色づく秋の声★★★
潮の香や吾がふるさとの秋の空★★★★
山陰線駅のホームの真葛原★★★

●河野啓一
 千里万博記念公園
笛太鼓響くや秋の広き森★★★★
万博記念公園では、どこかで鼓笛隊のパレードでもあるのだろう。笛や太鼓の楽しい音楽が森の中まで聞こえてくる。間近で聞くよりもより、うららかなに思える。秋うららかな森の散策。(高橋正子)

秋の森ミュージアムには特別展★★★
夕風に楽を奏でるキリギリス★★★

●小西 宏
秋彼岸石屋忙しき駐車場★★★
秋分の芝生に開く握り飯★★★★
森中に空の開けて曼珠沙華★★★

9月22日

●小口泰與
遠山の端へ日照雨や濃竜胆★★★
白壁へ飛び交う影や稻雀★★★
つんつんと背丈違えて曼珠沙華★★★★

●内山富佐子
葛の蔓空(くう)を掴んで揺れにけり★★★★
日の影に蕊で飾りて曼珠沙華★★★
教室の窓より聞ゆ秋の歌★★★

●多田有花
霊苑に車の列や秋彼岸★★★
秋蝉の声の途絶えし森となる★★★★
秋祭りの幟を立てし男たち★★★

●桑本栄太郎
ひな壇の畦の棚田や彼岸花★★★
秋澄みて隠岐の島影見えにけり★★★★
まほろばの丘の遺跡や秋高し★★★

●福田ひろし
獺祭忌人の縁など思いけり★★★
遠き地の娘を思う秋高し★★★
彼岸花工場の脇に朱を添えし★★★★

●小西 宏
落木に突き出る茸山の道★★★
秋蝶の翅紛れたる地の木の葉★★★

樫の木に日の残りいて虫の声★★★★
この句では、樫に日が残っているが、私は野原に残る日のなかに虫が鳴いているのをよく経験した。そういう情景を樫の木に変えて思うと、残る日にも鳴く虫にも切ないような気持ちが湧く。(高橋正子)

●川名ますみ
カーラジオ古き映画を秋晴に★★★
秋の窓呟くようなトロンボーン★★★

父のブランデーグラスに桔梗一輪★★★★
ブランデーグラスに桔梗が一輪挿されて、洒落ている。そのことは勿論だが、ブランデーグラスが思い出深い父のもので、深まりゆく秋を、父の懐のように、温かく、深く感じさせてくれる。ブランデーグラスの水と桔梗の色がきらめいている。(高橋正子)

9月21日
●小口泰與
噴煙の果たてや蕎麦の花盛★★★★
噴煙の昇らない山と花盛りの蕎麦畑の取り合わせによって、静謐な風景が詠まれている。(高橋正子)

瓢箪や鍋割山に雲一朶★★★
一球を泣くや子規忌の草野球★★★

●内山富佐子
秋空を独り占めして少女の像★★★★
少女のしなやかな肢体、手をしなやかに空に伸ばしているような像が、秋空の青の中に立っている。秋空の青が少女の像をすっきりと浮かび上がらせた。(高橋正子)

秋日和城址の濠の葦の風★★★
昨日より紅く黄色く照り紅葉★★★

●河野啓一
桔梗のごと端然と生きたくて★★★
萩の寺風あわあわと人の群れ★★★★
広々と刈田も空も明るかり★★★

●小西 宏
葉は緑初穂黄金に田を満たす★★★
筋雲に淡き空あり秋彼岸★★★★
秋澄みて赤々と実のハナミズキ★★★

●桑本栄太郎
秋の鳥取帰省
秋高のふるさと訛りや道の駅★★★
コスモスの風の伯耆の遺跡かな★★★
秋潮のはるか遠くに隠岐の島★★★★
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●デイリー句会投句箱/9月11日~20日●

2014-09-20 11:31:01 | Weblog
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今日の秀句/9月11日-20日

2014-09-20 10:02:46 | Weblog
[9月20日]
★秋袷化粧落ちした女あり/迫田和代
秋涼の季節に相応しい織や柄の秋袷も着こなしにより雰囲気はいろいろ。隙なく装うより、少し化粧落ちしたところに、秋のさびしさもあって、個性を感じさせる。(高橋正子)

★佛にと届く大束紫苑かな/黒谷光子
紫苑は丈高く伸びて、ひと茎に咲薄紫の花もたくさんだ。その花を抱えるほどの大束にして、佛にとくれた。紫苑の優しい色があふれる。(高橋正子)

[9月19日]
★マンション群抜けて秋野を送迎車/河野啓一
送迎車は、自宅から多少離れたところへ送り迎えをしてくれ、途中の景色も楽しみなもの。マンション群が途切れたところに急に秋の風情ある野原が現れる。都市近郊の開発中のところなどで見られる景色だが、芒や千々の草を眼にすれば、嬉しいものだ。(高橋正子)

[9月18日]
★校庭に子らの飼う馬秋の風/内山富佐子
校庭で馬を飼うのは、人と馬の生活が親密な北国らしいことであると思うが、「天高く馬肥ゆる秋」の季節を迎えた。子供たちが嬉しそうに馬に餌を与えている様子を思う。(高橋正子)

★カンナ咲く角を曲がれば海に出る/多田有花
生活に海がある瀬戸内海。海の色とカンナの強い色が対比され、明快な瀬戸内らしい風景だ。(高橋正子)

[9月17日]
★名月や北へ来て居る旅の夜半/小川和子
名月の北の夜は、季節も一層進んで、月の光も冴えわたっていることだろう。北の夜半の旅愁の名月。(高橋正子)

★太鼓台金糸銀糸を秋の陽に/多田有花
新居浜の太鼓台は、勇壮できらびやかなことで名高い。太鼓台を飾る金糸、銀糸に秋陽があたるとまばゆい。太鼓台をまぶしくさせる「秋の陽」が、祭りに趣を添える。(高橋正子)

★銀漢や海峡の町の路地深く/福田ひろし
海峡のある町の路地の突き当たりは海であることも多いが、その路地の奥深くに天の川の無数の星が見える。海峡の生活の路地にぴったりと嵌った天の川だ。(高橋正子)

[9月16日]
★上流のはるか鞍馬や秋の雲/桑本栄太郎
京都の北、はるか鞍馬山の方を眺めると秋の雲が浮かんでいる。鞍馬寺、鞍馬山などで知られる鞍馬だが、はるか遠い歴史を思いださせるような秋の雲だ。(高橋正子)

[9月15日]
★子らの乗る土管の汽車や秋の風/内山富佐子
秋の風が心地よく吹くようになると、子供たちはいろんなものを見つけて遊ぶようになる。土管を汽車に見立て、土管にまたがって遊んでいる。かわいらしい風景だ。(高橋正子)

★父母を連れ海峡渡る秋高し/福田ひろし
空は高く晴れ渡り、海峡を流れる潮は明るく輝き、父母を連れての旅がよい旅で、親孝行をされた。海峡の素晴らしい景色を読み手も眺めているようだ。(高橋正子)

[9月14日]
★群れ咲きて水引草の赤の濃し/黒谷光子
水引草は、一すじの茎を伸ばし、それに米粒ほどの小さい花を茎に沿ってつける。まばらに茎が伸びていると、花の存在も空気にまぎれてしまうほど。しかし、群れ咲くとその紅色が鮮やかで、水引草の印象も強まる。(高橋正子)

[9月13日]
★数珠玉の川風に添い水に沿う/桑本栄太郎
川沿いの数珠玉を吹く風に馴染み、そこを過ぎれば、川の水の流れに沿って歩く。風に沿い、水に沿う逍遥は、数珠玉があってどこかさびしくなる。(高橋正子)

[9月12日]
★草の実や羽音きびしき群雀/小口泰與
草の実を食べる雀たちは、人が近づいたり物音がすると、一斉に飛び立つ。この時の、音が厳しく空気を切る。草の実を糧に日々命をつなぐ雀たちの厳しさを見た。(高橋正子)

★群れ飛んで夕日眩しき塩蜻蛉/小西 宏
この句では赤とんぼではなく、塩から蜻蛉が詠まれて、少し珍しい光景だ。夕日を翅に反射させる蜻蛉が眩しいのだが、夕日を取り立てて「夕日眩しき」としたのがよい。蜻蛉と夕日が一体化した。(高橋正子)

[9月11日]
★間引菜やあかあかと朝日出づ/小口泰與
朝の露を踏んで菜を間引くと、朝日があかあかと昇る。素晴らしい秋晴れの朝だ。間引菜の稚いみずみずしさと朝日は生まれ出た喜び。(高橋正子)
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